空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

環境運動の闘士たちは空き家を占有して元持ち主たちに語りかけたりするらしく

2019-07-13 00:32:37 | ノート
 もうすぐ消え去ってしまいそうな森をなんとか―という運動で、その限りは共感する。
 …旧炭鉱地帯の再緑化って、やっぱりむっちゃ難しいのかねえ。

BBC The coal mine that ate Hambacher forest 12 July 2019 By Tim Mansel

More than a third of Germany's electricity is still produced by burning coal - mostly dirty brown lignite - and environmental activists are fighting to change this. A small area of forest not far from the Dutch border has become the focal point of their campaign.

 うんまあ、で、さしあたり石炭消費とかを削減する手として原子力発電を使ってみたりしているわけだ、まにあわせの手法として。そうやってなんとか微妙に持たせて新世代エネルギー源をなんとか開発しようとしたいところなのだと思われるのだが―という。

"We're fighting capitalism and the big companies who are ruling the world and destroying it for profit," says Jim.

 あーうん、そのbig companiesをどれに設定するかにもよるけど、たぶん、50年くらいは生まれる時機を間違った感が、うん、その。

 …うん…私としては、そんな情熱があるならば、その1%でいいから、全力全精力全知をかけて代替エネルギー開発に取り組む人が欲しいかなあとか思う。

 日本で最近流行した反原発デモのていたらくを想起すると、なんというか、その…気楽に叫んで遊んで帰りに冷えたビールをしこたま咽喉に流し込む、そんな気楽な気晴らしのネタにしてやしないか、一部マジな運動家のそれに安易な自己同一化をして気楽な英雄願望充足のタネにしてやしないかと…辛目の点ツケをしたく…。

A few houses still stand, abandoned and broken, waiting for the demolition crews to come and rip off the roofs and bulldoze the walls. At this time of day, the excavators are locked away, large blue diggers hunkered down behind razor wire.

 とまあ、町や村を踏み潰し続けて採鉱してきたわけで、すごいなあ。これなら、人民の怒りが結集してもおかしくない。
 …まあ、その、日本の最近の運動の気楽さ加減がさらに浮き彫りになる気もしますが。

Recently they've had what Cilly describes as "uninvited guests". Kurt shows me the garden house at the back of the pub, a small room with basic cooking facilities. "They broke the windows and ripped down the curtains," he says. "And they hung blankets in the windows so that the light wouldn't show."

"Kohlegegner," says Cilly sharply. Literally, "coal opponents" - in other words, climate change activists. Cilly says she has never before been afraid living in Manheim, but the sight of protesters in the village with scarves over their faces does scare her.


 とまあ、先方でも当方と同じ問題が巻き起こっているようであり―

 ―運動の勝利のためには、地元民の組織化も当然必要ではないかなーとオールドタイプ左翼気質の私としては思うのである。いやほら、琵琶湖運動や瀬戸内海・伊勢湾の解放のための闘争とか、水俣病の闘争とかさあ、と。いや私ははたいて何歳なんだという気もちょっとするけど。

Kurt says that as long ago as the 1950s, when he was growing up, it was common knowledge that one day the village would disappear. This may explain why some of the villagers resent outsiders coming to Manheim now and telling them what to think and how to behave.

 外から来たれんちゅーが、まあご親切にも、無知な地方住民がどのように考え、どのように信じるべきかをご教授くださるわけで―だからなあ、その内容の納得をきちんと得られるように、世界観の転換をなさしめるように、それのほうが合理的だぞと納得させるべきなのであってな…だれがそのコストを支払うんだよ…。

 …昔の大学教授と言うのは、地元住民に延々啓蒙活動やって、それで尊敬されて闘争の歴史を新書にまとめたりして、地域住民の偉大なる闘争を人民の権利の闘争という歴史・世界に適切に位置づけしたりしてませんでしたかねえ…。

 …なんで最近の血気盛んな運動家先生は、地域住民を馬鹿扱いして済ませるんだ…。

"There were some people who brought food and clothes over," he says. "And there were some who told them where they might find a key for an empty house."

And he defends the right of the activists to use the Hambacher Forest for their protest.


 うんつまりね、「空き家」を無料で使えるホテル扱いしてるのが悪い。
 もちろん、所有権等々は既に国家なりなんなりに移転しているだろうけど、『本来の所有者たち』に金銭的な保障をして住み着くならね? だってさ、炭鉱の開発を認めない立場からは、その町・村の買収自体、あってよいはずがないのだから、不当になされた買収行為が成り立っているはずないのだから、当然、『本来の所有者』に借り賃を支払わねばならないではないか(支払う必要がないというなら、『不法な』買取が成立してしまっていると認めることになる)。

"Coal has a tradition here. It's a cultural asset," he says. "And, as outsiders, we're challenging that. We're saying clearly that there are more important things - like the climate."

 で、その偉大な目的のために、誰かの思い出のつまった家を勝手に占有して勝手に破壊するのか、その上でなんで『ああ諸君は愛しい故郷を捨てるべきではないのだ』と演説かましてくれるんですか、その大切な思い出の家を今現に破壊してんのはてめーだろがこのクソ、と思われてるんじゃねーですかねと。

 …運動の方向性とか、考えてみるといいですよと思うのだが、どうか。

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