空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

プントランド副大統領はスール前線を訪問する:ソマリア

2008-01-16 23:15:24 | ソマリア関連
 プントランド副大統領Hassan Dahir Afqura氏はソマリランドとの係争地,スールにおけるプントランド側前線基地Tukaraq村を訪問。民間・軍双方から抗議を受ける:

Garowe Online Violent protest against visiting Puntland VP in Sool kills 1 Jan 14, 2008 - 9:33:41 AM

 Tukaraq村といいますと,去年11月後半頃,その間近までソマリランド軍が迫った最前線地帯です(「ラス・アノド情勢―ソマリランドは東方に進出:ソマリア」)。一時,ソマリランドが自己の勢力圏内にあると主張したほど(プロパガンダでしょうけど)。

 軍事衝突の敗北もこんでのことか,軍高官を伴って予告なしの訪問をした副大統領閣下に地元住民は投石でもって大歓迎。彼に引き揚げを要求する。
 で,軍基地に入って兵士に演説,当地を防衛する任務について語る―わけですがこれがまた兵士の反発をまねいた。

 現地兵士が匿名で語るには,副大統領がソマリランドのラス・アノド統治に言及せず,残余のプントランド防衛について語った―と理解された―のが拙かったらしい。

 不満を持った兵士の抗議は混乱状態にいたり,Tukaraq駐在の1兵士が副大統領護衛に射殺された由。副大統領は日曜遅く,Garoweに帰還。

 ―Tukaraqの士気は高いといえるのでしょう(離脱者も出ましたけどね:「プントランド軍から更に離脱者 ソマリア三国志」)。
 スールを自国領土とみなし,奪回を夢見て,どう考えても優勢な敵の正面に張り付いているのでしょう。

 ちなみにDahir Afqura氏はスール出身。
 祖国と親兄弟の為に死ね!犬死にはさせん!と力説してこそ,地元出身の熱意でもって負け戦中の兵士の士気を上げることもできようというものですが,まぁ彼が不人気な理由はその上司,Muse大統領の同じ穴の狢と思われているからじゃないかなーと思う(参考:「プントランド大統領はソマリランドとの密約の存在を認める:ソマリア」)。

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