真名井通りのすぐ左手、出雲市大社町杵築東に鎮座される「北島国造館(きたじまくにつくりかん)」。主祭神は『大国主大神』。注連縄は出雲大社と左綯い。
『別天津神(ことあまつかみ)・天照皇大神・産土大神・天穂日命』を併神とします。
【北島国造館」は明治15年(1882)に当時の出雲大社少宮司であった第76代出雲国造『北島脩孝』が内務省の承認を経て創設した神道教団です。出雲大社に祀られている『大国主大神』の神意、信徳を教化する神社神道です。】案内より
北島国造家の正門に当たる桧皮葺の四脚門は、神域内最古の建造物で島根県指定文化財。私たちはこちらの門から参拝をさせて頂きました。
四脚門からだとすぐ近く。正門からだと境内の祭奥に「心字池」と、「熊野川(よしのがわ)」上流から引かれた「亀の尾の滝」。
滝の前に鎮座されるのは、『少名毘古那神(すくなひこなかみ)』が祀られる「天神社」。 『少名毘古那神』は農業の神、さらに医薬・温泉・酒造の守護神として知られます。
池の向こう側には、亀に乗って荒波を行く「少名毘古那神像」。傍らの説明には、身体健康の神、出逢いの神と書かれています。
境内の一段高くに鎮座される「御三社」。「天穂日命社・荒神社・稲荷社」を祀ります。
「御三社」の左右より神域を守護されるのは、端正な顔立ちの出雲構えの狛犬さん一対。とは言え、吽形さんは苔の所為で表情が今ひとつ伝わりにくい・・
折角の良い狛犬さん、角度を変えて・・ああ、やっぱり良いお顔です。
御三社:稲荷社を守護されるのは非常に端正な顔立ちの神狐さん一対。これほどの美形さん、昨日今日奉納された機械彫りの神狐さんには、絶対に見られません。
社殿玉垣の周囲に奉納された神狐さん
境内社「天満宮」。御祭神は「出雲国造」に縁が深いとされる『菅原道真公・野見宿禰』。
来待石で作られた奉納灯篭。拝殿屋根を模した笠には龍に獅子の彫刻。 いくら細工がしやすい来待石とはいえ、これだけ複雑で繊細な構図を一個の石で彫り上げる・・その技量にひたすら感動。
笠の上にべったりと身を伏せる阿吽の獅子。姿も形も一人前以上に迫力がある筈なのですが、何しろお小さいので(^^) 可愛いという感情が先に立ってしまう。

境内はひっそりと静かで、私たちの他に参拝者の姿はありません。初夏の日差しと神域の澄み切った空気を独り占めしているような、贅沢な時間が流れてゆきます。
参拝日:2011年5月17日&2013年5月21日&2015年4月21日