空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

議員の海賊及びプントランド批判からおっぱいまで―ソマリア関係ニュース紹介

2009-10-29 17:56:17 | ソマリア関連
SomalilandTimes Southern Leader Accuses Puntland Of Being The Mother Of Piracy Mogadishu, Somalia, October 24, 2009

 かつての軍閥,現在のソマリア暫定連邦議会議員Qanyare Afrah(Wikipedia)はプントランドを,海賊を援助するだけではなく問題を作り出してさえいると非難する。海賊どもがプントランド主都Garoweで大手をふって生きており,その財産も装備も保持しているのはよく知られているではないか!

 彼がプントランドを非難するのはこれが初めてのことではないそうで,また更に,Sheikh Sharif大統領の政権とプントランドが,あまりにプントランド寄りの協定を結んだ(※あえて強調しておけば,首相の業績ですが)ことをも非難するものである。

 メモから引っ張り上げてみましたが:
BBC Singapore ship seized by pirates 15 October 2009 15:56 UK
 10月15日,シンガポール船籍のコンテナ船MV Kota Wajarがセイシェル北300海里で被害にあったと。この前後に被害報告が割とあった記憶があります。

 海賊活動は減るどころか増えてさえいる感で,なるほど,自衛艦派遣前にどうしても自衛艦派遣に反対したいらしい向きが,実効に疑念を呈しまくった説には,一定の支持が与えられるべきと言わざるをえないところではありましょう。『規制しようと,やるやつはやる』。不法占拠・不法監禁・営利誘拐・脅迫・強盗勝手自由に任すという致命的な点を除けば,まあその,海賊活動の根絶など夢のまた夢だ,時々身代金を払うだけのほうが経済的だというのは,まあカネだけで世界を切ってゆこうというえこのみっくあにまるとして適切な発言かと思います。犯罪者と手と手を取り合おうといってるのに等しいですが。

 また,『国軍というのは国民を護るため』に云々いう向きには,その実情を身をもって感じたであろうピースボートのみなさんはさておき,これまで日本関係の船が犠牲になった際に犠牲になった人たちはフィリピンとか東南アジア方面の船員さんたちであり,つまり日本企業所有の船で日本向けの物資を運び日本のために働いていようが日本国民でない人間の命も安全も知ったこっちゃないという意見をお持ちの皆様には,やはり自衛艦派遣に反対なさる今日この頃かと。

 まあ金払いが悪くなっていくこの頃ですが,せめてこーした特殊任務に出てる人たちへのお給料上のお手当て位は出して上げてほしいとおもう今日この頃。

 閑話休題,

Garowe Online Somalia: Puntland sentences 10 pirates to jail terms Oct 16, 2009 - 4:00:02 PM

 ボサソ,10月16日発。プントランド法廷は10人の海賊に判決を下したという。5人は収監5年,これらはフランス海軍から引き渡された者。また別の5人はプントランド当局が逮捕した者,収監3年。押収物はピストル,ライフルで42丁,スピードボート21隻。

 2009年1月(新政権発足)以来,プントランドは120人もの海賊を収監しているという。国際的協力が不十分ななか(と当局は不平を言うとGarowe Onlineは書く),まずまず納得すべき数字として挙げるものか。

 こうした事実に関わらず,Qanyare Afrahはプントランドを非難する―また,それをソマリランドタイムズが報じる―のは,政治的な背景(Qanyare Afrahはプントランド優位に進む交渉に不満を持っているのだろうし,ソマリランドがプントランドに難癖つけたいのはデフォルト設定じみたもののよーな)がある一方,一定の事実認識もあろうところ。

 つまりは,ちょっとのム所暮らしで勘弁してもらえてる,彼らは下っ端なんであって。食い詰めた若い連中が使われてるだけで,彼らの取り分なんかしれたもの,相当部分は「出資者」や様々な利益関係者を潤していっている―。そうした黒幕は摘発されてはいないんじゃないのか?というのが,Qanyare Afrahの指摘したいところなんでしょうね。

 記事紹介:
Garowe Online Al Shabaab shut down Somalia aid agency for 'spying' Oct 27, 2009 - 12:40:47 PM

 Gedo県で,アルシャバブが援助団体を西欧のスパイと非難し,活動を停止せしめる。まあいつものこと。

Somaliland Times Somalia: Al-Shabaab?“If Your Breasts Ain’t Bouncing, You Must Get Whipped” By Dalmar Kahin

 アルシャバブ曰く―「ジャンプしてお胸ぷるんぷるんしなきゃ鞭でぶっちゃうよぉう!」

 ……… × が く る っ と る 。

 君はそう思うことだろう。
 ようこそ,アルシャバブの世界へ!

 ―想像してみたまえよ,まァ君が母上か,姉・妹か,妻かと一緒に道を歩いているとするだろう。でだ,君が歩行者法(交通法ではなく,ね)の何かに抵触したとして,するとアルシャバブの狂信者君は君を脇に寄せるだろう。で,警察が車両を点検するかのように,アルシャバブの狂信者クンは君の愛する家族(※女性)をご精査くださるというわけだ!


 まー,異教徒の文化侵略(…というほど精神的でなく,すげぇ具体的ですが)に対する,典型的な反抗の文章でしょうかー。

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1 コメント

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加えて年の差カップル (teiresias)
2009-10-29 21:09:33
BBC "Somali man, '112', weds girl, 17 "(http://news.bbc.co.uk/2/hi/africa/8331136.stm) 29 October 2009

……………未亡人の権利(一定程度の遺産相続の保障と再婚の自由)が護られるなら,まあ,その……愛情は人間として持つべきものであり自由であるべきでもあり……。

しかしまあ,2chにさらしたら祭になりそうなネタではある。うん。
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