空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

世界はShamoホテル自爆テロをアルシャバブの犯行とみなし,非難する

2009-12-06 22:49:53 | ソマリア関連
Garowe Online Ex-Somali leader condemns Mogadishu blast, accuse Al-Shabaab Dec 5, 2009 - 2:04:45 PM

 元ソマリア大統領(2001-2004年)Abdi Kassim Salat Hassanは木曜の自爆テロを強く非難する。
 すでに報道されているとおり,被害者はソマリア暫定政府閣僚3名,ジャーナリスト2名,医者たち。女性に扮装した自爆犯が大学卒業式に(招待状を持って,との情報もあり)紛れ込み,犯行に及んだもの。

「こうした邪悪な行為を為す者はソマリの敵だ,この国の知識層を殺害したがっているのだ」と彼はカイロで言う。Hassan氏はこの攻撃の背後にあるのは,前治安相殺害の背後にあるのと同じ組織であるとする。またそうした行為は,外国に操られたものであって,エチオピアやUSが重要な役割を担っているものとする。

「まずは,私は治安相Omar Aden Hashiを殺害したと同じグループが犯人だと思う。第二に,エチオピアやアメリカのエージェントがとりわけこの国に配置されていると思っている」。

 Hassan氏はソマリ人に,この国のエリートたちを狙う者たちに対抗して和合するよう求める。

 またソマリランド大統領Dahir Riyale Kahinをはじめとする人々も哀悼の意を表す。

 Riyale大統領はこの地域の治安を危うくする,戦闘しあう諸党派に協同を呼びかける。またUN,US,EU,アラブ連合の署名で声明が発せられ,事件は国際社会の援助を妨げないとし,反政府勢力に対抗して共同するよう求めるのである。もちろん,ケニアやジブチも攻撃を非難する。

 当該自爆テロを,アルシャバブさえも非難するが―
 ―アルシャバブに属さない人なら,ほぼ全世界が(少なくとも,直接的には)アルシャバブの犯行であることを疑わない。

 なお,アルシャバブ(ないしアルシャバブ信奉者)は暫定政府内部の権力闘争の結果であると示唆するもののようだが,暫定政府内部の権力闘争は基本,ポストのやりとりで表現されるものと思われます:

Garowe Online Somalia: Top Somali senior officers dismissed Dec 3, 2009 - 4:20:07 AM

 軍司令官Yusuf Hussein Osman将軍・警察司令官Abdi Hassan Awale将軍が治安維持・回復に失敗したことを理由に罷免,配転。Abdi Hassanは西アフリカの大使に転出。

 これが左遷であることは,いまひとりのYussuf将軍の配転先が決まらないことにthe fate of the General Yussuf is unknownとfateの字が使われていることから明らかというべきでしょう。その理由はhidden war within the embattled governmentとあり,まあ権力闘争の一環である模様です。

 まさしくこの報道が行われた日に,アルシャバブの主張するところの政府内権力闘争の結果としてこの数年間類例を見ない自爆テロが行われた―というのは,

 …自然な理解は不可能です。
 誰がどー考えても,自爆テロはアルシャバブ系統の犯行としか。


 いやそこがアルシャバブのよいところでもありわるいところでもある,ある部分があるところのはずでして。
 ARSだのHizbul Islamだの暫定政府だのは地付の勢力で,その親分さんたちは相互に話の合わせようはある旧来の指導者層であるものと思われ。
 であればこそ,治安相暗殺事件の際,政府側要人が死んだ=敵が減ったはずであるにも関わらず,Aweysは『僕の友人が殺された!』とお怒りだったわけで。

 アルシャバブは,そうしたソマリ人の氏族社会の理屈からある程度離脱しているようで,であればこそ氏族の枠によらない横断的な組織を作る可能性がひらけ― 一方で鋭く旧来の指導層と対立する,ものかと思われます。
 ま,それが故のその名前,「青年党」なんではあろう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ソマリア暫定政府は新憲章作... | トップ | アルシャバブはモスクで礼拝... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ソマリア関連」カテゴリの最新記事