京都南座の顔見世、ケガの海老蔵の代役の片岡愛之助を絶賛する声相次ぐ
冬の京都の風物詩となっている京都南座の顔見世が、昨日初日を迎えた。私も顔見世を楽しませてもらったこともあるが、その出演俳優の豪華さに感激しまくりとなった。その今年の顔見世では、ケガで休演の市川海老蔵さんの代役で片岡愛之助さんが、『外郎売』の曽我五郎役を務めている。
片岡愛之助さんには大変にお世話になったし、たくさんの思い出がある。私が参加させてもらっている「おかやま・歌舞伎・観る会」の1997年10月の発足会に参加して、花を添えていただいたのが愛之助さんである。
そして岡山の地で開催した「歌舞伎鑑賞教室」や「お楽しみ例会」のトークショーなどに出演していただくなどしていただいてきた。ありがたいことだ。私の手許には、鑑賞教室にご出演いただいた松嶋屋・片岡我當さんなどと合わせて愛之助さんの特製テレホンカードが二種類ある
それにしても、発足会の際には、「若手花形」という紹介をした片岡愛之助さん。あれから13年の時間が流れ、代役とはいえ京都南座の顔見世で、きら星のごとくスター俳優が並ぶ中で、今や主役を演じるまでになった。感慨深いものがある。
「愛之助が主役の曽我五郎を演じた、夜の部第1幕の『歌舞伎十八番 外郎売(ういろううり)』。歌舞伎十八番とは市川宗家の芸で、観客からは愛之助を絶賛する声が相次いだ。神戸から来たという50代の女性は「最初に“愛之助が相勤めます”とあいさつしただけでドッと沸いた。すごく上手に演じていました。拍手が物凄かった」とべた褒め。歌舞伎通を自認する40代の女性は『なんであんなに市川家のものを、すらすらできるのだろう。団十郎さん、海老蔵さんと同じように演じていた。びっくりした』と感服していた」と報じている新聞もある(スポニチアネックス 12月1日7時1分配信)。
それにしても、片岡愛之助さんの今日の到達は、これまでの不断の努力・精進のたまものと言えよう。しっかりと演技などを磨く努力、それも大変な努力なしには、片岡秀太郎さんの実養子とはなっているものの、歌舞伎の家に育っていない一般家庭の人であった愛之助さんが、ここまでこられることはなかったと考える。
今後さらに努力・精進を重ねて、代役ではなく京都南座の顔見世の主役が務められるように、片岡愛之助さんの更なる飛躍を願ってやまない。