今朝、総務省統計局から10月分の消費者物価指数が発表になりました。
物価上昇の動きは収まりそうにない数字が出ていますが、客観情勢から見れば、そろそろピークを向かうのではないかと思われる要素もあるように思います。
下のグラフを見て頂きますと、まず注目しなければならないのは所謂コアコア指数(生鮮食料とエネルギーを除く総合)の動きです。
消費者物価3指数の推移(原指数)
資料:総務省統計局「消費者物価指数」
10月は、3指数とも騰勢を強めています。エネルギー関係の補助金が半分になったことも影響していると思いますし、それに10月から4千数百品目の一斉値上げが行われたことも影響していると思います。
特筆すべきは、天候にも、エネルギー価格にも影響されない国内消費物資の緑の線が、2021春以来初めて赤い線(生鮮食品を除く総合)を抜いて青い「総合」の線に近づいて来た事です。
この緑の線は、コアコア指数と呼ばれ、国内発のインフレで、FRBも日銀も特に注目しているものです。
このコアコア指数は国内の消費不振、そしてコロナ禍の中でかつては値上げが出来ず、じっと我慢していた指数で、今年に入ってようやく値上げできる環境になり、急速に青、赤の線に追いつく態勢に入った調理食品、加工食品、飲料、外食、宿泊料、トイレットペーパーなどの生活必需品が中心です。
このコアコア指数こそが、昨年末から消費者・家計を悩ましていた物価上昇の主様な原因なのです。
昨年までの値上げ出来なかった分を取り戻そうと、年率10%を超える値上げをしてきましたが、そろそろ全体のレベルに追い付くことになりました。
という事は、これからはコアコアだけが急角度の上昇という事態は収まるのではないかと予想されます。
現に、上記のような品目でも、急激な価格上昇が買い控えを招き、最近、値上げした一方で、纏め買い・特売・ネット販売値引きなどの動きがみられます。
この辺りは対前年同月上昇率の下のグラフで見ると、もう少しはっきりします。
消費者物価3指数の対前年同月比上昇率(%)の推移
資料:上に同じ
今年の2月から総合や、生鮮食品・エネルギーを除く総合の上昇率は3%程度の横這いになって来ていますが、緑のコアコア指数が独歩高の上昇になっています。そして、10月は(最後の=そう願いたい!)諸企業の一斉値上げで、対前年10月比5%という大幅上昇になっています。(注):政府発表の数字では4%となっています)
世界的に見ても、エネルギー価格も落ち着き、アメリカ、ヨーロッパのインフレも収まる方向で、更には、輸入価格を押し上げた円安もこれからは円高かと言われる状況です。
賃上げしても物価上昇で実質賃金はマイナス続きと言われたこの1年半のコアコア指数の大幅上昇.が終局を迎えれば、国民生活にも、政府の経済運営にも、日銀の金利政策にも良い影響が出て来るのではないでしょうか。
11月以降の消費者物価指数の動きから目が離せないところです。
・・・・・・・・・・・・・・・・
(注)総務省統計局発表の「報道資料」では、原指数の「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」の2023年10月の対前年同月比は4.0%となっていますが、同じ表の原指数から計算しますと5.0%になりますので、上のグラフでは5.0%を取りました。
2022年10月の原指数(グラフに入れてあります)と今年の10月の原指数と割り算をしてみた結果です。この違いについて、総務省統計局の担当に問い合わせてみましたが、明確な答えは得られませんでした。
物価上昇の動きは収まりそうにない数字が出ていますが、客観情勢から見れば、そろそろピークを向かうのではないかと思われる要素もあるように思います。
下のグラフを見て頂きますと、まず注目しなければならないのは所謂コアコア指数(生鮮食料とエネルギーを除く総合)の動きです。
消費者物価3指数の推移(原指数)
資料:総務省統計局「消費者物価指数」
10月は、3指数とも騰勢を強めています。エネルギー関係の補助金が半分になったことも影響していると思いますし、それに10月から4千数百品目の一斉値上げが行われたことも影響していると思います。
特筆すべきは、天候にも、エネルギー価格にも影響されない国内消費物資の緑の線が、2021春以来初めて赤い線(生鮮食品を除く総合)を抜いて青い「総合」の線に近づいて来た事です。
この緑の線は、コアコア指数と呼ばれ、国内発のインフレで、FRBも日銀も特に注目しているものです。
このコアコア指数は国内の消費不振、そしてコロナ禍の中でかつては値上げが出来ず、じっと我慢していた指数で、今年に入ってようやく値上げできる環境になり、急速に青、赤の線に追いつく態勢に入った調理食品、加工食品、飲料、外食、宿泊料、トイレットペーパーなどの生活必需品が中心です。
このコアコア指数こそが、昨年末から消費者・家計を悩ましていた物価上昇の主様な原因なのです。
昨年までの値上げ出来なかった分を取り戻そうと、年率10%を超える値上げをしてきましたが、そろそろ全体のレベルに追い付くことになりました。
という事は、これからはコアコアだけが急角度の上昇という事態は収まるのではないかと予想されます。
現に、上記のような品目でも、急激な価格上昇が買い控えを招き、最近、値上げした一方で、纏め買い・特売・ネット販売値引きなどの動きがみられます。
この辺りは対前年同月上昇率の下のグラフで見ると、もう少しはっきりします。
消費者物価3指数の対前年同月比上昇率(%)の推移
資料:上に同じ
今年の2月から総合や、生鮮食品・エネルギーを除く総合の上昇率は3%程度の横這いになって来ていますが、緑のコアコア指数が独歩高の上昇になっています。そして、10月は(最後の=そう願いたい!)諸企業の一斉値上げで、対前年10月比5%という大幅上昇になっています。(注):政府発表の数字では4%となっています)
世界的に見ても、エネルギー価格も落ち着き、アメリカ、ヨーロッパのインフレも収まる方向で、更には、輸入価格を押し上げた円安もこれからは円高かと言われる状況です。
賃上げしても物価上昇で実質賃金はマイナス続きと言われたこの1年半のコアコア指数の大幅上昇.が終局を迎えれば、国民生活にも、政府の経済運営にも、日銀の金利政策にも良い影響が出て来るのではないでしょうか。
11月以降の消費者物価指数の動きから目が離せないところです。
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(注)総務省統計局発表の「報道資料」では、原指数の「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」の2023年10月の対前年同月比は4.0%となっていますが、同じ表の原指数から計算しますと5.0%になりますので、上のグラフでは5.0%を取りました。
2022年10月の原指数(グラフに入れてあります)と今年の10月の原指数と割り算をしてみた結果です。この違いについて、総務省統計局の担当に問い合わせてみましたが、明確な答えは得られませんでした。