米政府債務上限引き上げの意味
今日の午前中に、米国ではオバマ大統領が、米政府と民主、共和両党の合意が成立し、「10年間で1兆ドル規模の歳出削減を条件に、13年までに債務上限を少なくとも2.1兆ドル引き上げる権限を大統領に与えることになった」、と発表しました。その後更に1.5兆ドルの歳出削減も話し合うのだそうです。
米国の財政赤字は毎年ほぼ1兆ドルですから、これでオバマ大統領の任期中は何とか米国債のデフォルトは避けられたということで、アメリカ経済も世界経済も一安心、という筋書きになるのでしょうが、「茶会の反対で」などと言われたアメリカ議会のやり取りも、当面の(ボストン湾の)お茶を濁すだけの茶番のように見えて仕方ありません。
10年で1兆ドルの歳出削減では年に1千億ドルの削減ですから、順調にいっても、年々、9千億ドル、8千億ドルと赤字は積みあがっていきます。何かあれば(例えばリーマン・ショック)、それも不可能になるでしょう。
もともと誇り高いアメリカが、デフォルトなどは絶対に避けることは誰しも予測できたでしょうし、同時に、だからといって、本気になって、世界の大問題であるアメリカ経済の本格的な建て直しなどやる気はないことも見え見えですから、時間ぎりぎりで、当面の弥縫策に落ち着くことになるのだろうと誰もが読んでいたのではないしょうか。
世界経済に悪影響を与えずに、時間をかけてアメリカ経済を健全なものにするのが最善の道といった理屈はあるでしょう。しかし我が侭な大衆国家アメリカにそんな芸当が出来るとも思えません。今までの 赤字・借金生活(経済)の繰り返しで終わることは目に見えています。
「銀行がカネさえ貸してくれれば、ウチの会社は倒産しません」と胸を張る会社の社債の格付けがAAAであっても(米国債はまだAAA ですよね)、まともな経済行為としてその会社に金を貸す(米国債を購入する)人がいるでしょうか。
日本の国や銀行が米国債を買ってもいいかと国民に聞いたら、国民は多分「ダメ」というでしょう。円高で損ばかりしてきているのですから当然です。他にどこの国が買うでしょうか。アメリカ自体は経常赤字の国ですから、アメリカ国民には買うカネはありません。中央銀行引き受けなら、破滅を早めるだけです。
こんなことを繰り返しながら、アメリカが経済覇権国から、ドルが基軸通貨の座からずり落ちていくのでしょうか。世界経済史の進行の一幕が通り過ぎたような気がしています。
今日の午前中に、米国ではオバマ大統領が、米政府と民主、共和両党の合意が成立し、「10年間で1兆ドル規模の歳出削減を条件に、13年までに債務上限を少なくとも2.1兆ドル引き上げる権限を大統領に与えることになった」、と発表しました。その後更に1.5兆ドルの歳出削減も話し合うのだそうです。
米国の財政赤字は毎年ほぼ1兆ドルですから、これでオバマ大統領の任期中は何とか米国債のデフォルトは避けられたということで、アメリカ経済も世界経済も一安心、という筋書きになるのでしょうが、「茶会の反対で」などと言われたアメリカ議会のやり取りも、当面の(ボストン湾の)お茶を濁すだけの茶番のように見えて仕方ありません。
10年で1兆ドルの歳出削減では年に1千億ドルの削減ですから、順調にいっても、年々、9千億ドル、8千億ドルと赤字は積みあがっていきます。何かあれば(例えばリーマン・ショック)、それも不可能になるでしょう。
もともと誇り高いアメリカが、デフォルトなどは絶対に避けることは誰しも予測できたでしょうし、同時に、だからといって、本気になって、世界の大問題であるアメリカ経済の本格的な建て直しなどやる気はないことも見え見えですから、時間ぎりぎりで、当面の弥縫策に落ち着くことになるのだろうと誰もが読んでいたのではないしょうか。
世界経済に悪影響を与えずに、時間をかけてアメリカ経済を健全なものにするのが最善の道といった理屈はあるでしょう。しかし我が侭な大衆国家アメリカにそんな芸当が出来るとも思えません。今までの 赤字・借金生活(経済)の繰り返しで終わることは目に見えています。
「銀行がカネさえ貸してくれれば、ウチの会社は倒産しません」と胸を張る会社の社債の格付けがAAAであっても(米国債はまだAAA ですよね)、まともな経済行為としてその会社に金を貸す(米国債を購入する)人がいるでしょうか。
日本の国や銀行が米国債を買ってもいいかと国民に聞いたら、国民は多分「ダメ」というでしょう。円高で損ばかりしてきているのですから当然です。他にどこの国が買うでしょうか。アメリカ自体は経常赤字の国ですから、アメリカ国民には買うカネはありません。中央銀行引き受けなら、破滅を早めるだけです。
こんなことを繰り返しながら、アメリカが経済覇権国から、ドルが基軸通貨の座からずり落ちていくのでしょうか。世界経済史の進行の一幕が通り過ぎたような気がしています。