鳴門市大麻町板東に鎮座される、阿波国一宮「大麻比古(おおあさひこ)神社」。 御祭神は『大麻比古神・猿田彦大神』。式内大社で、阿波・淡路両国の総産土神とされます。
社伝に、「神武天皇の御代、『大麻比古神』の御孫『天富命(あめのとみのみこと)』が、阿波忌部氏の祖を率いて阿波国に移り住み、麻・楮(こうぞ)の種を播殖してこの地を開拓、麻布木綿を生産して殖産興業と国利民福の基礎を築いたことにより祖神の『大麻比古神』を阿波国の守護神として祀ったのが当社の始まりだと言う。」
境内入り口にて神域を守護されるのは、慶応4年(1868)3月吉日建立の狛犬さん一対。台座の銘に「石工・竹生島 浅之助」と刻まれており、石碑を前足で押さえるという珍しい姿をしています。
拝殿前の柵内より神域を守護されるのは、宝暦12年(1762)9月12日建立の狛犬さん一対。体に比例して極端に細い前脚が何とも頼りなさげで、思わず添え木を探してこようかと・・・💦
境内を覆うのは樹齢千年の御神木・楠の大樹。その凄まじいとも思える生命力の前では、日常の些細なことなど、まぁ良いかと思える程。
神社の境内を奥に進むと、敷地内を流れる板東谷川のほとりに出ます。川には大正8年に造られた「独逸(ドイツ)橋」と呼ばれる、石のアーチ橋。この橋は、捕虜達が帰国する際に、記念として築造を提案したものですが、その一事をもってしても、収容所における捕虜たちの待遇が、どれほど人道的で友好的だったかを示すものと言えるでしょう。
捕虜たちの散策地でもあった「大麻比古神社」の境内には、彼らが故郷を想い造成した池があり、その池にメガネ橋を配しました。後に「心願の鏡池」と名づけられた神池は、今も尚、日独友好の証として存在しています。
参拝日:2013年3月16日
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