空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

類似の不祥事が既にあり、コントロール不能のままであったわけ

2015-07-14 22:54:52 | ノート
読売新聞 女生徒もいじめ被害か、昨年度不登校…中2自殺 2015年07月14日 09時04分

 岩手・矢巾町の件。「同学年の女子生徒(14)も昨年5月頃から、「同級生からいじめを受けている」と学校に訴えていたことがわかった。だが、状況は改善されず、女子生徒は不登校になったという。学校は男子生徒のケースと同様、町教育委員会に報告しておらず、町教委は13日、学校に速やかな調査と報告を求めた」。

 ということで、類似の不祥事が既にあり、コントロール不能のままひとりを登校拒否状態のまま置いていたわけであった。
 となると、自殺中二の少年のほうは”まあ、まだしも学校に来ているし”で手をこまねいているうちに少年のほうがぷっつり行って自殺ということになったかなーという感じかな、と見える。

 どうであれ、この件に対する手当てがなってないことが分かって、この学校の指導部については「危機対処がなってなかった」以上の「危機対処がまったくなってなかった」という評価になるかな、という感じ。

 ハンドリングは成功するのが大前提、ではあるけど、しくじりはやっぱりあるんですよね。決定的失敗に陥らないように努力はするけど。しかし、イジメに原因する登校拒否が発生し、しかもそのままの状態が続いているというのははっきりと指導の失敗であり、これに対処する手間だけで大変だろうというのは認めるにせよ、同類の事例がおきつつあるときに対処を失敗―というのは、これははっきりと「大失態」であろう。

西日本新聞 【自由帳】岩手・中2死亡といじめ対策 教師集団づくり急務 2015年07月14日 11時29分

生徒と担任の間で交わされた「生活記録ノート」の最後の記述(6月29日、月曜日)はあまりにちぐはぐで、痛々しい
一連の記事を読みながら、九州大人間環境学研究院の田嶌誠一教授(臨床心理学)は「先生と生徒の関係」について考えるという
担任は努めて明るいコメントを返したとも考えられるが、もはや万策尽きた「思考停止」にも映る
「深刻な事態につながりかねない、こうした問題に日々直面している先生の中で、果たして自信を持って指導ができる先生が何人いるだろう」
田嶌教授と話しながら、あのやりとりは、生徒の「SOS」であり、担任の「SOS」でもあったのではないか、とも思えた

 担任氏がどういう人かは、私の読んでいる記事からはさほど見えない。但し、片々の言葉からは、いかにも若い、分析能力や言語表現能力の訓練途上の感が垣間見える、ように思う。

 いずれにせよ、能力不足はまず明らかと思われる(ほかの先生もどうかとは思われるが―女生徒の件を参照)。なので、”三人寄れば”式に、さしあたり内部で集団指導体制を構築するべきであった。

河北新報 <矢巾中2自殺>もうイヤだ 悩み綴り3カ月 2015年07月12日日曜日

いじめに遭っているとの訴えに、担任は周囲の生徒への指導に動いたが、解決につながらなかった

 言ってみれば「指導力不足」なわけで、そこを見極めるのは校長なり教頭なり学年主任なりだろうと。

村松君は「先生はぼくにとってなくてはならない存在」(19日)としたため、信頼を寄せていたことをうかがわせる

 被害少年に[少なくとも、”限界”寸前まで]寄り添うことができたことは一定の水準を示すわけだが、ひとの能力にはでこぼこがあるので。補いをつける必要がそれなりにあるのである。

 興味深いのは

異変が現れたのは4月中旬。クラスや部活動への不満を漏らし始めた。20日には「しっぱいばっかりだし、もうイヤだ。死にたいゼ☆」と記した

 クラス、部活動への不満はこの時期までは表れていなかったということか。大人としては、しかし「死にたいゼ☆」の「ゼ☆」におどけた雰囲気であると理解し、スルーしたかなと思われる。

 なんにしても、そこでおどけた雰囲気だと理解したとしても「5月に入ると、体育で使うジャージーがなくなるトラブルがあった」とあり、五月初旬で「おおもの」がなくなるという重大予兆が現れる。

岩手日報 中2男子生徒の「SOS」1年以上 矢巾、死亡から1週間 2015/07/12

男子生徒が毎日の生活を担任とやりとりしていた「生活記録ノート」には、昨年の5月ごろから他の生徒とのトラブルを訴える記述が続き、亡くなるまでの1年2カ月以上にわたり、学校生活で苦痛を感じ続けていたとみられる

 なので、”軽微なトラブル”の連続というあたりで済ます…というのもきっついな、これ。少なくとも、大人の目に触れないレベルまで制圧する必要がありそう。どの段階かはさておき(本年5月初旬には”強力な指導”が必要なのは変わらない)。

男子生徒は入学直後の昨年4~5月から他の生徒とのトラブルを記載し始め、同5月には「もう限界です」と記述。3学期には「死にたいと思ったときがけっこうありました」と記した

 なので、昨年5月段階で早期に手当てしておけばいますこしなんとかなった可能性があるにはある。

 …学外機関で”イジメひゃくとうばん!”みたいな感じのに頼るという手はあるが、町ではそこまで気の利いたものは用意しているかどうか。盛岡市のそれを利用する格好になるかと思われるが、「つなぎ」が上手く行かなければ話がぽしゃる。外につなぐにしても、どうしても内部のシステムがそこそこ回っている必要があるものと思われる。

 …内部のシステムとしばしば対峙する格好でいる私がいうのもなんだが。しかしうちはまあまあ回っているはずだからなあ。

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