空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

九州大学・研究室火災事件

2018-09-08 11:37:56 | Weblog


 7日時点では速報記事:

西日本新聞 九州大箱崎キャンパスで建物火災か 2018年09月07日 09時39分

7日午前6時41分ごろ、福岡市東区箱崎6丁目の九州大箱崎キャンパスで建物火災との情報があり、消防隊が出動した

西日本新聞 九大箱崎キャンパスの建物火災で身元不明の遺体確認 2018年09月07日 10時29分

福岡東署によると、九州大箱崎キャンパス内の3階建て施設から出火した火災で、性別不明の遺体が発見された。同署で身元や出火原因など調査中

 8日になって詳報:

西日本新聞 退学者 火元の部屋使用 大学、ずさん管理謝罪 2018年09月08日06時00分 (更新 09月08日 06時28分)

火災を受けて九州大は7日夜、箱崎キャンパスで記者会見を開き、出火元の院生室を誰が使っていたのか、今春まで把握していなかったことを明らかにした

九大によると、院生室は大学院法学府の自治会が管理している。問題の部屋に出入りする人物の存在を九大が把握したのは今年5月。伊都キャンパスへの移転が迫る中、自治会から「引っ越しに協力してくれない人がいる」と相談があったという

 この手の大学で「自治会」というと、うん、まあ…という気になりそうだが、極左系ではなく、一部の院生部屋の運営を任された・実質上の運営権を獲得した院生団体のような感じである:

その人物は同大法学部を卒業後、1998年4月に大学院に進学した男性。2010年3月に博士課程を退学した後も継続して使っていたとみられる。自治会は「院生室の使用資格を持った研究員」と誤解していたという

 部屋の使用資格を云々する主体であったと示唆されるわけである。でまあ、現実には、使用資格(在学の籍)があればこそ、であるはずであるところ、ナアナアにしていたわけだろう。なんぼなんでも8年間も資格確認ナシというのは、もうみんなそろって黙認していただけだろう、これ。

 もちろん、本来の所属研究室の先生がまず第一に問われるべきものではあろうが、院生会が実質の運営主体だったろうところであって、所属研究室の先生の責任はそうまで大きくない。
 後輩の院生たちだって、知ってて「まあ、慣例だし」くらいで放置していたとかであろう。
 類例は世間にごろごろ転がっている。

九大は8月上旬、日中は不在の男性に退去を求める要請書を掲示。男性から自治会を通じて「お盆明けに退去する」と意思表示があったが、室内の備品が撤去されないため、7日に強制撤去する予定だったという

 …もう、身につまされるというか、同僚たちが思われるというか…。
 恐らくは(というか常識的には)自室・アパートは狭く本は入りきらず、退去を速やかにしようとおもっても人手も場所も足りず、まあ仮に退去したところで―物置コンテナを借りるくらいはまあできただろうが、そうした場合は研究環境が絶望的に悪化し、研究発表どころでもなくなる。

 …思い余って爆発だってしようというものだ…。

 数はさほどでなくとも、同じような立場の人たちはいたはずで。
 今後、そうした人々への締め付けも厳しくなろう。

 とにかくまあ、誰も幸せにならない、そんな辛い事件である。

 追加
西日本新聞 九大箱崎キャンパスで火災、1遺体発見 卒業生の男性か 2018年09月07日12時57分 (更新 09月07日 13時40分)

福岡東署などによると、建物は大学院法学府が入る「法文経教育学部本館」で、火元付近の研究室から年齢、性別不明の遺体が見つかった。県警は研究室に出入りしていた法学部卒業の40代男性の可能性があるとみて調べている

 これで「法学部 卒 業」とだけあるから、過激派の関連じゃないかと言う邪推も生まれる。

大学院は9月末で同市西区の伊都キャンパスへの移転を完了する予定で、部屋には引っ越しの荷物が一部残されていたという

 …引越し、仕切れなかったのだね…。

毎日新聞 遺体は研究室無断利用の40代男性か 2018年9月7日 20時35分(最終更新 9月8日 09時57分)

 …「無断利用」は言いすぎだろう。まあ、おそらく法律的な管理責任者であろう大学当局からはそういわざるを得ないにせよ。

東署によると、遺体近くでガソリンの携行缶と灯油のポリタンクが見つかり、油がまかれた跡があった。研究室の窓は内側から粘着テープで目張りされ、ドア付近にはバリケードのようなものもあった。自殺の可能性もあるとみて調べている

九大によると、男性は2010年に九大大学院博士課程を退学後も研究室を無断で利用

 つまり、博論を書ききれず、自分の人生の証拠としてなんとか完成までは、ああ就職でもできれば、そちらでなんとか…とかじりついていたところ、遂にタイムアップになってしまって…ということか。

 …ああもう、身につまされる。

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