人間の尊厳が守られ、いくつになっても希望を持って生きられる社会に
昨日の朝の朝日新聞のトップ記事として、「ルポにっぽん」で「買い物難民」が取り上げられていた。この記事では、「日用品の購入にすら支障をきたす『買い物難民』が増えている。全国で推計600万人ともいわれ、過疎地だけでなく、都市部でも深刻な問題」としている。その対策を模索する取り組みがレポートされている。
一方同じ昨日の山陽新聞では、「増える自治体直営の公共交通」との見出しで、「岡山県内の住民の足を確保する模索」が報告されている。
こうした買い物難民の多くは高齢者であり、そしてまた高齢者は交通弱者でもある。そんな高齢者の実態について、一昨日・5月15日の新聞各紙は、政府が14日に閣議決定をした「2010版 高齢者白書」の内容を報道している。
白書では、「65歳以上は過去最高の2,901万人で、全体の22.7%を占める(09年10月現在)。10年時点の独り暮らしの高齢者は465万人と推計」されるとのことだ。
そして「65歳以上の高齢者に占める男性の一人暮らしの割合が、10年の11.0%から20年後の30年には17.8%まで急増する」そうで、「『男性の一人暮らしは社会から孤立しているものが多い」と指摘されており、「普段、近所の人との付き合いがほとんどない人』は女性が8.3%だが、男性は21.6%に上った」(山陽)とある。
そうした「独り暮らしの高齢者の3割以上は終日、周囲と会話しないことが日常的になっており、高齢者の社会的な孤立が進んでいる」(朝日)とのことだ。
私も最早「シルバーカード」が送られてきており、(前期)高齢者に片脚を突っ込んでいる。それ故に、高齢者問題は自分自身の問題となっている。「買い物難民」、「交通弱者」の問題も、決して他人事ではない。
私は今、また図書館から借りて『高齢者は暮らしていけない 現場からの報告』(岩波書店)を読んでいるが、今の世の中高齢者はナント生きにくいことか。自殺者が12年連続して3万人を超えている社会であり、高齢者だけでなく弱者にとっては、とても生きにくい世の中となっている感じがしてならない。
誰もが人間の尊厳を保って生きられ、かついくつになっても希望を持って生きられる社会にして欲しいものだ。そんな声をみんなで上げていくことが大切だと、一昨日・昨日と二日間の新聞を読んで感じた。