今朝、総務省統計局2025年1月の消費者物価指数が発表になりました。
わが国の消費者物価指数は昨年秋まで、それまでの混乱から収斂・安定の動きを見せてきましたが、その後が改めて物価不安定の時代に入ったようです。
日本経済の安定成長路線への復帰に大きな役割を果たす金融の正常化が今始まろうとしているところですが、日本銀行が、物価の動向に強い関心を持っていて、先行きをどう見るか、どう判断するか気になるところです。
先ず原指数の動きを見ますと下のグラフです。(資料:総務省「消費者物価指数」)
国際情勢で変化する原油価格などのエネルギー価格や異常気象に左右される生鮮食品の変動に左右される「総合」(青線)、この所の天候不順で値上がりしている生鮮食品は除かれていて、政府の発表に使われる「生鮮を除く総合」(赤線)の動きは 、昨年の10月を境に急騰といった状況です。
落ち着きを示してきていた「生鮮とエネを除く総合」(緑線)は日銀が見ている日本経済の基本的物価動向に近いと思われますが、これもコメの価格の暴騰で上向きです。
コメそのもののウエイトはあまり大きくないので動きは小さいいのですが、おにぎりや寿司、丼物やお弁当などに次第に影響が広がる可能性が心配されるところです。
米の値上がりはそろそろピークかと思われますし、野菜など生鮮食品の出荷も改善して来ているようなのですが、乱高下しているのがエネルリギー価格です。
勿論これは国際価格の影響で変動するのですが、政府が場当たり的な補助金や給付金で調整するので、これまでも指摘してきていますが、「出します」、「止めます」の 度にグラフがジグザグになって、本当の姿が解りません。
その意味では緑の線が、日本経済の基本的な動きの反映でしょうか。こめの暴騰もこれまでの所それ程の大きな影響になっていません。供給は十分で、消費は増えませんから、次第に安定に向かうでしょう。
こうした動きを、対前年同月の動きで見れば下のグラフです。(資料:上に同じ)
たまたま昨年10月、3本の線が2.3%上昇で1線に揃いましたが、その後が大変です。「総合」の上昇が4%に達するのは先ごろのインフレ状態のピ-ㇰに並びそうな上昇率です。
今後は、青線、赤線が緑線に収斂する動きのグラフを掲載出来ればと思っていますが、少し時間がかかりそうです。
今後、緑線が上がるとすれば、それは春闘の賃上げの状況で決まってくるのではないでしょうか。