空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

目的は手段を正当化するか

2009-12-03 18:53:56 | Weblog
 同じ事件に言及しつつも,しかし語りの内容と立論の行く先はえらくことなるものであるなあ:

おおやにき 人権の衝突 2009年12月 2日
プロメテウスの政治経済コラム 沖縄密約証言  吉野氏国家のうそ証言  西山事件というもう一つの国家謀略 2009-12-02 21:03:07

 吉野文六氏の勇気が称賛されるべきことは大方の同意を得られようと思うところだが:

名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと 沖縄返還密約訴訟 ついに元政府高官が密約を認める 2009-12-02 14:16:23

 しかしだ,酒に酔わせて色仕掛けかました上に必要な情報を得たあとはハイサヨウナラな西山太吉は名誉の回復される余地なんかありませんよね。ダメでしょ,ちゃんと一生を保証してあげると言うくらいしないと。ハゲの女たらしの爪の垢でも煎じて飲めと。

 信義も愛も心もなく他人も自分もただの道具として使い潰す―そんなオーベルシュタインな生き方も,世間では美学のある生き方と称賛されもしよう(個人的に付き合いたくはないが)。そして西山はそれにも至っていない。だめだろ,それじゃ。

 つまり職業人として失格であり,それ以前に男として失格であり,かつまた悪の華になどなれもしない。スパイとしてどうかという意見が出るかもしれないが,情報を盗み出す一点にかけてはともかく,他が穴だらけだろう,素人目にも。

 なおも『国家権力の欺瞞を暴くための闘争において巨大な功績があった』(それに比すれば人妻を誘惑したことなどさしたる問題ではない)という弁護もありえよう。それについては先達もあることではあるが,広く人民の支持を得られる考えともあまり思えないが。つうか巨大な権力の罪の一つは,人間の手段化にあろうが,権力を批判する立場の者が堂々人間を手段として恥じるところがないなどということはあってはならぬと私は信じるのだが。

 あとちょっと見たblogメモ:
来栖宥子★午後のアダージォ 「沖縄密約証言」をよみくらべる 2009-12-03
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