車泊で「ご当地マンホール」

北は山形から南は大分まで、10年間の車泊旅はマンホールに名所・旧跡・寺社・狛犬・・思い出の旅、ご一緒しませんか。

ふらり~卯之の町歩き in 愛媛県西予市

2020年12月21日 08時00分00秒 | 神社仏閣・名所・観光・愛媛県

宇和地区の中心地にあり、松葉城の城下町として栄えた卯之町。町内には江戸中期から昭和初期までに建てられた商家が並び、2009年に、全国で86番目の重要伝統的建造物群保存地区として選定されました。
町並みに入って最初に目にしたレンガ塀のお宅、内子とはまた違った趣に期待が膨らみます。

卯之町観光無料駐車場に車を入れたら、今日のメインは「卯之町・町歩き」。スタートは「松屋旅館」。江戸中期創業の老舗旅館で、『前島密』や『新渡戸稲造』など、多くの文人・政治家等が宿泊したそうで、入り口にはそうそうたる名前が並んでいます。

【この宿の 庭木の茂り なつかしき】 高野素十

長い歴史のある町並では飾瓦も忘れてはいけません!。細かい細工が施された「大根(丁子紋)」も、荒波の中を泳ぐ「鯛の上に立つ大黒様」も、本当に楽しい出来栄えです。

・・・ん??鯛なのに大黒様?、恵比須様じゃなくて??

玄関の上を飾る彫刻額。多分どこかの部屋の欄間だったものではないかしら? こんな使いかたって、すごくおしゃれ😄

間口の広い建物は、明和7年(1770)に建てられた造り酒屋「末光家住宅」。明治28年(1895)に改築されましたが、大半は建築時の姿を残しているそうです。 時間が早かったため内部の見学は出来ませんでしたが、この外観だけでも充分に満足。

一歩路地を入ると「宇和ヤマミ醤油」の建物。かすかですが何とも懐かしい香りが鼻腔をくすぐります。

建物は店舗と製造所を兼ねているとの事で香りにつられて建物内に入ると、醤油の香りは一段と高くなり、無性に白いご飯が恋しくなりました😄

ケヤキ材をふんだんに使い、門扉には鉄鋲。そりのある屋根には大きな鬼瓦を据えた大層な門は、卯之町の庄屋「鳥居半兵衛」が天保5年(1834)に建てたもの。

ところがこれが立派すぎて、「庄屋には身分不相応なり」と宇和島藩からお咎めがあったとか。何でもやり過ぎてはいけないというか、分相応にという事でしょうね。

日本人女性で初めて産科医として西洋医学を学んだことで知られる『楠本イネ』。父シーボルトの国外追放後、天保11年(1840)に宇和島藩の外科医であった卯之町の『二宮敬作』に預けられ、14才からの5年間に蘭方医学を学びます。『オランダおいね』の異名で呼ばれた彼女の人生は、ここでは語り尽くせません。

ここは『二宮敬作』の住居があった跡で、したがって「女医・イネ発祥の地」となるのですが、こういうものまで「発祥」と呼ぶとは、ちょっと????の二人でした😅

情緒ある路地の坂道を上がった先に、卯之町のシンボルとも言われる「旧開明学校校舎」がありますが、それはまた明日に。

でも何かがある特別な場所でなくても、この町並みは美しく、私たちの足を止めさせます。 江戸時代後期の蘭学者であった『高野長英』が一時隠れ住んだと言われる卯之町。 身を潜めて息を殺しながら・・でももしかしたら、この佇まいの中を歩いたかもしれません。

「宇和先哲記念館」では、『楠本イネ』や、『二宮敬作』など、多くの偉業を残した先哲を偲び、その人間像や業績を知る数々の資料が展示されています。心は惹かれますが、町歩きの魅力には勝てません。

訪問日:2011年6月14日

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