ハノイ会談の「その後」

BBC Pompeo presses Kim Jong-un to keep his word on nuclear tests 15 Mar 2019

「US Secretary of State Mike Pompeo has said he expects North Korea's leader will live up to his commitment not to resume nuclear and missile tests.」

「But Mr Pompeo said he is "hopeful" that discussions will continue.」

　対話の窓は開いてますよ，と示すのは重要である。
　ただ，それは，真っ当に話すのならば，という条件付きだろうが。時間は有限であるので，無駄話に延々付き合う義理はふつーないのである。

「"As long as there's no testing," said Mr Trump, "I'm in no rush."」

　ミサイルテスト等がなければ、急ぐ気はない、とのこと。

BBC North Korea may break off US talks and resume missile tests, official says 15 Mar 2019

「North Korean leader Kim Jong-un may break off denuclearisation talks with the US and resume missile and nuclear testing, a senior official says.」

　先方さんはやる気満々のコメントですが。

聯合ニュース 北が非核化交渉中断を示唆　強硬姿勢に緊張高まる＝韓国大統領府 2019.03.15 19:01

「北朝鮮が１５日、核実験やミサイル発射実験を再開する可能性や、米国との非核化交渉を中断する可能性を示唆したことで、韓国青瓦台（大統領府）の緊張が高まっているもようだ」

「ロシア・タス通信やＡＰ通信によると、北朝鮮の崔善姫（チェ・ソンヒ）外務次官はこの日、平壌で外国のメディアや外交官を対象に緊急記者会見を開き、米朝首脳会談で米国が絶好の機械を逃したとし、「米国の要求に対し、譲歩するつもりはない」と述べた」

「崔氏の会見を受け、青瓦台の尹道漢（ユン・ドハン）国民疎通首席秘書官は「いかなる状況でもわが政府は朝米（米朝）の交渉再開のため努力する」とのコメントを出した」

　どこかしらに対話ルートを残すのは大人のやりようでしょうから、その（茨の）道を韓国が歩むこと自体には賛成であり、お疲れさんと言いたい。おたくさんの務めでしょうし、とも思うし。

「北朝鮮が強硬な姿勢を示しながらも、トランプ大統領に対する直接的な批判をしなかったことを、青瓦台は肯定的に受け止めている。崔氏は会見で、「２人の最高指導者の個人的な関係は依然として良好だ」と述べた。トランプ大統領への批判を抑え、この先「トップダウン式」で問題解決を図る余地を残したとみられる」

　好意的に過ぎる解釈といわれかねない。
　要は、「見せ金を受け取ってください。張りぼてですけど。それがこちらのできる精一杯の譲歩です。実弾のほうは別のところに置いてます―あ、それ、ばれてました？　じゃあ…実弾、ぶっぱなしちゃいますか、久しぶりに」と言われている状態であり、まあ…ビジネスの現場でやることじゃないのと違うかな、と思われる。

朝鮮日報 【社説】脅迫を再開した北朝鮮、核放棄の意志は最初からなかった 2019/03/16 09:15

「崔次官の発言は、言い換えれば「すでに50年過ぎた寧辺の老朽化した核施設以外、何も差し出す考えはない」という意味だ。寧辺のプルトニウム施設とウラン施設はもはや北朝鮮の核開発において主要な役割を果たしておらず、単なる交渉用のカードに過ぎない。そのためそれを差し出すことで制裁の全面的な解除を要求することは、今後も核を保有し続けることの意思表明に他ならない」

「金正恩氏は文在寅（ムン・ジェイン）大統領やトランプ大統領、さらに韓国の特使団や米国の関係者らに「トランプ大統領の任期中に完全な非核化を行う」「何のために核を持ち続けて苦労するのか」「私の子供たちまで核を持たせたままにしたくない」などと語っていたが、これらは全て心にもないうそだったのだ」

　さらに韓国政府批判にもおよぶ：
「米情報当局の複数のトップは全員がこの詐欺について把握していたし、今やトランプ大統領も知っている。韓国政府も最初からわかっていたはずだ。ただ知らないふりをして国民をだまそうとしていたのだ」

　そんななか，新たに閣僚を選定するのだそうだが

朝鮮日報 韓国高官「金錬鉄が統一相に就任すれば米国も何もできない」 2019/03/15 10:36

　金錬鉄氏は「2016年2月、当時問題となっていた高高度防衛ミサイル（THAAD）配備と関連して「（韓米同盟は）手段」と発言していたことが14日までに分かった。金氏は17年4月にTHAADが慶尚北道星州郡に搬入された際には「（米国が）大韓民国を主権国家と見なしているのか疑わしい」とも述べていた」

「韓国大統領府の文正仁（ムン・ジョンイン）外交・安保・統一特別補佐官は14日、金錬鉄氏について「（文大統領が）米国と関係なしに韓半島（朝鮮半島）政策を推し進める意向の表れだ」と述べた。文正仁氏は金錬鉄氏が「対北朝鮮制裁無用論」や「南北経済協力の早期再開」を主張してきたことにも言及した上で「（長官になれば）本人の主張通り仕事を進めていくだろう」「米国も何もできないはずだ」との考えも示した」

　いえその，独自行動が可能なところは独自行動してよいでしょうが，協調すべきところは各プレイヤーの様子をみてですな。