トランプ大統領のアメリカ
大方の予想を裏切って、アメリカはトランプ氏を大統領に選びました。
正直言って、ほとんどの人が予想しなかった結果ではないでしょうか。私も「まさかそんな結果が現実に・・・」という感じです。
こうした情報の先読みに最も敏感なマネーマーケットのプレイヤーたちもトランプ大統領という選択は頭になかったのでしょう。昨日の市場は、円安、ダウ平均は、大幅ではありませんが(この辺に一抹の危惧はあったのでしょうか?)順調に値上がりでした。
しかし考えてみれば、私たちが情報を得ているのは、ほとんどマスコミからです。テレビでアメリカ問題の専門家の意見を見ても、最終的にはクリントン氏という事でした。
最近、本当のことは、専門家にも、なかなか解りにくくなっているようです。イギリスのEU離脱の国民投票の時も、まさに予想を裏切るどんでん返しでしたが、こうした世論の読み違いが起こりやすい世の中になっているようです。
こうした報道に携わるマスコミ人、解説をする評論家たちは、いわばエスタブリッシュメントの中の人間でしょう。そして、従来のエスタブリッシュ支配が、いつの間にか足元で崩れてきていて、それが未だ良く理解されていないからではないでしょうか。
アメリカで言えば、「個人の力で頑張れる国」「頑張ればアメリカンドリームも実現できる国」というのが現実であり、誇りだったのでしょう。
しかし現実は、国際競争力は落ち、その弱体化をカバーしようとして主導したマネー資本主義は異常な格差社会を作り出し、どん底から這い上がれない所謂「プア―ホワイト」、夢の実現にアメリカを目指した多くの移民(不法を含む)も多くは「アメリカンドリーム」からは遠くなってしまったアメリカを実感することになったのではないでしょうか。
アメリカの製造業が世界を制覇していた時期は現場のブルーカラーでも豊かな暮らしができたのでしょう。デトロイトの没落に象徴されるようなアメリカ製造業の衰退は、エリート支配のマネー資本主義とともに、アメリカの中間層を没落させ、深刻な格差社会を作り出したようです。
エスタブリッシュ内の人々の気付かない内に、アメリカ社会の中には、絶望感と被害者意識が広範に蓄積されていったようです。
この被害者意識を掬い取ったのがトランプ氏の戦略だってのではないでしょうか。
多くのアメリカ人が、ラストベルト(錆びついた工業地帯)では、「日本の自動車が我々の職場を奪った」というトランプ氏に共鳴し、南部では「不法移民が我々の雇用の場を奪うから壁を作る」といった発言に感激するのは、やり場のない被害者意識のせめてもの表出で、それが投票行動で具体化するといった構図が見えるように思われます。
アメリカ社会は明らかに変わってきているようです。アメリカンマジックはもう通用しない、アメリカはすでに普通の国になっていまっているのです。覇権国を標榜しても足元が崩れてきているのではないでしょうか。
「大国の興亡」を地で行くシーンをわれわれは見ているのでしょう。
1971年のニクソンショックはその序章でした。今回の選挙結果は第1幕の始まりでしょうか。世界はこれから徐々に変わらざるを得ないでしょう。
トランプ氏の勝利宣言の演説は、ビックリするほどまともなものでした。おそらく、これが大統領になってからのトランプ氏の態度を示すものなのでしょう。
しかし、トランプ大統領になって、さて、いかなる国造りをするのでしょうか。
大方の予想を裏切って、アメリカはトランプ氏を大統領に選びました。
正直言って、ほとんどの人が予想しなかった結果ではないでしょうか。私も「まさかそんな結果が現実に・・・」という感じです。
こうした情報の先読みに最も敏感なマネーマーケットのプレイヤーたちもトランプ大統領という選択は頭になかったのでしょう。昨日の市場は、円安、ダウ平均は、大幅ではありませんが(この辺に一抹の危惧はあったのでしょうか?)順調に値上がりでした。
しかし考えてみれば、私たちが情報を得ているのは、ほとんどマスコミからです。テレビでアメリカ問題の専門家の意見を見ても、最終的にはクリントン氏という事でした。
最近、本当のことは、専門家にも、なかなか解りにくくなっているようです。イギリスのEU離脱の国民投票の時も、まさに予想を裏切るどんでん返しでしたが、こうした世論の読み違いが起こりやすい世の中になっているようです。
こうした報道に携わるマスコミ人、解説をする評論家たちは、いわばエスタブリッシュメントの中の人間でしょう。そして、従来のエスタブリッシュ支配が、いつの間にか足元で崩れてきていて、それが未だ良く理解されていないからではないでしょうか。
アメリカで言えば、「個人の力で頑張れる国」「頑張ればアメリカンドリームも実現できる国」というのが現実であり、誇りだったのでしょう。
しかし現実は、国際競争力は落ち、その弱体化をカバーしようとして主導したマネー資本主義は異常な格差社会を作り出し、どん底から這い上がれない所謂「プア―ホワイト」、夢の実現にアメリカを目指した多くの移民(不法を含む)も多くは「アメリカンドリーム」からは遠くなってしまったアメリカを実感することになったのではないでしょうか。
アメリカの製造業が世界を制覇していた時期は現場のブルーカラーでも豊かな暮らしができたのでしょう。デトロイトの没落に象徴されるようなアメリカ製造業の衰退は、エリート支配のマネー資本主義とともに、アメリカの中間層を没落させ、深刻な格差社会を作り出したようです。
エスタブリッシュ内の人々の気付かない内に、アメリカ社会の中には、絶望感と被害者意識が広範に蓄積されていったようです。
この被害者意識を掬い取ったのがトランプ氏の戦略だってのではないでしょうか。
多くのアメリカ人が、ラストベルト(錆びついた工業地帯)では、「日本の自動車が我々の職場を奪った」というトランプ氏に共鳴し、南部では「不法移民が我々の雇用の場を奪うから壁を作る」といった発言に感激するのは、やり場のない被害者意識のせめてもの表出で、それが投票行動で具体化するといった構図が見えるように思われます。
アメリカ社会は明らかに変わってきているようです。アメリカンマジックはもう通用しない、アメリカはすでに普通の国になっていまっているのです。覇権国を標榜しても足元が崩れてきているのではないでしょうか。
「大国の興亡」を地で行くシーンをわれわれは見ているのでしょう。
1971年のニクソンショックはその序章でした。今回の選挙結果は第1幕の始まりでしょうか。世界はこれから徐々に変わらざるを得ないでしょう。
トランプ氏の勝利宣言の演説は、ビックリするほどまともなものでした。おそらく、これが大統領になってからのトランプ氏の態度を示すものなのでしょう。
しかし、トランプ大統領になって、さて、いかなる国造りをするのでしょうか。