初めて親になった時のこと、それは消してしまいたい記憶でもある
ヨシタケシンイチ『ヨチヨチ父-とまどう日々-』(赤ちゃんとママ社刊)を読んだ。すると、初めて親になった時のことを思い出した。そのことは鮮明に記憶している。しかし、それは消してしまいたい記憶でもある。
パートナーの最初の妊娠の際は、とてもつわりが激しかった。当時は二人だけで暮らしていたので、、夕方私は帰宅すると、まず戸を開けて空気の入れ換えをした後、夕飯の準備。パートナーが帰宅して、夕食を食べると「もどす」日々。ほとんど食べられない日々だった。
少しだけ横になって休んでもらい、その間にお風呂の準備をして入浴してもらう。家事などできる体調ではなく、洗濯も私がしていた。それでも、パートナーは休まずに仕事に行っていた。さすがに、二人目の妊娠の際には入院した。
そんなパートナーの出産では、本当に申し訳ないことをした。前日から友人たちと大山に一泊で麻雀に出かけた、その翌朝破水をし、パートナーは一人で市民病院に行き出産。
私が自宅に帰ると、「病院に行きます」とのメモがあり、急いで病院駆けつけると、一人で生んでいた。「何でお母さんとかに連絡しなかったの?」と聞くに、「あなたが遊びに行っていると言わんといけんから連絡せんかった」と言われ、わが子の誕生の喜びとすまない気持ちで涙が流れた、
ところで、出産から4日経った12月24日、私たちの赤ちゃんは経過が悪く救急車で国立病院に転院した。私も付き添っていったのだが、「この2~3日が山です」と言われた。
その夜、市民病院は特例で、病院へ泊まることを許可してくれ、小さなクリスマスツリーを買ってきて、二人で病室に飾って過ごした。
その後、パートナーは毎年必ずクリスマスにはクリスマスツリーを飾っていた。何も言わなかったけど、それはあの夜のことを思い出してのことと思う。