空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

武田鉄矢を政治批判する人たちに苦言

2017-12-27 16:15:37 | Weblog
 タイトル本歌取り。

 先日メモした、Livedoor News 「カッコよがる風潮がある」武田鉄矢が政治批判する人たちに苦言(2017年12月24日 16時5分)をめぐって:



 これは単に正論。

 ただし、問題点あり。それに気付かないのは知的に劣弱であり、気付いたうえで言っているなら卑劣ということになりかねないので注意が必要なところか。

1. 話題になっているひとは、一個人に比べれば圧倒的な知名度・財力・社会的影響力を持つひとであり、それ自体既に権力者であること。すなわち、権力行使に際していささか気を遣うべき立場であること。彼の不適切発言に追及があったのは、米山氏的には歓迎すべきことであるわけだ。



2. 話題の構成要素に「「なんか、みんなやたら反権力とか、政治を批判したり、それから首相に向かって『バカ!』と言ったり」「ちょっとカッコよがるっていう、そういう風潮がありますよね」」があり、「問題点を適切に指摘して批判」というものとは(いささか)異なる。

3. 「武田は「相手が殴り返してこないことを見て、『かかってこい!』という人いますよね。それはズルいと思うんだよね」」について、ここには”相手”、具体的には原典の文脈上、安倍首相が殴り返してこないこと・殴り返してはならないというルールの上にのっかって、それであえてバカだのなんだの言ったうえ、「『かかってこい!』」とやってみるあたり児戯が見えるという批判であり、民主主義社会のルールを利用(悪用)したおふざけを「自由にその批判ができるのが民主主義社会の当然のあるべき姿」と称揚することに些か危機の萌芽を見ることが出来る点。

 民主主義社会が当然持つべき寛容を便利に利用してアレコレしでかした人たちの例を、歴史上、いくつも指摘できるのでは。いえ私は教養がないのでそんなに出ませんが。

4. にも拘らず、安倍首相とかのいわゆる権力者だけに「手出ししたらお前が社会的に抹殺されるんだよ!」ルールをあてはめるのは流石に難。



 この指摘は興味深い。「イシキタカイ」ひとたちのうち、教養があり話術があるひとは自然にこうするだろう。



 うまいな。
 ながながと書くより「権力が殴り返してこない普通の民主主義の国で、自由に批判する事を、勇気ある事だと持ち上げるのは、あるべき姿ではない。そういう事じゃねーの?」は見事な批判になっている。

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