空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

エチオピア兵の乱射事件:ソマリア,バイドア;空爆事件続報

2008-05-02 22:30:16 | ソマリア関連
 失態の続くエチオピア軍:

BBC Civilians gunned down in Somalia 30 April 2008

 ああ数日前のニュースなんだな。最近どうも忙しくて。

 上掲記事の要点は:バイドアで道路に爆弾が仕掛けられており,これによってエチオピア兵2名死亡。直後に―an apparent revenge attackとありますが―残余のエチオピア兵が周辺に銃を乱射,民間人少なくとも12名を殺害した。

 在モガディシュのエチオピア軍士官は発砲の事実を認めず,死者は爆弾によって発生したものとする。


 エチオピア軍が不利な情報を否認するのはいつもの事ですから。
 それはさておき,先日のアル・ヒダヤ・モスクの虐殺の件の直後のこの失態。最近までのエチオピア軍は,最初期はさておき,ここまで解りやすい失態の報告を持っていなかったかと記憶します。

 ―いや常時あったはずですよ。(結果的に)無実の市民を殴打したりとか,戦闘の巻き添えで2,3人市民を殺したりとか―しかしそれは新聞記事の主題となるまでには,あまりならなかったわけです。

 だって当たり前じゃないですか。戦闘してるんです。事実上の占領軍がいるんです。人権侵害,巻き添え死者,理由定かならぬ暴行,そんなもんわざわざ報じるほど珍しいなんてことありますか。

 さておき。
 最初期はさておき―というのは,つまりは彼らが十分に経験を積み,多少爆弾テロ起こされたところでいきなり周囲に無差別発砲なんてしなくなったのだろう,ということを意図してそう書いたのです。
 にも関わらずこうして不祥事連発です。とりわけ今回の,高々2名が死ぬ程度の爆弾攻撃で,しかもバイドアで,12人も殺すほどの乱射を行ったこと。これは当該部隊の練度を疑わせるもの―私は敢えてそう書いておきましょう。

 要は「エチオピア軍の緊張状態続く:北方国境及びソマリア方面」あたりで問題とした増派部隊のひとなんじゃ?と思ってるわけですが。そうとでも思わないと,この異例な反応は考えにくい…。

 なお昨日の「アメリカの空爆:Aden Hashi Ayro死す」の件,Garowe Onlineが記事をつけていました:Al Shabaab chief killed in U.S. airstike in Somalia: sources May 1, 2008

 少なくとも3発のミサイルによって家屋は跡形もなくなった模様。4機の飛行機が目撃されたといいます。AllAfrica.comの記事かな,4機のAC-130がっ,とか書いてたのは―Somalia: The Death Toll of U.S. Warplanes Airstrike Increases 1 May 2008

 …なんだ,もとはShabelle.netか。
 こちらによれば死者はすくなくとも15名。

 …というかですね。ミサイル攻撃,ということは確定のようですけど(破片について言及してる),ならこの攻撃自体はAC-130の所為じゃないですよ。あれはものごっつい銃砲で地上部隊をなぎ倒すのが仕事の機械だ。ミサイルは積んでいないでしょう? やっぱりソマリア沖に,米軍の駆逐艦か潜水艦がいたんでしょう。

…あー…。反米左翼的には,この点をつくべきだと思う。国連からして,各国協同でのソマリア沖海賊対策を言い出したけど,それは米海軍のこうした領海侵入・武力行使を追認するためのものなのかーっ,とか。

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