空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

「オオスナモグリ」発見の由

2019-06-05 20:27:46 | Weblog
 記事がNHKだし、割とすぐ消えちゃうものと思われ、余計目に引用してメモしておく:

NHK “絶滅”の甲殻類 オオスナモグリか 干潟で発見 2019年6月5日 12時16分

高知県と静岡県の干潟で見つかった生物を千葉県立中央博物館が分析したところ、化石でしか存在が知られていない甲殻類の「オオスナモグリ」である可能性が高いことが分かり、標本を公開することになりました

「オオスナモグリ」は、固いハサミを持つ甲殻類で、関東の太平洋側から沖縄にかけての50万年から8万年ほど前の地層で化石が確認されているだけで、絶滅したと考えられてきました。

こうした中、3年前に高知県土佐市で、そしておととし静岡県沼津市の干潟で、それぞれ捕獲され、千葉県立中央博物館に持ち込まれた生物を駒井智幸主任上席研究員が分析したところ「オオスナモグリ」の可能性が高いことが分かったということです


千葉県立中央博物館の駒井智幸主任上席研究員は「スナモグリの仲間は深い巣穴を掘るため、特殊な機材を使い、潮がひいて海底が現れるような場所で捕獲することがある。オオスナモグリの場合はさらに深く、発見しづらい環境で暮らしていた可能性があるのではないか」と話しています
最初に見つかったのは3年前の平成28年2月で、高知大学教育学部でスナモグリなどを研究している伊谷行准教授が高知県土佐市の干潟で生物観察の実習を行った際、当時の大学院生とともに潮がひいた場所に見慣れない巣穴があるのを見つけ、中にいた1匹を捕獲しました

その翌年には静岡県沼津市の河口付近で、企業に在籍しながら甲殻類を研究している横岡博之さんが貝を採取しに来た際、海底にあいた巣穴を見つけ3匹のスナモグリを捕まえました

3人は海外の学術誌に論文を提出し、審査の結果を待っていたところ、審査を行ったハンガリーの化石研究者から「日本でよく似た化石が見つかっているので調べたほうがよい」と指摘を受け、改めて詳細に確認しました

伊谷准教授は「偶然、捕獲した個体から思いもよらない結果が導き出されて驚いている。海外の審査のありがたさも感じている」と話しています

 絶滅種かとおもっていたら、なんかすっごく深く潜ってただけかも、というとんでもない未発見理由。わりと分布が偏っているせいでもあろうか、とかくらいはすぐさま思いつくが、それなら各地の亜種の発見の喜びもあるかも。

 査読のありがたみもあるわけだが(※査読で返された論文を一本抱えている)、こういうのを国内でも回してしまえるくらいに先生たちに余裕があればなあ、という業界的辛みも覚える話でもある。

 ただまあ、むっちゃ地味な調査研究の成果でもあり―こういう興味ある発見を探り取れるのは、やはり、まずは地道な作業に従事している人たちだよなあという思いも新たにする。

 先日河内和泉先生のところを見にいったら

 がリツイートされていて…ああ、絵描きさん・漫画家さんも学者も、そして恐らくはそのほかの技能職も、結局はこれだよなあ、これに耐えられないひとはなあ…ということを思ったところでもあり、感慨がある。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 本のメモ:『八九六四 「天... | トップ | 見ていた記事メモ(2019-06-05) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事