空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

嘱託殺人事件の件のメモ

2020-07-24 18:50:57 | ノート
 いやあ、大変だねえ、自殺幇助どころか医師職の者がそんなふうに誘導した可能性まで見える、かなりダメな案件だねえ、ああ、元厚労省の役人ですか、大変だねえと思ったら名取市の事件か。

京都新聞 嘱託殺人疑い医師、「アルバイト」外出繰り返す 「やめるよう説得」妻が明かす 2020年7月23日 20:31

嘱託殺人の疑いで逮捕された医師大久保愉一容疑者(42)の妻で元衆院議員の三代氏(43)が23日、宮城県名取市内で京都新聞社などの取材に応じた。大久保容疑者が「アルバイト」の名目で以前から外出を繰り返していたことを明らかにした

 ああー…これはしばらく、微妙に地味に問題になり続けるなあ…。

 …学生が変に影響を受けたり、レポートで何かしら…なんてあり得るな。
 思想関係の教育職を持ってしまっている関係上、現場では苦労が増えるなあと思った次第。まあ、上層部にお呼ばれなんぞしないだろうから、できるだけ自分の仕事をしよう。

 で。



 …なんか変な文章が流れてきてたかなと思ったら、これだったか…。

大久保みよオフィシャルブログ「名取市の皆さまへ(2020-07-24 07:16:37)」

27日は、44歳の誕生日。また恋だって
できる。きらっきらの40代にしようと決めた


 ここの切り取りだけみて、なんか変なこと書いている人がいるなあと思って流したのだが。

夫の障害特性理解して、家庭の幸せ小さな幸せ築いていこうと頑張ってきた私。バカだったなあと思うし、ここまでやってなお裏切られたんだから、もういいよと思えた

 …云々。重い。

大久保みよオフィシャルブログ「アスペルガーの夫を支え続けた結果(2020-07-23 23:17:08)」

夫はアスペルガー症候群です。

注)すべてのアスペルガー症候群の方が、逮捕されるようなことをするわけではありません。誤解のないようお願いします。

アスペルガーのため、厚生労働省の仕事をつづけられませんでした。その後も転職を短期間で繰り返しました。


 …ここだけ見ると障碍者差別に行きかねないからいかんわなあ、という気になるが、いや、もう…言葉の端々に、その…アレコレが埋め込まれまくって、これ実はものっすごく当たり障りない文章にしようとした結果なんじゃね?としか思えなくなってくる…。

とうとう逮捕されるようなことをした夫に思うことは
「自分だけ楽になりたかったのね」
です。夫の生きづらさを受け止め寄り添ってきたのに。
私は研究者になる夢も、自民党の議員を続ける夢も諦めて、夫のペースに合わせて、夫でもできることを一緒にやって、小さな幸せ築いてきたのにな。
私の結婚生活9年間はなんだったのかと


残務整理を終えたら、夫とは離婚します

大久保みよオフィシャルブログ「バカにつける薬はない(2020-07-23 22:09:06)」

安楽死の判断や解釈を決めるのは、国会であり臨床現場ではありません。
現行の法制度がおかしいと思うなら、まず選挙に受かって、国会で議論しろや!!!あなたが選挙に出たいといえば、全力で支えたのに。なんだよ


「俺の晩飯は?子どもの世話は妻の役目でしょ母親失格だね~」
と議席から引きずり降ろしておいて、何が法制度の矛盾だよ。

あなたが厚生労働技官をやめるときも、
「絶対やめて」
と懇願したのに、辞めたのはお前だよ。官僚の立場で法案練ることができたのに、今頃何やってんだ!!!!


 …一連の怒涛の愚痴吐きがあまりにも文意文脈背後の事情分かりすぎて、永く思い悩んできたんだなあということと、このひとほんと頭いいんだなと思うのと…ををぅ…。

 まあ実際のところ、中央官庁採用試験に通るだけの能力をもってて「私は配慮を要する弱者なんです」は通らないだろうし、「こんな『特性』を持った人に対して十二分の配慮を」もまあ、非常に通りにくいだろう。「ひどい!障碍者にかける情けはあなたにないの?!」と言われようとも、そりゃあ例えば『五体不満足』の乙武氏は道行く見知らぬ他人の介助を常に無条件に要求できるかわいそうな弱者かと問うてみればいいだろう。中央省庁に入れるようなひとは、そりゃあ相対的にかなーり強いし、乙武氏は自前で介護人を雇えよ、と言いたくなるだろう。

 …ほら。我々のほとんど全員、乙武氏より弱者でしょ?
 厚労省の中の人になって、法案練り上げの実務の一部を担ったりなんて、我々にはかけらも可能性、ないでしょ?

 …今回の件、アスペルガーだからだのなんだの言うのはちょっと、いろんな方向からみて筋が悪い―と思うが、その点、意見表明する必要が出ちゃうかもねえ…。
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5 コメント

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Unknown ()
2020-07-24 22:13:42
…これをねえ、逮捕された『夫をアスペだなんだと罵倒しているので』『見なかったことにしましょう』というのは…
…所謂「良識ある市民」としては当然すぎる態度ではあるにはあるのだけど。
この苦しみをそれなりに理解し、受け止め、我らの時代の問題として引き受けるべき局面もあろうよ、とメモしておこう。
諸種の発達障害等々を、ある種の個性として取り扱い、社会統合せよ―というのが現在の傾向なわけで。
ではそのコストは誰がどのように担うんですかね、とか。
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Unknown ()
2020-07-24 22:17:17
今回の場合、この元議員さんは地域医療を担う家系に生まれた―というのを結構なアイデンティティの核にしているようで。
となると、この夫氏の「個性」への理解もあって結婚まで行きつき、さらにそれを継続してきたわけで。
その結末がこれで。
もうあれこれ吹っ切れて愚痴も言いたくなろうよ、というのは、まあ、うん…。
…公人としてであれば恐ろしく危ういというのは、本人も理解したうえでの愚痴ぶちまけでしょうしね、これ…。
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Unknown ()
2020-07-24 22:22:24
古い言い方で言えば、「諸矛盾が露呈」した現場なんだ、これ。
不治の病で日々ダメになっていく自分に絶望していっそのこと自殺したいと思っちゃうのも辛いだろうし。
発達障害等々をいかに社会に組み込んでいくか、その受容の仕方もコスト負担も必ずしも合意が取れているわけでもない状況も。
たまたま理解のある人に変にコストが集中してやしないかという懸念と。
どこかで『あるべきではない』とされる異例な動作が出た際の対応―誰かの介入が必要なのだとして、その介入のコスト等は誰が持つのか―。
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Unknown ()
2020-07-24 22:25:01
何しろ、元国会議員様に元中央官庁お役人様。こうまでの強者が、さてどれほどの保護の対象として認知され得るか―とか。
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Unknown ()
2020-07-24 22:37:15
…とにかくも、安楽死について現場の医者が勝手にやらかすのはマズい。
国家社会に責任ある地位で反逆はできない、という見解もありえるが―免官のうえで反乱を組織したひともあったが―

―まあ、そうまでの切実な社会情勢が存在し、己がそれを引き受けるに足る思想家だと信じるなら、まあ試みる自由は、まあ、うん、あるにはあるだろうなとは。
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