tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

広島サミット、核問題は重要、しかしその前に

2023年05月18日 15時20分20秒 | 国際関係
広島サミットが目前です。
世界で最初に原爆が投下された都市、広島でサミットが行われることは画期的なことでしょう。

G7の首脳が広島の平和公園に集まるのです。かつて、そこに原爆を投下した国アメリカのオバマ大統領が訪れ、原爆平和資料館を見ました。
今回は改めてG7の首脳に見てほしいというのは日本人共通の意識でしょう。

しかも、岸田総理は広島出身という事で、かつてG8外相を広島に迎えた人です。今回はG7首脳ですから、核廃絶を願う人類の輿望を担って、原爆の悲惨さの記録を直接目にしてもらう事は大きな意味を持つでしょう。

こうした日本の願いが、曲折を経て実現となるようで、その意義を大いに評価し、その今後の国際関係への効果を期待しいところです。

そうした中で、海外からの意見としては、唯一の被爆国である日本が、広島G7サミットへの努力も積み重ねながら、何故核禁条約に参加しないかという疑問があるようです。
日本にしてみれば、核の傘で、アメリカに世話になりながら、核禁条約に参加するのは矛盾だという意識があるのでしょうか。

然し当面する現実はさておき、人類の理想としての核禁条約には核を持つすべての国が入って欲しいという願いを込めて被爆国の悲願として参加するといった意思決定はないのでしょうか。

こうした理想を追う態度と共に、現実を考えてみれば、何の紛争もない所に突然原爆戦争が起きるというものでもないでしょう。

今のロシアのウクライナ侵攻の問題でも、多くの人が懸念するのは、プーチンが思うようにいかなくなり、自暴自棄的な瞬間が来るのが最も恐ろしいなどと言われるように、通常兵器による戦争が行き詰まった時の核使用でしょう。

そういう意味で考えれば、核戦争を起こさないためには、先ず通常兵器による戦争をしないという事が最も重要なのでしょう。

ところでいま日本は、通常兵器による戦争に備えて、巨大な予算を積み上げ、「防衛力の格段の強化」を図っています。

特に「反撃能力」が問題になっていますが、反撃の応酬が、戦争を激化させることは、過去の戦争で人類は十分に承知しているはずです。

考えてみれば、世界唯一の被爆国であり、その悲惨な経験から戦争の放棄を憲法に掲げる日本が、核禁止条約に参加せず、通常兵器による戦争については無理を重ねる予算捻出で重装備の準備をしようというのですから、何か、何処かおかしい、日本は変わるのか、と外国から見られても当然なのではないでしょうか。

勿論外国と言わずとも、日本国内でも、まともに考えれば、いま日本がやっている事は理解不可能と考える人も少なくないでしょう。

これからの世界、何が起きるか解りませんが、本当に国民の生命と財産を守るためには何が必要か、行きがかりに捉われずに本筋を確り考える必要があるのではないでしょうか。