ジョウハル政権は女性のヴェール着用を命ずる

　ジョウハルのイスラミスト政権（アルシャバブ）は市内の女性に10日以内にヴェールを着用するよう命令する：
ShabelleMediaNetwork　Harakat Al-shabab Mujahideen administration orders women in Jowhar town to take veil 　Posted: 7/1/2009 6:25:00 PM
　反逆する者は法的手段によって罰せられる由。その他，礼拝の時間は店を閉じるべきこと，市中の建築制限令など発せられた由。

　国際的基準―あるいは西欧的基準と言われるかもしれませんが―では，ヴェール着用命令は人権侵害扱いではあります。服装を法的に一様に定めようなど，やはり問題ですが，命令を発している当人にとっては『ちゃんとした格好をするように命令してるだけだ』と言いたいところではあろう。

　今回の「ヴェール」がどのようなものを指すのかは，文面からは不明です。ですが，常識的なソマリ的ヴェールを意図しているなら，現地での反発はさほどではないでしょう。寧ろ暫定政権の大臣閣下の奥さんがヴェールを着用してたりしましたから。

「ヴェールの向こうは：SomaliNetの報道より」
「ヴェールと報道の向こう側：ソマリア」
「ソマリア閣僚は女性のフェイスヴェールの件で暫定政府軍の行動を非難する」
「ヴェールの向こうは：ソマリア」

　ぴりぴりしてた時期にヴェール着用禁止令なんか出たのは，テロの警戒もあったではあろう：
「世俗政権が出来ては見たけれど：ソマリア」

　最近はヴェール着用が問題となるようなことはなく（そんな余裕はなく），ドレスコードに関わる命令をだせるほどジョウハルは安定しはじめたという評価も可能かもしれない。また，いまや（穏健派）イスラミストが大統領であるからには，ヴェール着用指令は風紀取り締まりの一環と見做され，さほどの問題（対立軸）とならないかとも思われる。

　…まー，ヴェールをかぶらない「アウトカースト」な人たちへの弾圧になる恐れとか，ヴェールなんぞかぶってたら仕事にならん！とゆーよーな労働者階級への不当な圧迫になりかねないとか，怖れを指摘すれば多少のリストは出来上がりましょうが。実際の運用をみないことには評価もし難いところかと。