日本は、アメリカ中国に次いで、世界第3位の経済大国ということになっていますが、IMF(国際通貨基金)の予測では、今年(暦年)ドイツに抜かれ第4位になるようです。それからまた2-3年でインドに抜かれ第5位に転落するとの予測もあるようです。
こう予測されて、「多分そうなるんだろうな」と納得するか、「抜かれないように頑張ろうじゃないか」と考えるかですが、今に日本人にはどちらが多いのでしょうか。
このブログは、後者の考え方で、本気でやれば出来るのだから、やっぱり頑張ってやりましょう!という立場です。
という事になりますが、問題は、原因の究明と、取るべき方策の方法論です。
この問題は、経済学的に見ても、経済活性化に責任を持つ政府、日銀、経済団体、労働組合(連合)一部の個別企業や経済学者、経済評論家などに細部は別として、ほぼ共有されているという状況になって来ている様に思います。
答えは「日本の賃金水準の上昇」です。
確かに理解は進んできているのですが、その根拠の把握や対策の説明が未だ不明確なために、着実な成功は難しいように思われます。
問題は、第一に、必要な賃金水準の上昇の程度、第二に、30年来の不況の中で歪んでしまった雇用・賃金構造の是正(格差縮小の視点から)についての認識、この2つについての感覚が長年の無策で鈍磨されてしまっているという事でしょう。
この2つをどう考えるかという点で誤ると、結果はアベノミクス以来の10年の失敗の繰り返しになってしまうのですが、来春闘に向けての関係プレイヤーの発言を聞いていますと、これでは失敗の繰り返しの恐れが大きいように思うのです。
先ず水準については連合の要求ですら5%以上と今年の要求に「以上」がついただけですし、経団連会長は「ベアが有力な選択肢」と的確に位置付けていますが、数字としては4%以上(春闘賃上げ率、ベアではない)という発言もあるようで残念です。
岸田総理は、昨日の政労使会議で、「今年以上の賃上げ」というにとどまっていたようですし、日銀は、立場上待ちの姿勢です。
個別企業では既に7%という発言も聞かれますが、その程度に賃上げは出も来るところも多いでしょう。といっても一部優良企業に限られます。
一方物価は、政府のエネルギー関係の補助金で1%ポイント余2月から下げられていますが、これは来年4月まで。消費者物価のコアコア指数は上がり続け、特に食料・飲料、必需品は10%前後の上昇です。
昨年以上の賃上げでも、物価も昨年以上に上っていますから、これでは結果は、おそらく今春闘の結果と変わらない事になるのではないかと惧れます。
第二の問題、雇用・賃金構造は、非正規従業員40%という問題です。これは円高不況の時、賃金より雇用という意味で緊急避難的に発生した問題です。円高が是正された2013-4年に非正規の正規化、雇用構造の復元が為されるべきものが、今日まで持越されている問題で、所得格差、貧困家庭問題の元凶でもあります。
手抜きされた教育訓練も含めてかなりのコストがかかる問題ですが、経営側の喫緊の課題でしょう。
「今年以上の賃上げ」といっても資源輸入国日本では、円安で物価はじりじりと上昇する可能性が高いでしょう。
消費者物価は円安でインバウンドの盛況もあり、順調に下がらない可能性もあります。その中で、日本の賃金水準は国際的に見れば円安分だけ下がっているのです。
輸出関連企業は円安で労せずに差益が入り、輸入関連企業には政府の補助金が出ます。しかし雇用労働者については、物価上昇を「下回る」賃金上昇だけです。(実質賃金の長期的低下状況が示しています)
これがこの10年程、円安の実現に関わらず、円建ての実質賃金すら上がらず、個人消費の低迷で日本経済が成長しない理由だと実感していただけるのではないでしょうか。
さてどうするかですが、長くなるので次回にします。
こう予測されて、「多分そうなるんだろうな」と納得するか、「抜かれないように頑張ろうじゃないか」と考えるかですが、今に日本人にはどちらが多いのでしょうか。
このブログは、後者の考え方で、本気でやれば出来るのだから、やっぱり頑張ってやりましょう!という立場です。
という事になりますが、問題は、原因の究明と、取るべき方策の方法論です。
この問題は、経済学的に見ても、経済活性化に責任を持つ政府、日銀、経済団体、労働組合(連合)一部の個別企業や経済学者、経済評論家などに細部は別として、ほぼ共有されているという状況になって来ている様に思います。
答えは「日本の賃金水準の上昇」です。
確かに理解は進んできているのですが、その根拠の把握や対策の説明が未だ不明確なために、着実な成功は難しいように思われます。
問題は、第一に、必要な賃金水準の上昇の程度、第二に、30年来の不況の中で歪んでしまった雇用・賃金構造の是正(格差縮小の視点から)についての認識、この2つについての感覚が長年の無策で鈍磨されてしまっているという事でしょう。
この2つをどう考えるかという点で誤ると、結果はアベノミクス以来の10年の失敗の繰り返しになってしまうのですが、来春闘に向けての関係プレイヤーの発言を聞いていますと、これでは失敗の繰り返しの恐れが大きいように思うのです。
先ず水準については連合の要求ですら5%以上と今年の要求に「以上」がついただけですし、経団連会長は「ベアが有力な選択肢」と的確に位置付けていますが、数字としては4%以上(春闘賃上げ率、ベアではない)という発言もあるようで残念です。
岸田総理は、昨日の政労使会議で、「今年以上の賃上げ」というにとどまっていたようですし、日銀は、立場上待ちの姿勢です。
個別企業では既に7%という発言も聞かれますが、その程度に賃上げは出も来るところも多いでしょう。といっても一部優良企業に限られます。
一方物価は、政府のエネルギー関係の補助金で1%ポイント余2月から下げられていますが、これは来年4月まで。消費者物価のコアコア指数は上がり続け、特に食料・飲料、必需品は10%前後の上昇です。
昨年以上の賃上げでも、物価も昨年以上に上っていますから、これでは結果は、おそらく今春闘の結果と変わらない事になるのではないかと惧れます。
第二の問題、雇用・賃金構造は、非正規従業員40%という問題です。これは円高不況の時、賃金より雇用という意味で緊急避難的に発生した問題です。円高が是正された2013-4年に非正規の正規化、雇用構造の復元が為されるべきものが、今日まで持越されている問題で、所得格差、貧困家庭問題の元凶でもあります。
手抜きされた教育訓練も含めてかなりのコストがかかる問題ですが、経営側の喫緊の課題でしょう。
「今年以上の賃上げ」といっても資源輸入国日本では、円安で物価はじりじりと上昇する可能性が高いでしょう。
消費者物価は円安でインバウンドの盛況もあり、順調に下がらない可能性もあります。その中で、日本の賃金水準は国際的に見れば円安分だけ下がっているのです。
輸出関連企業は円安で労せずに差益が入り、輸入関連企業には政府の補助金が出ます。しかし雇用労働者については、物価上昇を「下回る」賃金上昇だけです。(実質賃金の長期的低下状況が示しています)
これがこの10年程、円安の実現に関わらず、円建ての実質賃金すら上がらず、個人消費の低迷で日本経済が成長しない理由だと実感していただけるのではないでしょうか。
さてどうするかですが、長くなるので次回にします。