tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

CNF(セルローズ ナノ ファイバー)に期待

2016年11月04日 17時23分11秒 | 科学技術
CNF(セルローズ ナノ ファイバー)に期待
 ご専門の方には旧聞に属するのかもしれませんが、日本では製紙企業を中心にCNF(セルローズ ナノ ファイバー)の実用化が、世界に先駆けて進められているようです。

 木質の繊維をナノレベルまで分解することを可能にした東大の磯貝教授らの技術をベースに、それを素材として活用して、まさにマジックのように、多様な可能性が広がり始めているようです。

 CNF(セルローズ ナノ ファイバー)は、ガラスのように透明で、弾力性もあり、強度は鉄の5倍、重さは鉄の5分の1といわれます、これだけでも驚きですが、添加剤にすれば、消臭機能や粘度の向上が可能になり、日用品であれば紙おむつ、ソフトクリームの形を保つなどといったことから始まり、ゴム製品やプラスチックの性能向上、薄膜ガラスの代替などなど多様な開発が進み、すでにすでに実証生産設備が稼働、製品の供給も始まっているようです。

 まだ価格は炭素繊維より高い状態のようですが、量産効果や技術開発で、価格も急速に下がるでしょう。
 いずれにしても植物由来ですから、環境問題の解決には、まさにうってつけで、自動車の軽量化などに本格的に活用されるようになれば、活用の可能性は無限に広がっていくのではないでしょうか。

 もともと日本初の技術が核心になっており、実用化のついても日本が世界に先駆けている状態のようです。

 偶々今日は地球温暖化問題に対するパリ協定の発効の日で、この協定に後ろ向きの日本に対してはマスコミも強く批判的です。

 こうした問題に前向きに対応していくためにも、大きな可能性を一つ提供しているのがCNF(セルローズ ナノ ファイバー)ではないでしょうか。
 世界に先駆けた日本企業の一層の活動を期待したいものです。