空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

【講義用メモ】公用車を運転する際の配慮とタクシー利用・その費用負担について

2018-11-27 12:27:59 | ノート
読売新聞 公用車運転、労組「ダメ」…タクシー代1億円に 2018年11月20日 07時38分

県道や橋などの管理を担当する長崎県の29部署が、労働組合との取り決めに基づき、一般職員による公用車の運転を認めていないことが分かった。こうした部署では運転手付きの公用車を使っているが、台数が限られていることからタクシーによる長距離移動が頻発し、1回の運賃が4万円を超すケースも出ている。識者は「不合理で県民の理解を得られない」と指摘しており、県も見直す方針を示している

運転手付きの公用車は台数が限られているため、職員たちは車が空いていない場合はタクシーで移動。読売新聞が情報公開請求で入手した2016年度分のタクシー使用の記録には、1万円を超える運賃が並ぶ

一部の部署が職員の運転を認めていない背景には、労働組合との取り決めがある。県などによると、09年度から本格的に一般職員が公用車を運転するようになったが、組合側が職員への運転の強要につながり、運転手の雇用も失われるなどと反発。このため、職員が運転する場合は職場が組合に要求書を出して承認を受けることとなったが、29部署は出していない

 この点、論点として上がっている「、運転手の雇用も失われる」は職場の仲間の仕事を奪わないようにという労働者の連帯の気持ちが現れていて、そのこと自体は好ましい。

 だが、それによって自社の生産性が低くなり、自分たちの給料アップが遅くなり、はなはだしくは自社がつぶれて失職しかねない―という危険をどこまで認容すべきかという論点は残る。この事例の場合は自治体であり、まあ滅多につぶれはしないだろう。だからこそ問題の自覚化が遅れた―と評価される余地は十分にあろう。

 また「職員が運転する場合は職場が組合に要求書を出して承認を受ける」ことができるのであり、この例外規定によって、1) 今現在、運転手単能でいる労働者仲間の雇用をできるだけ守る、しかし技術の進展・社会的事情の変化によってその職を維持し続けることは困難になる可能性は大いにあり、2) 将来的にはこの例外規定が一般的前提となり、運転手専門の雇用が失われるような情勢にも対応できるように制度設計ができている、という点で労組側の対応は理性的と思う・

 ―要求書を出してもハネられてきた、というなら労組が時代もなにも見ていないということで、労組の責任。昔の水準で例外規定にしておいたのを時代に応じたものに変更してこなかったのも労組の責任。変更するよう働きかけとかしてこなかったのは役所側の責任。それはともかく、要求書を出せる状態にあり、認容される見込みがあったにも関わらず出してこなかったのだとすれば役所側の責任。そんな具合に評価できそう。

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