空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

北朝鮮・イラン問題の岐路

2018-05-08 21:18:48 | Newsメモ
産経新聞 制裁、人権問題…「刺激すれば対話白紙に」 北朝鮮が米国をけん制 2018.5.6 13:30

北朝鮮外務省の報道官は6日、米国が米朝首脳会談を前に、核放棄するまで制裁を緩めないとしていることや、人権問題を取り上げる構えを見せていることなどを非難し「相手を意図的に刺激する行為は対話ムードに冷や水を浴びせ、情勢を白紙に戻す危険な試みだ」と米国をけん制した

 何よりも堅い平和への意思は、他国に「米国の犬」だのなんだの罵られても継続するもんだろう。うちらの国なんぞ70年だかやっとる。安心してさっさと武装解除せえや、という感想である。

「われわれの平和愛好の意思を軟弱さと勘違いし、圧力や軍事的威嚇を追求し続けるのは、問題の解決に役立たない」と警告した

 米国の挑発とやらと別個に平和への足取りを力強くあゆめばいいだけだ。軍事的圧力などという悪しきものをしてはいけない、という価値を共有するわけだから、さあはよ核放棄せえ。

 あとまあ、うちらの国では、『軍備なんかあるから、攻められるんだ!』『軍備がない国を攻めるだなんて、そんな不名誉な戦争する卑怯者なんか、あるはずがない!』という見解もそれなりに有力であり、軍備を放棄し、ないしむっちゃ極限することによってこそ成り立つ平和もあるというものである。

 安心して軍備縮小するといい。

 つうか、義務兵役を10年とかやるから、経済成長せんのやぞ、という気も果てしなくする。いやまあ、徴兵した上、「兵役」で生産活動させればいいだけかもしれんが、それはそれであまり効率的ではないし。

 …以前、韓国が好調だったとき、韓国経済は日本に追いつき追い越すぞ!という主張の人がいたものだ。どう考えても限度があるのであり、1) 日本と比べて人口が半分、2) よりにもよって元気で生産力が高い若い男性を確実に1-2年ほど兵役でとるので、その分の不効率を解消する見込みが立たない、と指摘するのが常だったものだ。また3) 首都周辺に人口が集中しすぎている、とも。

 特に3) の条件からみてダッシュを掛けやすいともいえるが、2) の条件からその継続性に必ず難が出る。さしあたり無料っぽい労働力ができるから高効率!なんてファンタジーを夢見る人がたまにいる感があるが、失われる機会費用を思うと、そもそも好ましい制度ではないと思えるのではないかなあ。

 …今回の南北対話、従来に比べてえらく踏み込んできていて、期待も高まる昨今ではある。だが例によって、誰かに責任を負わせつつ合意・対話の破棄に繋げる用意もこのとおり、ぽつぽつ、してはいるわけで。

 今後が心配ねえ。

 心配なのは、こうやって期待に膨らむひとたちが株価等の指標を良いほうに持っていってるようなんだが、これが反転したときの下がり具合だわねえ。

Reuters 北朝鮮が米国に警告、非核化の表明は「制裁の成果ではない」 2018年5月7日 / 13:00

北朝鮮政府は6日、先月の南北首脳会談で北朝鮮が非核化を目指す意向を表明したことは米国が主導した北朝鮮に対する制裁や圧力の成果ではないとし、世論を誤った方向に導かないよう米政府に警告した

 なので、米国の圧力云々と無関係に平和への力強い足取りを強めるのかと思いきや

KCNAはまた、平和を愛する北朝鮮の意思を弱さの表れと米政府が誤解し、軍事面などでの圧力をかけ続ける場合、朝鮮半島の非核化につながらないと警告した

 米国の様子を伺う気は満々で、つまり関係あるんじゃねえか。と言う話に。
 侮辱されようが、戦犯国扱いされようが、そういう誹謗中傷にまけずに平和国家の礎を確立するのをお勧めしたい。

 …自ら武器を放棄する国を攻撃する者などいない―我が国ではこうした言葉をしばしば聞いたものであり、いまこそ実践して欲しいとは思う。なにも通常戦力を放棄しろというのではない。持つべきではないとだいたい合意が取れる武器を自分勝手に作成した国が、その過ちを自ら認めて放棄する―南アフリカが既に通った道であり、実例は既に歴史に輝いているではないか、というわけで―。

BBC Iran nuclear deal: Trump to reveal US decision ahead of deadline 8 May 2018

 …行動を予測しがたいトランプであれば、いま大胆な施策に頼るのは不安だというのは分るが。
 理想主義的で行動を拘束しやすかっただろうオバマのころにやっちゃっておけばよかったのになあとも、それでも覆されるらしいからなあ、とも。

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