買うべき本のメモ:
『八九六四 「天安門事件」は再び起きるか』(安田峰俊著、角川書店)
書評メモ:
時期的に関連メモ:
読むのも泣けるツライ話だが、読みどころの一つは「もちろん共産党のお目付け役も含めての議論だった」ということ、そのうえでなお「結論として自主参加ということにできた」こと。とても大きな決断、というのはまさしくその通り。この共産党のお目付け役は、この決断によって出世を永久的に諦めざるをえないかもしれない(しかし流れによっては浮かぶ瀬があるかもしれない)、この決断を、ほかならぬ「共産党の犬」ができてしまったあたり。
これはすなわち、中国共産党の(少なくとも当時の)「背骨」「筋肉」がしっかりしていたことを示唆する。
スケールや意義や…は違っても、マニアなら類例を想起できるはずだ。私はハウサーSS上級大将が(総統の死守命令を無視して)ハリコフを放棄して兵と戦線を救ったこと、ヴェルナー・ベストがデンマークで微妙にユダヤ人狩りを妨害したことを想起する。
そうした重い判断を、比較的末端に近い「犬」如きが(まあつまり、我々のようなもんだ、それぞれの職場で多少の責任を持つ程度の)できてしまっていること。これはその集団の地力を示してはいないか―崩壊間際で「英雄的行為」をするような話ではない。
それから30年ほどか。現状では、中国共産党の強力さが実証された格好ではあるなあと。
『八九六四 「天安門事件」は再び起きるか』(安田峰俊著、角川書店)
書評メモ:
『外交』Vol.51に寄稿した安田峰俊さんの『八九六四』のブックレヴュー(「天安門事件をめぐる『一匹と九十九匹と』)が神戸大学の学術成果リポジトリKernelで公開されています。以下のリンクからPDFを入手できます。https://t.co/C5VaGdCPwh
— KAJITANI Kai (@kaikaji) 2019年6月5日
時期的に関連メモ:
と言い、一方で中国側は、もしそんなことをしたら代表団を会議から引き上げると言い、当然ながら主催者は板挟みになりました。そして主催者の下した結論は、正式な会議のプログラムではなく、夜自主的なセッションとし、出席は自由とする、というものでした。中国側もそれで納得し、その晩、
— nobu akiyama (@nobu_akiyama) 2019年6月4日
Gong博士が自室にいると、誰かが部屋をノックします。ドアを開けると、中国代表団の副団長でした。その副団長はお酒を持ってきて、Gong博士と話がしたいと部屋に入りました。彼は、中国代表団にとってこのセッションへの参加の可否を決定することがいかに難しかったか話し出したそうです。
— nobu akiyama (@nobu_akiyama) 2019年6月4日
もちろん共産党のお目付け役も含めての議論だったわけですが、結論として自主参加ということにできたのは、とても大きな決断だったのではないでしょうか。
— nobu akiyama (@nobu_akiyama) 2019年6月4日
いろんな話をした後、副団長は、実は自分の息子は天安門事件に参加していたのだ、そして罰を受けたのだ、と打ち明けたそうです。
とGong博士に話したそうです。その夜は二人で半分泣きながら、お酒を飲みながら、語り明かしたそうです。
— nobu akiyama (@nobu_akiyama) 2019年6月4日
それから29年、僕自身はあんまり精神的に成長していないなあと思いつつ、中国社会は、米中関係は、あのお二人が思い描いていたような発展を遂げているのかなあと、思ったりしています。
読むのも泣けるツライ話だが、読みどころの一つは「もちろん共産党のお目付け役も含めての議論だった」ということ、そのうえでなお「結論として自主参加ということにできた」こと。とても大きな決断、というのはまさしくその通り。この共産党のお目付け役は、この決断によって出世を永久的に諦めざるをえないかもしれない(しかし流れによっては浮かぶ瀬があるかもしれない)、この決断を、ほかならぬ「共産党の犬」ができてしまったあたり。
これはすなわち、中国共産党の(少なくとも当時の)「背骨」「筋肉」がしっかりしていたことを示唆する。
スケールや意義や…は違っても、マニアなら類例を想起できるはずだ。私はハウサーSS上級大将が(総統の死守命令を無視して)ハリコフを放棄して兵と戦線を救ったこと、ヴェルナー・ベストがデンマークで微妙にユダヤ人狩りを妨害したことを想起する。
そうした重い判断を、比較的末端に近い「犬」如きが(まあつまり、我々のようなもんだ、それぞれの職場で多少の責任を持つ程度の)できてしまっていること。これはその集団の地力を示してはいないか―崩壊間際で「英雄的行為」をするような話ではない。
それから30年ほどか。現状では、中国共産党の強力さが実証された格好ではあるなあと。
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