空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

全ての努力は原点に戻る―日韓関係

2019-02-01 18:23:13 | ノート
中央日報 【社説】八方塞がりの韓日関係、手を引く韓国外交 2019年01月31日06時54分

 いや、引くな、手を。

韓日関係が八方塞がりに陥ってしまっている。慰安婦問題や強制徴用賠償判決などに関連した両国の葛藤はますます深刻化している。これに重なるようにして、日本海上自衛隊哨戒機に対するわれわれ海軍艦艇のレーダー派発射で誤解まで招いた。出口は見えていない。排水口が詰まって食器を洗った水があふれているのに、詰まりを解消する意志もアイデアもなさそうだ。この状態から手を引いた外交部をはじめ、政府の態度がそうだ

 ―『なんか、うちの政府、現実逃避してるっぽいンすけど』っていってますか、これ。

昨日、外交部の康京和(カン・ギョンファ)長官が慰安婦被害者の故金福童(キム・ボクドン)さんの焼香所を弔問した。康長官は「おばあさんは壮絶に戦ったが残念だ」と述べた。前日同じく焼香所を訪れた文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「問題が解決されないまま(金おばあさんを)見送ることになり心が痛い」と述べた。ともに慰安婦問題がまだ解決されていないという認識の表現だ。だが、現状況に代入してみると、日本に対してさらに厳しく対立していくという言葉にも聞こえる。最も大きな問題は、歴史葛藤を解消して未来に進もうといういかなる戦略もアクションプランも見られないということだ

 この節、最後の文章が本当なら決定的にマズいが、それはさておき元慰安婦のひとの葬儀で感情的なアピールをするのは大統領・外相の必須任務か、という疑問もかなりきっついのではないか。

女性家族部は今月21日、和解・癒やし財団の設立許可を取り消した。この財団は日本軍慰安婦問題を癒やすために2016年7月に設立された。政府は近くこの財団の解体手続きに入る。これに伴い、70年余り前の歴史問題を癒やすための韓日のあらゆる努力は原点に戻った

70年余り前の歴史問題を癒やすための韓日のあらゆる努力は原点に戻った」は重い言葉であって―これこそが今の日本の”韓国疲れ”現象の根本的原因だろう。なにをやっても原点にもどる。なにか合意されてもいつのまにか原点にもどっている。

 いやまあ、10億円程度で片付く大問題ってなあ、なんだよ、というのは尤もなのである。だが、国際問題を片づけるときの手付金、着手金…といったものとしてなら、まあ、ちょっとまずまずのものではないか。で、新時代へ向かおうか、という話になったとおもったら、大統領が変わったら「あらゆる努力は原点に戻った」のである。

 向うだって「何度言ったら分るんだ」といいたかろうが、こっちだって「何回やったら一歩扱いなんだ、なにをやったら一歩扱いなんだ、二歩目を歩める日はいつくるんだ」とでもいいたかろう。

 で。「日帝強制徴用関連の大法院(最高裁)判決と日本の反発に対する政府の対策も何か分からない。日本側が外交的協議を要請してきたが、政府は応じないでいる。日本は過去、両国政府がすでに清算した事案を韓国政府が破棄していると主張する」は、まあ、双方の主張ですかねで構わないのだが、引き続く「米ワシントンなど国際社会でも、韓国が外交的合意を一方的に破っているという認識が強い。「再協議も、仲裁委員会・国際司法裁判所にも行かないというが、いったい韓国の代案は何か」という疑問が広がって国際世論戦でも押されている」がキッツイのですが。

 …まあね。
 初めてこの問題に接する人なら、「まあ! 日本は戦後70年も問題を放置してたのか! なんと不誠実なんだろう!」で済むんだが。数年も付き合えば「両国の歴史問題の責任は根本的に日本にある」という理屈で「あらゆる努力は原点に戻」ることを繰り返し見るはめに陥るわけで。
 そりゃいつかは破綻する作戦でしょうよね。


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