季刊「上方芸能」の「提灯広告」に167人が応じて支援、頑張れ、「上方芸能」!
季刊雑誌「上方芸能」(No176号)が、昨日送られてきた。今号の特集は、「これが狂言だぁーっ!」となっている。この雑誌としては、10年ぶりの狂言の特集とのことだ。
「狂言は融通無碍な舞台芸能である。庶民の暮らしを活写、その人情が時代を超えて観客の共感を集めるかと思えば、ある時は奇想天外な物語を大胆に繰り広げ、心の底からの笑いを誘い出す。人も鬼も動物も、神様さえも同類のように扱って屈託がない。だからこそ長年にわたって愛され続けてきたのだろう」。特集の前書きは、そう書き始められている。私もそんな狂言が好きで、結構公演も観ている。ゆっくりと楽しみながら読みたいと思っている。
ところで季刊「上方芸能」の発刊が、雑誌裏面の広告が途切れたことなども含めて、極めて厳しい状況に立ち至っているとの報告が前号であった。そして、財政確立に向けての「提灯広告」(一口2,000円)が呼びかけられた。私も、応募させていただいた。この「提灯広告」には167人が応じ、その他意見広告(一枠15,000円)や維持基金等も寄せられ、当面の苦境は乗り越えられたとのことだ。とても嬉しく、その報告を読んだ。
しかし尚、厳しい財政事情には変わりなく、引き続いて「提灯広告」などを募集しているとのことだ。今日にも郵便局に行って、振り込みをしようと考えている。
さて、今号の季刊「上方芸能」の「編集前記」で、前編集長の木津川計さんは、次のように書いている。「文化は儲かる文化と儲からない文化に二分される。総じて、儲からない文化は上質で良心的であろう。その部類に『上方芸能』」も含まれていたい。暮らしは低くとも思いは高い。そんな志の旗を掲げ続けて私たちは43年目を歩む」。経済的に厳しい状況ではあろうが、「高い志」を掲げて、継続して発刊しつつけて欲しいと願う。