空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

本のメモ:『八九六四 「天安門事件」は再び起きるか』

2019-06-05 16:21:14 | Weblog
 買うべき本のメモ:

『八九六四 「天安門事件」は再び起きるか』(安田峰俊著、角川書店)

 書評メモ:



 時期的に関連メモ:






 読むのも泣けるツライ話だが、読みどころの一つは「もちろん共産党のお目付け役も含めての議論だった」ということ、そのうえでなお「結論として自主参加ということにできた」こと。とても大きな決断、というのはまさしくその通り。この共産党のお目付け役は、この決断によって出世を永久的に諦めざるをえないかもしれない(しかし流れによっては浮かぶ瀬があるかもしれない)、この決断を、ほかならぬ「共産党の犬」ができてしまったあたり。

 これはすなわち、中国共産党の(少なくとも当時の)「背骨」「筋肉」がしっかりしていたことを示唆する。
 スケールや意義や…は違っても、マニアなら類例を想起できるはずだ。私はハウサーSS上級大将が(総統の死守命令を無視して)ハリコフを放棄して兵と戦線を救ったこと、ヴェルナー・ベストがデンマークで微妙にユダヤ人狩りを妨害したことを想起する。

 そうした重い判断を、比較的末端に近い「犬」如きが(まあつまり、我々のようなもんだ、それぞれの職場で多少の責任を持つ程度の)できてしまっていること。これはその集団の地力を示してはいないか―崩壊間際で「英雄的行為」をするような話ではない。

 それから30年ほどか。現状では、中国共産党の強力さが実証された格好ではあるなあと。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 渡海用ボートを手配したイマ... | トップ | 「オオスナモグリ」発見の由 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事