空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

「下から物事を見」ろと上から命じるいつものパターン

2018-01-05 23:27:47 | Weblog




 なお原文には「誰でも、いやいやでも務まる」とは書いていない。

日刊スポーツ 倉本聰さん「未来は暗い、知恵がない」インタビュー 2018年1月4日9時44分 紙面から

倉本さんは、徴兵制ならぬ、徴農制の導入も主張している。
 「幼児教育が間違っている。ルール、倫理観を教えないといけない。中学から大学まで12年間、英語を勉強してもしゃべれないような、バカな教育の改革が必要で、大学の無償化には反対です。それよりも、徴農制を実施して、若い人たちは土と向き合うべき。上下関係の中で、しつけも教えながら、農業が食うこと、生きることの根源につながることを学ぶ。海抜ゼロから自分の力で生きる、覚悟と責任が生まれる気がします」


 とあり、まあ入った当初は「いやいや」かもしれないが、「上下関係の中で、しつけも教え」て”ひとのあるべき姿”を身につけ、ひとの思うべき思想をその根幹にすえれば、当然、それは喜びになるだろう。なにしろ「生きることの根源」を知るのだから、それが喜びでなくてなんだろうか(もしそうでないとしたら、死ぬ以外にない―生の根源を厭うのであれば)。

 従って、この倉本氏の発案は、厳しい思想統制を必然的に伴う。1ページ目の言葉を参照しつつ見れば、「自分で考える知恵」を養い、「もっと下から物事を見て、視野や議論の場を広げ」るべきだが、当然(2ページ目から)「ルール、倫理観を教え」、「上下関係の中で、しつけも教え」ていくのであり―

 その持つべき視野は当然、幼児期から仕込まれたルール・倫理観、さらにその後の営農生活を通じて上下関係に規制されるものであるべきだ、ということになる。大所高所から論じるようなアタマデッカチ、「知識はあるけど、知恵がない。ものを考えなさすぎる。偏差値教育、知識至上主義」のような存在は、正しき幼児教育を通じて発生自体を抑制され―

 ―では、社会のデザインを考えたり考え直したりする役目は誰が担うかというと、万古不変の真理=「農こそ生の根源!」を知る我こそが正しくその大方針をここに教えたので、汝ら若者、コレに従えということになり―

 えらい総統原理でございますなこれ。

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