空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

指導要領的にはこんなもん、といえるのは便利なこともあり

2018-02-15 17:12:52 | ノート
朝日新聞 (社説)高校指導要領 木に竹を接ぐおかしさ 2018年2月15日05時00分

領土問題に関する書きぶりを見ても、たとえば「尖閣諸島は我が国の固有の領土であり、領土問題は存在しないことも扱うこと」などとなっている

政府見解を知識として生徒に伝えることは大切だ
相手の主張やその根拠を知らなければ、対話も論争も成り立たない

 公式見解をまず学ばないと、それ以外の意見との対比もなにもできないわけですが。

新指導要領がめざすのは、主体的に考え、行動できる若者の育成だ。ならば、もっと生徒と教師を信じ、その自主性に任せていいはずだ

 自主性にまかせて、公式見解もなにもなしにネトウヨ発言丸出しの授業されても結構ということでしょうか。僕はダメだと思う。
 まず、とりあえず、生徒学生の大多数を占める日本国民向けに、まずは日本国(政府)の公式見解を提示する。その歴史的経緯を近現代史のなかで跡付ける―これは歴史教科書による。そのうえで新聞記事なり、関係する外国大使館のページなりなんなりで”それ以外”の見解の存在とその内容を学ぶ。先だって日本国公式見解の形成経緯を学ぶ際にみた歴史的経緯を、あらたな視点から学習しなおすことになる。

 朝日新聞さんは忘れているかもしれませんが、朝日新聞的に「その自主性に任せ」たいような教師って、おそらく少数派ですよ。諸種支持率等々を鑑みるに。社会科教師には、朝日新聞的に好ましい人々がより多くいる可能性は、それなりにはありますが、そうした期待を持っているだけかもしれません。

参考:「名護市長選後の2,3の所見(2018-02-09)」

 …沖縄・名護の選挙の分析を思い起こせばよいのでは。ちょっと危機感を持って欲しいなあ。

 そんなわけで、現場の暴走を防ぐ意味でも、それなりに一定の水準の内容を広く保証するためにも、一定程度の枠組みで現場の足を縛るのは止むを得ぬ仕儀、と私としては思うのです。

 …左右いずれだろうが、極端主義のごとき見解を喋る先生はそれなりに数があるので、教育基本指導要領的にはこんなもんです、などという感じに権威を利用して極論たちをそれなりに制圧できるのは、割と便利なのです。正直なところ。

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