先日の大学対抗&U25マッチレースにトリマーとして参加してきました、新3年の青木です。前回はチームの総括だったので、自分について書いてみました。
詳しいレースの展開とその反省も今回はお試しでブログに載せてみましたが、本当に暇な人以外は読まなくても大丈夫です笑。
さて、今回は自分自身二回目のJ24キャンペーンであり、トリマーとしての力を高めつつ、前3人の動作にも理解を深めることを目標としました。また、マッチレースということで、ルールにより成熟し、スタート前のハンドリング力とレース中のタクティカルな部分に磨きをかけられるのではないかという期待のもと活動していました。
マッチは緊張感と闘争心が最高に掻き立てられ、負けて悔しく勝って爽快な、本当に楽しいものでした。技術とルールで相手よりいい位置をキープし、相手より速く走り、相手より早くフィニッシュする…。ハンドリングや動作や走りにあれほど集中したことはないと思います。当然、普段のフリートレースでも最高の集中を見せろよって話ですが、あの環境において、まだまだセーリングに集中出来る自分を発見出来たのは最大の収穫かもしれません。また、ルールやタクティクスに対する姿勢も大きく変わりました。この意識を持って臨むこれからのディンギーの練習が楽しみで仕方ありません!自分がクルーザーにかかりきりになることでディンギーチームにも負担をかけてきたので、これから還元していこうと思います。
第一線で活躍するセーラーと触れ合い、自分が残された時間であとどれほど成長出来るのか、その為に何をすべきか、そして大学卒業後セーリングとどう関わっていくのか、漠然と見えてきて、本当に今ワクワクしています。
ただ、結果は不本意な7位。もっとやれたというのが正直な感想です。足りないところはやはりたくさんあって、そこはこれから磨いていく部分だと思いますが、悔やまれる判断ミスがいくつもあります。結局のところ、相手や風や潮や時間など様々な要素が変化していく状況で行う判断の連続の中で、間違った判断をした艇が勝手に負けていくスポーツだと思いますし、攻める海面選びから少しジブをいじることまで様々なスケールでの差が勝敗を分けるのだと痛感しました。勝てたレースはたくさんありますし、逆に相手がしっかりしていれば負けていたレースも多くありました。
気づけば大学生活も折り返し地点です。自分はこれまで多くのレースに出る機会にめぐまれ、艇種やポジションも様々に経験してきました。少しずつですが、正しい判断ができるようになってきたのを感じています。しかしまだ全然足りなくて負ける悔しさもあります。そろそろレースで勝って結果を出したい。一つ一つの勝ち負けは自分にとって全然些細な事ではなくて、勝つために練習しています。自分たちは上級生が少なくて、一年でちゃんとレース出来るだけでもすごいとか、2年ペアでこの結果はすごいとか言われてしまいがちな環境ではありますが、負けることには絶対慣れたくなくて、入部当初から変わらない、自分を取り巻く人たちの応援と期待に応え、自分自身も自信を持ちたいという、焦りと苛立ちがあることは否定できません。幸い、同期も後輩も人数が多く頼もしいので、この恵まれた環境に感謝しつつ、頑張っていこうと思います。
最後になりますが、様々な形でサポートしてくださったLBの皆様、大会を運営した皆様、メンバーに選び信頼してくれた松山、本当にありがとうございました!
siestaチームの方の解説が入った実況
http://www.ustream.tv/recorded/59866331
以下はレースの反省です。全部振り返ったら相当長い。果たして最後まで読む人はいるのだろうか。。。笑
DAY1 微風
VS 慶応 勝ち
相手がJ24やマッチに順応する前。
スタボエントリーした東大。ライン中央でダイヤルアップし、タックコンプリートせずに止まっていた相手にスタボポートでY旗をあげ、相手に1ペナ。その後下から突き上げて再び止まり合い、上下でY旗。2ペナたまった相手はそれ以上近づいてこなかったので、トップスピードでラインを切ることに集中し、下よりでスタート。上から出てペナルティを解消している慶応に対して大きくリードするが、思った以上にセパレートしてしまい、右振れ&右からのブローで追いつかれそうになる。上マークのリードをダウンレグで少し広げ、2上ではしつこくカバー。そのあとは危なげなくそのままリードしてフィニッシュ。
VS 月光ボーイズ 負け
当日までにたくさん指導してくださった市川さんとの念願の一戦。
今レース最も風が弱かったコンディションの中ポートエントリー。ハンドリング力が違いすぎて、船を止めてしまいがちな東大に対し常に動き続ける月光に翻弄される。2艇は本船より右へ。途中一瞬離れた隙に、なりふり構わずラインの一番下からオンタイムで出るチャンスがかろうじてあったが、本船より下の、デッドラインより上側で船を止めてしまい、はじかれて相手だけスタート。その後もスピードで敵わず、負け。負けたあとすぐアドバイスを聞きに行ったところ、快く指導してくれた市川さんに感謝。
VS 関西連合 負け
侍とラグビー部率いる関西弁チーム。展開はあんまり覚えていません。すいません。
負けた反省としては、ラップの状態やラインとの関係などがより分かるバウマンに、もっとスタート時の主導権を任せればよかったかなと。フィッシュテール時に(こっちが追う側)相手のスターンに上からぶつけてしまい、1ペナをもったままスタートしたこと、さらに加速のタイミングがバウマンと後ろ二人で食い違っていて、出遅れてスタートしたことが全体に響いたように思う。あと、微風時にクローズやランでゴリゴリ差を埋められるような力が、俺と松山にはない。
DAY2 中風~順風
VS 明治学院 勝ち
三崎仲間との一戦。スキッパーの方がいかつすぎ。
スタボエントリーした東大は、慶應と同じような形で、タックコンプリートせずコントロールを失った相手に対しスタボポートで1ペナを与える。その後本船の右、上のほうで再び上しあい。相手に追われる形で早めにラインへと戻り、とにかく弾かれないようにデッドラインより下でのぼして時間を潰す。下に入った相手とのルームも確保し、十分な加速で相手より右でスタート。その後のクローズ、ランでは相手よりも早く、突き放す。2上でジブのタックのシャックルが壊れるアクシデントに見舞われるも、割と余裕でフィニッシュ。
VS えのちば同盟 負け
小網代で何度も一緒に練習した一番仲の良いチームとの負けられない一戦。
東大はポートエントリー。ブローをつかみジャスト気味でエントリーした勢いでスタボのえのちばをかわし、右へ。この時点ではまだどちらから出るか決めておらず、グランドバンクスの周りをサークリングしながら様子を見ることに。二週目くらいで追いかけてきたえのちばに下でコントロールポジションをキープされ、本船のちょい下で上に向け止める。向こうが止まりすぎている間にグランドバンクス側にベアして体勢を立て直す。相手が追いかけてきて再びグランドバンクスをサークリングするも、相手とは少し離れ、自分のタイミングでラインへと向かう。この時は、相手を追い出すことは難しいと判断し、とにかく相手の右側で出ることを考えた。最後ラインに向かうラフをした時点で、相手を牽制しながらベア気味で向かうべきところを上に向けすぎ、下にぴったりと入られる。デッドラインの下側で競り合ったため追い出されることはないにしても、自分のタイミングでベアして出て行ったえのちばが先行してスタート。この時相手と同時にベアしていけばそんなにロスにならなかったところを、クルーたちとの意思疎通の関係で機敏に反応できなかった点は反省。その後のクローズでスピード差によりその差は広がってしまい、一上の時点でほぼ負けが確定。そつなくこちらをカバーしてくるえのちばがそのまま先にフィニッシュ。
VS 九州大 負け
最も悔しかった、僕たちの命運を分けた一戦。
追って追われて、どちらにペナルティがつくわけではなく、スタート前50秒くらいでライン上のアウター側で下から追われる展開となった東大が上に向けて止まり、上手くバックして振り切りポートスタート。九州大に1艇身くらいのリード。海面は全体的に風が入りスタボロング。スタート時に相手はスタボで、セパレートしてしまい相手を捕まえきれず、上マークは相手が5秒くらい早く回航。ダウンレグは上手く相手をブランケにいれ、内側に食い込んでラップを取り、ルームを得る。下回航ではこちらのスターンに相手のバウがぶつかり、ノールームを主張して相手に1ペナ。ジブシートとジブハリが干渉して走り出しが遅れるも、そこまでロスにならずルーズカバー。ここでスピンポールのパロットビークの破損に気づき、ポールが使えないことが分かる。上マーク付近でスタボの九州大と再びミートし、こちらを巻き込んでペナルティを解消しようとする相手を振り切り先に上を回航。相手に1ペナがあることや救済云々をいろいろ勘違いしていた自分を中心にスピンを張らない選択をしてしまい、追いつかれた相手に下から突き上げられこちらにペナルティ。相殺のはずなのに焦ってこちらは一回転。勝負あり。
マンポールでスピン張ればそれだけで余裕で勝てたのに、自分が負けに導いてしまった。
VS 金沢大 負け
これも悔しさ残る一戦です。
スタート直前に相手を振り切り、相手よりかなり右でスタート。風は右からはいってきていたので、プラン通り順調。返してきた相手に合わせてタックしそのままスタボのレイラインへ。先行して回るも、ダウンレグで上下でやられ、こちら側に1ペナ。正しいタイミングでジャイブした我々が4艇身くらい差をつけて回航。こちらのほうがスピードで優っていたため相手を突き放してから解消しようと考えていたが、ここでジブのタックの固定が破損(本日二回目)。バウマンが手で持っている状況でまともに走れず、差が縮まったため、上マーク付近で相手を巻き込んで解消しようとするも、かわされて先行される。ダウンレグで追いつけず、負け。
VS 早稲田 勝ち
逆に、正しい選択をしてしっかりと勝ったパターン。
グランドバンクスをぐるぐるしたあと、本船近くで上手く相手を下から突き上げ、相手に1ペナ。ラインギリギリで止まっていたため上手く加速できず、相手に少しリードされてスタート。相手に離されることなくついて行き、少し遅れて上を回航。スタート前から大きく左に傾いていた風はそのままで、ダウンレグはスタボロング。早めにジャイブし、練習してきたリーチング気味の走りで、上手くスピンがはれない早稲田を抜かす。下回航後はタイト気味にカバーして抜かされることなく、安定した動作と走りでそのまま逃げ切り。
DAY3 (初日より)微風
VS TOKAI Match Racing 負け
何故かほとんど覚えていません。
スタート直後に上し殺してタックさせたものの、風は右から入ってきていてそれに乗った相手に走り負け、そのまま負け(?)
スタート前から海面が右有利なことは分かっていたので、自分が下でスタートするなら完全にスタートで殺すか、そうでなければ最初から相手より右ででるべきだったと思う。
VS OSailing 勝ち
吉田工作率いるチーム。事前に一緒にカラオケした仲間。
微風の中で、船を止めすぎないことに気を付け、また色々なチームと自艇を比較してクローズを劇的に改善させたことが吉となった。スタート前に上下で相手に1ペナを与え、その後リコールした相手に大きくリードしてスタート。苦手なクローズが改善されたので、その後は危なげなく走り切り、一回も抜かれることなくフィニッシュ。勝てて良かった。
VS 和歌山大 勝ち
ノックアウトに進めなかったため、最後のレース。
ポートエントリーした東大は和歌山をかわし、ダイヤルアップすることなく右へ。その後サークリングをするも、こちらのクルーの秒読みが一分ずれていてプランはめちゃくちゃに。その後体勢を立て直せずリコールしラインに一度戻りスタボでスタート。ポートスタートした和歌山とセパレートするが、左に入っていたブローでこちらが伸びたのでそのまま走る。しかし、右から安定して入ってくる風に対して左のブローは良かったものの長く続かず、左に残りすぎた東大は上マークで和歌山に5艇身程のリードを許す。下マークでややそそ差を詰め、2上では即タックしてひたすら右へ。カバーしてこないで風のない左に行った和歌山との差を挽回し、上マークを先に回る。内側にはいられ先にジャイブされるも、下突破してフィニッシュ。
スタート前と1上でセパレートしたことが反省。2上でちゃんとカバーされていたら負けていた。
ヘッドセールをしながら全体を把握するのはとても難しく、次はタクティシャンとしてもJ24のレースに参加してみたいですね。