市民劇場・加藤健一事務所「川を越えて、森を抜けて」を観て、心が温まった
昨晩は市民劇場の例会に参加した。人気の加藤健一事務所の「川を越えて、森を抜けて」だ。今回の公演は、竹下景子を迎えているだけに、昨日は階段に座っての観劇の方も少なくない程の大盛況ぶりだった。
そして、近年の加藤健一は年老いた役が多く、とてもいい。聞けば再演らしく、出演者6人の息もぴったりのステキな舞台だった。「ハートウォーミングな愛にあふれた舞台」とあるが、まさに心優しい舞台であり、いつもながらに笑い、ちょぴりグスンとくるステキな舞台だった。心温まる舞台だった。
その舞台は、アメリカ東海岸のホーボーケン(ニュージャージー州)に住む老夫婦(加藤健一&竹下景子)の家の近くに住む孫が、仕事(昇進)で西海岸のシアトル(ワシントン州)に転勤することに寂しくて反対し、「引き留め作戦」を展開するお話だ。
私は確かに寂しくはあるが、シアトル行きに強く反対するという設定に少しだけ違和感があった。それだけにずっと舞台に入り込めない感じでの観劇となった。また、「引き留め作戦」で事実上のお見合いをした女性が、孫のデートの申し込みに、シアトルに行かずに残るならOKというのも納得がいかなかった。舞台というのは役者たちの演技力もあるが、同時にその脚本の大切さを改めて認識させられた。
それにしても、岡山市民劇場は毎回「前例会クリア」で、会員数・サークル数増加して、例会を迎えている。すごいことだ。観るだけ会員の私であり、頭が下がる。その市民劇場の次回7月例会は、故井上ひさしのこまつ座「闇に咲く花」で、とても楽しみだ。井上ひさしの脚本は、いつもいつも感動されられるからだ。井上ひさしの本の舞台というだけで、ワクワクしてくる。
その井上ひさしの三女で「こまつ座」代表の井上麻矢さんが、6月6日に市民劇場の「『闇に咲く花』の魅力に迫る会」でお話しされる。今回は、私も聴きに行ければと思ったりもしている。
やっぱり舞台は大好きですし、ステキです。是非とも、楽しんでくださいね。