白山比咩神社の表参道、三の鳥居近くに聳え立つのは白山市指定天然記念物の「大ケヤキ」。 胸高周り約5m、樹高25m、推定樹齢は1000年とも伝えられており、まことに神秘に満ちた姿です。
大ケヤキの近く、神門の傍らに鎮座するのは「境内摂社:荒御前(あらみさき)神社」。御祭神は『荒御前大神、日吉大神、高日(たかみ)大神、五味島大神』。『荒御前大神』は、三韓征伐に出兵した『神功皇后』の御座船に現れ守護した神として登場します。ちなみに聞きなれない「五味島大神」ですが、荒御前神社の神々の総称だそうです。総称なのになぜ祭神として名を連ねているのか・・??。
社務所の近くに置かれていた瓦材の獅子。おそらく屋根の留蓋獅子と思われますがきちんと台座の上に置かれ、大切にされている様子。
獅子といえば2011年の参拝時に立ち寄ったみやげ処「くろゆりの里」に展示されていた「魔除け獅子」。この時は「加賀獅子頭」の存在を知らなかったので、もちろん「知田(ちだ)工房」の名も初見でした。
こちらは祈祷受付所の一画に飾られていた「白嶺大神獅子」の置物。怖いくらいの迫力。怖いのに何故か心を惹かれて目が離せなくなる・・
境内には奥の細道で有名な『松尾芭蕉』をはじめ、幾つかの歌碑や句碑が奉納されています。芭蕉が奥の細道の途次に見た白山の姿に感銘を受けて詠んだ句。
【 風かをる 越(こ)しの 白嶺(しらね)を 国の華 】
「白山奥宮遥拝所」の近くに建立されていた文学碑。(作者不詳)
【 久に仰ぐ 白山の峯 雪を冠り 茜を受けて 粧い給う 】
【 大手取 黄金波打つ 村の秋 】『舘一畝』
「越之白山」と題された長歌一首と反歌一首。色々検索してみましたが、神社の公式ページにも該当するものがなく、作者も内容も不明。
「盤持石」は、白山比咩神社の祭礼の催しで近隣の若者たちが力自慢を競うのに使用した石。「力石」とも言い、今でも多くの神社や寺の境内に奉納されているのを見ます。
白山比咩神社の絵馬には「御神木と社殿」遠景に「白山」。白山比咩神は、伊弉諾尊・伊弉冉尊の仲を取り持たれた神で、菊理媛(くくりひめ)とも称します。「くくり=括る」に繋がり、古来より縁結びの神とされています。
振り返ってみれば、随分と多くの場所を見残していた事に気づき、今更ながらに落胆。『昭和天皇』が境内の杉の種をお手撒された時の苗木を植樹したという、御神木の三本杉。『泰澄』の作ともいわれる「かたがり地蔵」。「白山比咩神社創祀之地」の碑がある「舟岡山」。参道の「琵琶滝」。その近くには「河濯尊大権現社」・・・(ため息)
参拝日:2011年10月12日&2015年10月20日