東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

江の島スナイプ

2015年06月30日 13時40分22秒 | Weblog

お疲れ様です。2年の菅原です。

遅くなりましたが先週470個戦の裏で行われた江ノ島スナイプについて報告いたします。

まずリザルトです。

菅原・宇佐美 70(着順は52、ZFPで+18点)-60-50 計180点 59位

園田・水石 68-53-75 計196点 64位

十川・江村 79-65-66 計210点 72位

 

このレースは全部で90艇近く出場していたビッグフリートで、強豪大学に加えて、社会人チームも多数参加したレベルの高いレースでした。

詳しい成績は下記のサイトよりご覧ください。

http://snipekanto.web.fc2.com/result/2015/2015_june_fix.pdf

 

以下は僕の視点から今回のレースを振りかえってみました。

このレースは僕にとって初めて同期ペアで出場するレースでした。そのため経験の浅い2年ペアでどこまでいけるのかという期待と不安とともに、二人が対等な立場で意見を言い合いながらレースが出来るといいなと思っていました。

 まず、僕らが目標としたのは1番早くに出艇することでした。今までレースの度にOBさんに強豪校は早く出艇しているが、東大を含めてそうでない学校は遅いと言われていました。そこで僕たちは今回だけでも早く出艇しようと思い、急いで出艇したところ、HIKオフィスの次、2番目に出艇することが出来ました。実際に出艇したあとはクローズを走って角度を確認したり、風の振れの周期を調べたりといったことをしたのですが、いつもよりも断然時間に余裕があり、長い時間船を走らせていたのでレース直前に帆走練習が出来たようなもので、気持ちにも余裕が出来てくるなどいいことづくめでした。これからも早く出艇できるようにしていきたいと思います。

次に僕らが試したのは、レース前にしっかりとゲームプランをたて、共有することでした。今まで明確にゲームプランを二人で共有したことはなく、基本的に先輩に言われたとおりにしていたのですが、今回は2年ペアということもあり、やってみました。

 

 1レース目は、風が南に回るだろうという予測と左右で風があまり違いそうになく(少なくとも僕らではわからず)、スタートラインもやや上有利だったので右に伸ばそうと思い、上から出ようと考えました(もちろん90艇ものスタートで失敗した際に上のほうがリカバリーも利くという理由もありました)。上から出て早いうちにタックしてフレッシュをつかみ、あとは決めておいた角度にしたがって振れたらタックしていこうと思っていました。

しかし、プレスタートで本船付近が混雑し、色々やっていくうちにハンドリングの下手さが出て一艇だけ前に出てしまい、その結果ライン上でアビームを走ってスタートすることになってしまいました。X旗が揚がり、リコールしたことはわかっていたのですが、Z旗だった上に、練習レースだったのでこのまま走って上位層とどれくらい差があるのかを試してみようということになりました。ライン上でアビームを走ったせいで早くタックして右に出るというプランは崩れ、スタート後しばらくはタックせずに伸ばしていきました。

この間に走り負ける走り負ける…。ヒールしては下に流れ、上しすぎてはスピードを失い、といった感じで上位集団にどんどんおいて行かれました。スタボで走っている時間が長かったために上マークにはポートでアプローチするような形になってしまい(さらに悪いことにポートのレイラインでもない中途半端な状態でのアプローチ)、上マーク付近で上位集団のブランケに入ってしまいスタボでフレッシュな風をつかんでいた艇にどんどん抜かれていきました。後ろを通ったりしながらなんとか外側まで出て風をつかみ、上マークを回航、この時点ではまだ30位くらいだったかなと思います。

フリーでは即ジャイすることなくスタボで伸ばし、ガルフネットの背中を見ながら走り、やや離されながらも順位を落とすこともなくそこそこ走れました。しかし、下マークへのアプローチが悪く、インをとらなければならないところでアウトに出てしまい、しかも無理に落としたせいでジャイブしてしまい…といったようなミスが立て続けにおこり結局この回航だけで10艇近くに抜かれました。その上、2上レグの戦略を話すこともできていなかったり、センターボードが挿し切れていなかったり、テンションシートがジブカムに引っかかってジブが引けなかったり、といった普段ならおこらないようなミスもおこり、2下のマーク回航でもミスを連発、どんどん順位を落とし、最終的に52位でのゴールでした。

 

 

2レース目もリコールこそしませんでしたが、スタートは同じような状況になりました。それでも第一線から出れており、タックして前を切れる船も多かったので、返して右に伸ばし、あとは振れに合わせてタックしていきました。ただ、今回は右海面が当たっていたわけではなさそうで、上マーク付近ではまたもや混戦になりました。1レース目の反省を生かして早めに対応してフレッシュを掴もうとしたものの、まだ判断が遅かったようであまりうまくいきませんでした。

下りレグでは一艇抜かしたものの大きな順位変動はなかったのですが、またもや下マーク回航でやってしまいました。ポジショニングも良くなかったこともさることながら、メインが何かに引っかかり、メインを引くことが出来ず下の船に接触してしまう始末…。2回転したあとに、通るべき場所を間違えてもう一度回航しなおす羽目に…。泣きっ面に蜂とはこのことか、と思いましたが、うまく気持ちを切り替えてそのあとは走ることができました。ただ、ロスは大きく60位でした。

 

 

3レース目。1、2レース目でうまくいかなかったように、自分たちにはまだ本船付近でスタートを狙うには力不足だったので、今回は真ん中よりのところからスタートしてみることにしました。本船付近の、艇同士の間隔が1艇幅ないような状況に比べて真ん中はスペースも十分にあり、真ん中集団の中ではかなりよいスタートを切れました。ただ、90艇のビッグフリートの長いスタートラインが全く見えておらず、おそらく真ん中は大きくへこんでいたのではないかと思います。このレースでも右に伸ばし、振れたらタックをしようというプランだったのですが、予想よりも大きく片振れし、あとから考えると、いつ返すかが一つの分かれ目でした。僕たちははじめ片振れだと認識できずに比較的ゲインの少ないときにリフトを走り、後から慌ててタックして、本来ならゲインが大きい時にヘッダーのタックを走ってしまっていたように思えます。ただ、これも2上、3上のレグではある程度修正できたのではないかと考えています。下マーク回航はこのレースは比較的うまくいき(とはいえ、一回につき3艇くらいにはぬかれてしまいましたが…)、最終的には50位でフィニッシュしました。

 

 

2日目は風がなくノーレースとなり、1日目の結果がそのまま最終成績になりました。

 

結果だけみるとあまり芳しい成績ではありませんが、この3レースは僕にとって今までで最も密度の濃く、収穫の多いレースでした。スタート前の動き、立てた戦略と実際にレースが始まってから状況に応じたコース引き、他艇との位置関係の把握等々、90艇の参加かつスナイプ界の番長集団の動きも見れたこともあり、ヨットに対する理解を一歩深めることが出来たように思います。

同時に課題も明確になりました。

①余裕をもつ…焦ったりするとすべてにおいてパフォーマンスが落ちるので落ち着いていられるようにする

②走り…わずかなヒールや上りすぎの積み重ねで大きく差が出ている、走りの差でもジリジリと順位を落としていた気がした

③マーク回航…多数の船がいる中で正しいポジショニングとスピードコントロールが出来ておらず、大きく順位をおとしていた

④スタート時に必要なハンドリング…船を止めたり、下に流れないようにしたり、下に入られないようにしたりする技術、正しくラインを読んでしっかりスタートを切れる技術

⑤1上までの戦略は立てるものの、下りレグや2上、3上の戦略の立て方が雑…余裕がなくてよく考えられていない気がする

 

今週末には七帝戦があり、その後もレースが続く期間ですが、自主練なども活用しながら、上記のことを中心に意識して練習を重ね、秋まで努力しつづけたいと思います。