空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

JANJAN「緊急集会「ペシャワール会・伊藤さんの死を問う」」を読む

2008-09-15 19:31:58 | Weblog
Janjan 緊急集会「ペシャワール会・伊藤さんの死を問う」 田中龍作2008/09/06

 まず一言。おちつけ

 というのも,長谷部貴俊(JVCアフガニスタン代表)氏の言葉を引用して曰く「米軍は誤爆を認めないし、誤りもしない」,なるほど米軍は自軍が誤爆するなど認めず,誤ることもないわけですね? とまあ,前後の文脈を読めばそういう意味には取れなくて,当然「謝りもしない」と訂正すべきところです。
 落ち着け。推敲しなさい。

 興味深いかもしれない言及は幾つかありますが,「南部のヘルマンド州で撮った家庭の写真には男性がいない。米軍の空爆に対する報復で男性はタリバンに参加したのではないだろうか」というのは重要な事かもしれません。つまりヘルマンドで阿片生産に携わるのは,若い男以外の人口,「三ちゃん農業」状態だということですかね? 
 それで浮いた若い男性~戦士はあちこちに出張,結果「カブールの方が物騒だった」りもするわけか。

 他方で「アフガニスタンは人類が経験したことのない破綻が進んでいる。麻薬が原因。軍閥出身の政治家たちが「対テロ戦争」を隠れ蓑にして悪いこと(麻薬ビジネス)し放題」ということで,なるほど,タリバン治下のヘルマンドなどで栽培された阿片は結局政治家たちの手を経由して国外に持ち出され,お金になっているというわけですか。なるほど。タリバン治下のヘルマンドで栽培される阿片で麻薬ビジネスし放題な政治家を排除する必要があるわけだ。おおーい戦士たち,カーブルにいってる場合じゃないよー。地元に戻って,愛する故郷を麻薬漬けにしてる悪魔たちを滅ぼさなきゃー(棒読み)。

経験したことにない内政干渉をしなければならない」(また誤植が)とは,どれほどのものだろうか,どういう種類のものだろうか。
普通の人々の声を伝えていくのがNGOの役割ではないかと思っている。地元に根を張っているNGOだから声を出してゆくべき。暴力によらない解決方法が必要ではないかと考えるようになった」ともあるが,NGOの手になる解決方法が問題の「内政干渉」の一部になるのだろうか。

 しかしそれは,伝えられるところの伊藤氏殺害事件の際のタリバン側政治報道にあったように,外国勢力の介入として実力排除されかねないものだ。

 上掲記事の論者たちの共通意見は「米軍介入は悪」,ということか。殺され続ける住民たちよ! というもののようだが,しかし,殺され続けているのは,アフガン警察志望者や,国際部隊の兵士たちも同様なのだ。殺し,殺される,そんな連鎖を止めねばならない。

 手を止めねばならないのは米軍(を始めとする介入側諸国軍)+アフガン政府だけではない。彼らに抵抗する,所謂タリバンたちも同様なのである。

 "If Ethiopian Prime Minister Meles Zenawi wanted peace, he would not send his soldiers into Somalia. By contrast, if the Islamist guerrillas desired reconciliation, they could easily implement a ceasefire. So much for Aladdin's magic carpet."(Garowe Online, 16-Mar-2008,"Seeking reconciliation in a world at war"),最も単純な解決はありえない方策として最初から放棄されている。それを無視してだれか・なにかに過大な譲歩を要求するから無理が出る。

『最初はいなかった要素』,つまりアフガンにおける国際部隊は出て行け,というのは尤もなことだ。だけどその駐留を必然とする治安悪化に,Isafばかりが責任を負わされるとは道理に合わない。両手を打ち合わさなければ音はならない道理である。
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