マウンテンバイクが産声をあげた70年代から、80年代、90年代初頭までは、一台のマウンテンバイクでなんでもこなしていました。普段のトレイルライディングはもちろん、クロスカントリーレース、ヒルクライム、ダウンヒル、スラローム、そしてトライアルなどなど、まあ競技カテゴリーでくくるとそんな感じのものを全部ひっくるめても、一台のバイクで全部まかなっていたし、それが当たり前だと思っていました。
90年代中盤から、マウンテンバイクの競技が確立していくなかで、クロスカントリー用やダウンヒル用など、専門的なバイクとして細分化されるようになり現在に至っています。
ほんのちょっと前までは競技志向、向けのバイクが主体となってシーン、業界を作っていた感がありますが、数年前からは競技志向だけではなく、トレイルライドといった「楽しみ」に焦点を当てた、マウンテンバイク本来の使い方が注目されている気がします。そんな中、トレイルやオールマウンテンといったカテゴリーのモデルは、一台でいろいろな使い方ができる守備範囲の広いバイクとなっていて、まさに初期のマウンテンバイクの現在形だと思います。
日本の山だと、よく見る海外のビデオのようなスピーディーで激しい乗り方をすることはごくまれで、多くは中~低速であんまり激しくない、う~ん、なんと表現すればいいんか、つまり、気持ちよく走れる場所で走っているんじゃないかな。そういう場所だと、バイクのカテゴリー的にはトレイルモデル(サスペンションストロークが120mm前後)からクロスカントリーモデル(サスペンションストロークが100mm前後)があっています。
それじゃあ、サスペンションストロークが150mm前後のオールマウンテンと呼ばれるカテゴリーのバイクは日本の山だとオーバースペックなんじゃないか、と思うかもしれません。たしかにオーバースペックかも。でも、ロング・スペシフィケーション(Wrong Spcification)ではないと思います。アップダウンのあるトレイルライドに、下り専用のダウンヒルバイクを使うのはあまりよくない選択だと思いますが、登りも下りもこなせるオールマウンテンモデルは決して悪くないと思う。
なにが言いたいのかというと、たしかにオーバースペックなバイクは過剰にみえるかもしれないけれど、カッコいいバイクに乗りたいじゃん、ということ。適材適所の範疇に入っているのなら、その場所には必要ない機能を持っていようが、惚れたバイクに乗る方が一番精神衛生にいいんじゃないかってことです。だって、楽しむためにマウンテンバイクに乗っているわけだから。
乗りたいバイク、ウキウキになるようなバイクに乗りましょう!
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