空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ソマリア・イスラミストはWC視聴を禁止する

2010-06-15 23:12:21 | ソマリア関連
 前回にくらべて,大変厳しい対応である。参考:「teiresiasさんがみてる~嗚呼WC観戦に銃撃あり~ 2008-03-08」

BBC Somali militants threaten World Cup TV viewers 14 June 2010 11:31 UK

 以前の例の場合,Aweys師は最終的には視聴許可を出しましたが―

 今回,WCの試合を視聴する者には(よくて)公開むち打ちを課す旨,声明。gangs of Islamistsが,こっそり視聴している者がいないかどうか,見回りをしているという。

 熱心なファンはこそっとみるか,それとも暫定政府側支配地域に行って視聴する。なお土曜日(12日)には,試合中継を見ていた家屋に襲撃があり,2名が殺害されたという。

 Hizbul Islamは,モガディシュ北東地域のとある家でアルゼンチン―ナイジェリア戦を視聴していた10名を逮捕。広報担当のSheikh Mohamed Abdi Arosは,ソマリア全土に亙って彼らの出した禁令を守るべきである,とする。

「我々はソマリアのすべての若者たちに警告する,WCの試合を敢えて見ることのないようにと。それは金と時間との無駄であり,狂った男どもが飛び上がったり下がったりするのを見ることでは何の得をすることもないし,何を経験することも無い」。

 とはいえ,人々は,アフリカ諸国の試合は見たいのだったりする。映画館や放映機材のある場所は人を呼び,イスラミスト支配地域に住むある男はアルジェリア・スロヴェニア戦を自宅で見たと言うが―「私は片っぽの眼はTVに,もう片っぽはドアに向けてた。音量は下げてね」。

 禁令は延々2006年のイスラム法廷支配期にまでさかのぼる。個々に衛星放送受信機を入手したりもできるなか,一般禁令が効果的な手段ということであるらしい。

 なおJubba谷のイスラミスト(つまり南部キスマユ周辺の連中でしょうが)はもっと過激で,自宅であろうともWCを見ちゃダメだという。聖戦から人の目をそらすから,というのである。なお参照:「サッカー観戦者は爆破処分:ソマリア 2008-06-23」。

 記事中にもありますが,private放送局―つまりShabelle Media Networkが空港近くに移転した(そして今日の段階で未だ機能していない。10日も機能停止って,今までを思っても異例ですよねー)。

 支配地域も拡大し,支配権も強固となり,イスラミストたちは大胆になっています。WCを見ただけでも死刑が適用され得ます。私としてはこのような不寛容は不必要・有害であると思い,アルシャバブ等に対する一心不乱の反対行動としてWCを視聴しまくりたいところですが―

 ―TVがないんですよね。アパートには。

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