tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

10万円消費拡大運動:国民のやるケインズ政策

2009年12月16日 21時22分33秒 | 経済
10万円消費拡大運動:国民のやるケインズ政策
 国民自身がやるケインズ政策のほうが、政府に頼んでやるケインズ政策より今の日本には適しているといったことを「何故内需拡大が必要か 」で書きました。

 最近の政府部内のやり取りで、補正を1兆円増やすか1千億円にするかといった論議がありましたし、来年度の国債発行を44兆円以内「程度」にするなどといった論議が行われていますが、税収落ち込みのひどさを考えれば、政府予算の規模拡大は容易なことではないでしょう。

 この際政府は、「国民から金を借りて使うのには限度がある」と国民にはっきりと訴えて、その上で、「誰かが金を使わなければ景気はよくならないのですから、お金を持っている方は是非、政府に代わって使ってください。」と正直に頼んだらどうでしょうか。

 政府はいろいろなことを国民に頼んでいます。ゴミは分別しましょう、献血をしましょう、規制改革をしましょう、労働時間を短縮しましょう、有給休暇を取りましょう、自主防災を活性化しましょう、飲酒運転はやめましょう、・・・・・。日本人は真面目ですから多くの人は努力して協力します。

 それなら国民にもう1つ、大変大事なことをお願いしたらどうでしょうか。「来年は日本経済は大変な年ですが、政府にはカネがありません。これ以上皆さんから借金も出来ません。もし宜しければ、国民1人当たり平均で、年間10万円ほど政府に代わって使って下さい。」
「勿論無理にとはいいません。でも可能な方はそれ以上の支出をお願いします。目標は1人平均10万円、国民全体で12兆円の消費増加です。」
 真面目な日本人は、かなりの人が、「何とか協力しましょう。」というのではないでしょうか。

 国民の消費が12兆円(10万円×1億2000万人)増えると、500兆円のGDPが2.4パーセント増える(経済成長する)ことになります。波及効果を入れるともっと大きくなる可能性もあります。
 経済成長が2.4パーセント追加されれば、その分、雇用増や賃上げにも回すことが出来、日本経済が前向きの回転を始めるきっかけになります。

 国民のやるケインズ政策、政府に金を貸して政府が遣うのではなく、国民が直接遣うのです。12兆円は、国民の個人貯蓄1400兆円の1パーセント以下です。膨大な貯蓄のほんの一部をおろして使えばいいのです。2パーセントおろして使ったら、日本経済は大変な活性化になるでしょう。
 こんなことが出来るか出来ないかを考えるのも、「社会経済学 」の役割でしょうか。