空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

一発アウトだ、それは

2015-01-24 17:53:58 | ビルマ/ミャンマー
BBC UN condemns Myanmar monk Wirathu's 'sexist' comments 22 January 2015

 国連人権問題部局はBuddhist nationalistのWirathuを非難するよう、Myanmar政府に求めるのである。
 まあその、国連からの調査官等々が気に食わないのはまあ仕方ないにしても、bitchだのwhoreだの、公けに言うのは品がないのであって。

 問題のWirathu氏はanti-Muslim運動の指導者。2003年から永くその罪で収監されていた。所謂民主化とともに解放され、そうして2012年のラカイン/ヤカインでの事件等々で燃え上がる仏教徒・ムスリム間の軋轢のなかに勢力を伸ばしつつある様子。

 でまあ、このYanghee Lee氏が批判するのは、こうしたナショナリスト・ブッディズムの人たちが要求する法律案―異なる宗教教徒間の結婚の制限、改宗の制限を求める―なのである。

 いや、実際上、そういう風習はあるのだろうが、敢えて立法で禁じるというのは別の次元の問題だ。
 現に私は曹洞宗の檀家(のつもり)で、これから変える気はないし、敢えて信仰を変えてクリスチャンかムスリマと結婚しようだのとは別にそんな意向はないが、敢えて法で禁じるべきものとは信じない。

 というか、
We have explained about the race protection law, but the bitch criticised the laws without studying them properly
 ―”我々はこの民族防衛法(race protection law)について説明したのに、このbitchは適切に検討することなしにこの法を批判したのだ”―だそうで、

 …一発アウトだ。それこそ、この主張はナチスの類として非難されよう。

 そりゃあ、まあ当局としてはRohingyaの行動・活動を抑制するのが基本方針だろうというのは、明らかではあるんですが。言われなくても、特段の証拠がなくても、だいたいのところは感じられましょうけど。「わかってますか、やっていいこと、わるいこと」あるいは「わかってますか、隠したほうがいいこと、隠さないとダメなこと」。

 でまあ、このWirathu氏は政界につよい影響力を持つようで。問題は、今年行われる総選挙で、誰がどうWirathu氏に応じるのか―というところ、とか。


 いやあの。
 現地ではお坊さんは、一般的に尊敬されますが。
 しかし能天気にお祭り騒ぎをするのも現地の風俗であって、クリスマスとかはちょこっとした楽しみとしてあるわけであって。
 あんまり純血主義を出しすぎるのはなんだなーと。


 …あああああ。余計な方向から余計な要素が入り込んで、ミャンマー情勢がさらに読みにくくー。


BBC Documents 'show Myanmar Rohingya discrimination is policy' 25 February 2014

 人権団体の分析では、ミャンマー政府ないしヤカイン当局の方針は以下の如く見えると:

The policies restricted Rohingya's "movement, marriage, childbirth, home repairs and construction of houses of worship", it said

 ともあれ、Rohingyaは、自分たちはMyanmar/Burmaの一部をなすと理解するものであり、できれば適切に統合する・されるのが望ましいのは疑いなかろう。いや、まずは人道的にそうだが、ほかの可能性もあろうよ。

 ところが問題になるのは、まずはMyanmarは仏教立国とでも言おうか、そもそもやたら民族がいるので、統合の象徴・原理として仏教を使わざるを得ないあたりか。するとキリスト教(カチン族に多いかなあ―チンのほうもだそうだ)やイスラム(つまりロヒンギャということになるか)が、上手く回収できない集団として残ることになる。

 一応、我が国でたとえてみれば、在日半島出身者及びその後裔(ちょっと正確性を求めてみたらなんか変な感じ)に相当するだろうか、規模的に。いやこれも無理で、彼らは日本の人口の精々1%程度。そして少なくとも、我々は割りと平和的にやってる。

 ところがミャンマーでは、当局の実務的にロヒンギャの結婚や子供つくりに介入し、さらにWirathuはそれを法的にしっかり規制しろと主張するわけだ。

 規制はなかなかアレな内容を含んでいるようで、当局の者は、あるロヒンギャの母子関係を疑った場合、”おい、ちょっと乳をやってみろ”と強制できるのだとか。なにその羞恥プレイ。フランス書院でも、結構出しどころを考えるレベルの高等プレイじゃないのかそれは。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本政府は人質解放のためあ... | トップ | それに接して、言論の自由が... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ビルマ/ミャンマー」カテゴリの最新記事