今なぜ世界経済は不振なのか 4
今、ヨーロッパは、20パーセントほどのユーロ高で、(円高で失われた20年を経験した)日本の二の舞になるなと懸命な努力をしています。
ECBのマイナス金利政策も、何とかユーロ高を避けたいという願望の表れでしょうが、なかなかうまくはいきません。
IMFの予測によれば、今後数年、ユーロ圏の経常黒字は、GDPの2~2.5パーセントで推移、日本は2パーセントほどで推移、アメリカはマイナス3.5パーセント程度で推移ということになっています。
覇権国、基軸通貨国のアメリカが万年赤字であっても、IMFはギリシャやスペインに言ったように「黒字にしなさい」とは言わないようです。
私には何故だかわかりませんが、その結果は、「懐かしきブレトンウッヅ体制」などで繰り返し書かせて頂きました。
日本がオイルショックを克服して順調な経済発展を軌道に乗せれば円高で日本経済を潰す、ユーロ圏が健全な経済を取り戻せばユーロ高でデフレ化を強いるというのが今の変動相場制の帰結です。これでは世界経済の成長発展は望みようがありません。
その一方で、アメリカは「強いドルを望む」などと言いながら、現実にはドル安になり、経常赤字を世界中のカネでファイナンスして消費中心の繁栄を続けるという構図が見えてきます。
それを支えるのは為替変動を演出(操作?) する国際投機資本で、その理論的ベースは「金融工学」というマネー・テクニークということなのでしょう。
日本とて、IMFの予測のような経常黒字状態になれば、またいつ円高の陥穽に堕ちるか予断を許しません。
一国にとって為替レートというのは物理学における「メートル原器」のようなものです。メートル原器が時によって勝手に伸びたり縮んだりしたら、正確な計測や設計が出来ないのと同じように、為替レートが勝手に変動する中では、まともな経済計画などが出来る筈はありません。
今や巨大な資本力を有する多くの国際投機資本が、様々な思惑で、為替レート、株式市場、資源価格などの世界で、キャピタルゲインの極大化を求めて 跳梁跋扈する「マネー資本主義」こそが、今の世界経済の不振を生み出す「黒子」なのでしょう。
かつて、マネー資本主義は資本主義の産み落とした「鬼子」と書きましたが、その鬼子が黒子となって、資本主義を、そして世界経済を劣化させているようです。
今、ヨーロッパは、20パーセントほどのユーロ高で、(円高で失われた20年を経験した)日本の二の舞になるなと懸命な努力をしています。
ECBのマイナス金利政策も、何とかユーロ高を避けたいという願望の表れでしょうが、なかなかうまくはいきません。
IMFの予測によれば、今後数年、ユーロ圏の経常黒字は、GDPの2~2.5パーセントで推移、日本は2パーセントほどで推移、アメリカはマイナス3.5パーセント程度で推移ということになっています。
覇権国、基軸通貨国のアメリカが万年赤字であっても、IMFはギリシャやスペインに言ったように「黒字にしなさい」とは言わないようです。
私には何故だかわかりませんが、その結果は、「懐かしきブレトンウッヅ体制」などで繰り返し書かせて頂きました。
日本がオイルショックを克服して順調な経済発展を軌道に乗せれば円高で日本経済を潰す、ユーロ圏が健全な経済を取り戻せばユーロ高でデフレ化を強いるというのが今の変動相場制の帰結です。これでは世界経済の成長発展は望みようがありません。
その一方で、アメリカは「強いドルを望む」などと言いながら、現実にはドル安になり、経常赤字を世界中のカネでファイナンスして消費中心の繁栄を続けるという構図が見えてきます。
それを支えるのは為替変動を演出(操作?) する国際投機資本で、その理論的ベースは「金融工学」というマネー・テクニークということなのでしょう。
日本とて、IMFの予測のような経常黒字状態になれば、またいつ円高の陥穽に堕ちるか予断を許しません。
一国にとって為替レートというのは物理学における「メートル原器」のようなものです。メートル原器が時によって勝手に伸びたり縮んだりしたら、正確な計測や設計が出来ないのと同じように、為替レートが勝手に変動する中では、まともな経済計画などが出来る筈はありません。
今や巨大な資本力を有する多くの国際投機資本が、様々な思惑で、為替レート、株式市場、資源価格などの世界で、キャピタルゲインの極大化を求めて 跳梁跋扈する「マネー資本主義」こそが、今の世界経済の不振を生み出す「黒子」なのでしょう。
かつて、マネー資本主義は資本主義の産み落とした「鬼子」と書きましたが、その鬼子が黒子となって、資本主義を、そして世界経済を劣化させているようです。