大田市仁摩町天河内に門を構える浄土真宗本願寺派寺院「玉梁山・満行寺(まんぎょうじ)」。『阿弥陀如来』を本尊とします。
もと真言宗の「西光寺」と称しましたが、永禄年間に『照善坊照西』が浄土真宗に改宗。石見総本山と呼ばれ、石見地区での浄土真宗布教の拠点になったと言われます。
本堂向拝正面には三体の龍の彫刻。
境内向かって右に、枯山水の中に石橋が架けられた白漆喰の経蔵が建ち、そこに制作者は不明ですが大正14年に制作された素晴らしい「雌雄の龍」の鏝絵があります。
経蔵二層部分の壁全部を使った構図もさることながら、その細工の緻密さにはただもう目を見張るばかり。
その制作風景を想像するだけで鳥肌が立ちそうな、逆巻く波、渦巻く雲、鱗を逆立てて威嚇するように前方を見据える一対の阿吽の龍・・・・
それは例えて言うならレース編みの繊細さにも似て、これが漆喰と鏝一本で彫刻されたなんて、とても信じがたい技。
渦巻く波の中に時折見える龍の体、もはやどこが尾で何処が足なのか、否、波とうろこの区別さえ見分けがつかなくなっています(^^;)
四面全てを画像に収めて気が付いたら、く・・・首が!!ずっと上を見上げていたものだから、首が元に戻らない・・(ーー゛);
「鐘楼」
ふり返って見上げた山門、屋根を支えているのは力神・・・?では無く。邪気・・・?でもなく、なんと仁王様!!。
寺社の彫刻、有名無名含めて随分と沢山拝見しましたが、屋根を支えるのが仁王様なんて、全くもって初めての事。朝から珍しいものを見せて頂きました。
境内から見渡す仁摩の町、ああ、向こうに「仁摩サンドミュージアム」のピラミッドが見えるよ。
訪問日:2011年5月16日