空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

叛徒はモガディシュの軍基地を攻撃する:ソマリア

2007-09-19 20:52:20 | ソマリア関連
 ソマリアの反乱勢力は首都モガディシュの軍基地に,火曜遅く,ロケット弾攻撃を加えた。目撃者がBBCに語るには,この一時間ほどの攻撃で民間人2名が死亡した。

 軍広報官は,20名ほどの反乱勢力はロケット弾や重機関銃で武装していたが,対空銃で撃退されたと語った。

 先週ソマリアのイスラム主義者および対抗勢力は,ソマリア暫定政府を援助するエチオピア軍を除去せんと新しく同盟を形成したばかり。

 周辺住民が言うには,攻撃に関与した反乱勢力は50名以上。これは対抗同盟が形成されて以後,モガディシュに起きた最初の深刻な戦闘である。

 ソマリア政府軍のみならず,エチオピア軍兵士もこの攻撃をうち退けた。

 他方,シャベッレ・ラジオは火曜,政府軍兵士からの攻撃を受けたが,放送を中止したままである。…

 以上,BBC news, Africa Insurgents attack Mogadishu base Wednesday, 19 September 2007の部分訳。ラジオ局に関する弾圧の件は省略した。これ自体,一個の大問題である。

 今回の記事の注意点。
 反乱勢力は20~50人からなる攻撃を軍基地にかける戦力を保持している。
 こうした攻撃は久しぶりの事である。エリトリア主導の「ソマリア解放連盟」形成にあわせたこの攻撃は,いわば「景気づけ」のようなものかもしれない。
 また,攻撃側に目立った損害―特に死者―が確認されていない。対空砲火を向けられて全く無事に済むとも思えないが,形勢不利と見て見切りよく撤退したものか。彼らにしてみれば,よい実戦訓練の場となったかとも思われる。

「ソマリア解放同盟」はソマリアをエチオピアから「解放」するための手段として,まず第一に戦争を挙げた(第二が外交努力)。今回の攻勢は,同同盟の宣言に対応する―ものかと考えられる。

 これまでの政府関係者・軍事,警察関係者・氏族長ら,ジャーナリスト等に対する暗殺戦略とは異なり,軍事的部隊の衝突であり,いかにも宣言に相応する。

 テロ行為,暗殺ほど陰湿ではない―ともいえようか。しかし,こうした軍事的衝突の齎す暴力の質・量は,これまでの陰湿な暗殺行為の比ではないだろう。ともあれ,祖国「解放」のための軍事行動の結果,またしても民間人犠牲者を出すこととなったことだけは事実である様子である。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 女の子だって運転したいんだ... | トップ | 死体安置所への爆破テロ:イラク »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ソマリア関連」カテゴリの最新記事