tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日本経済再活性化の可能性を考える その6

2009年07月25日 14時15分14秒 | 経済
日本経済再活性化の可能性を考える その6
 今回は 7月7日の当ブログで取り上げた日本経済の問題点の2番目、「少子高齢化で人口減少では経済成長は困難という見方を取り上げて見たいと思います。

 確かに、多くの人々が人生の中で大きな生き甲斐と考える「子育て」が経済成長に与える影響は大きいと思います。親は子供が立派に育つことを願い、子供の養育、教育のためには支出も惜しまず、そのために頑張って働きます。これは経済成長への大きな力でしょう。
 
 今は確かに少子化ですが、しかし子育てがなくなるわけではありません。子供の数が少なくなっても、1人の子供により大きな期待をし、支出をするのは、1人っ子政策の中国を見ても、少子化の日本の家庭を見ても共通だと思います。人口減少で経済成長率が多少下がるにしても、大事なのは人口一人当たりの実質経済成長率でしょう

 確かに子育ては、やり甲斐もあり、金もかかる大事業ですが、人間は自分、あるいは自分たちの生活の向上も常に望んでいます。より良い生活を望んでいれば、それは必ず経済成長の要因になるはずです。

  高齢化については、生活向上への欲求が弱くなるという面と介護のコストがかかるという面の2つがあります。生活向上への欲求の弱まりは、生物としての自然でしょうが、人間としての知的欲求は無限です。これに注目した経済活動も種々始まっています。

  高齢者の介護は、精神的にも経済的にも大きな負担を強います。
 子育てのために頑張ろうと考えるのは動物としての本能ですが、親の介護の場合はより人間的な感情や理性、人間としての知性によるものでしょう。

 したがって高齢者介護は、本人の若いときの蓄積と、後世代の生産活動で合理的、効率的に支えなければなりません。これには社会全体として、負担についての計画とシステムが必要です。年金、医療、介護、当然社会保障のための移転所得は増え、国民負担率も増えます。これは確り経済の成長計画の中に組み込むべきでしょう。 北欧などの経験は参考になります。
 
 国民の合意を得てその組み込みが出来れば、つまり、国民が前向きにその負担をする覚悟をすれば、それは国民経済の活性化要因につながるでしょう。
 年金、医療、介護、それぞれに多くの問題を抱えています。しかし、共有すべき目標が示されず、ゼロサム経済の中で分捕り合戦になる現状は最悪です。