東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

where there's a will, there's a way.

2017年11月20日 20時40分02秒 | 通常練習
ご無沙汰しております。1年、戸沢です。
新チームになって470からスナイプに移動しました。その理由は後ほど書きます。

長くなると思ったので段落に分けて書こうと思います。
⑴夏。
⑵全日本。
⑶スナイプへ。

⑴夏。
僕の夏は他の部員とは過ごし方が少し違っていました。
夏のある日、練習が終わり合宿所の二階にいると、菅原さんと水石さんに一階から呼び出されました。内容は学連に入ってみないかという事でした。
学連がとてもとても大変だということは前からお聞きしており、練習時間もとられてしまうことに抵抗を感じて、初めは前向きに検討させてくださいという返事をさせて頂きました。
しばらくして、僕が適任だと思って頂いたこと。そして、菅原さんが「俺が全日本個選でいい成績がとれたのは、学連に入って運営のことを理解し、近くでレースを見てきたからだと思ってるよ」と仰ったことに後押しされて、正式に学連に入りました。

それからというもの、夏の練習期間中は学連の仕事も多く、部に深く関われたかというと胸を張ってハイ!と言うことは出来ません。しかし、毎日毎日祈るようにレースを運営していたことを思い出します。関東の予選で470が3艇ともBFDに引っかかった時は手が震えて、レース運営するのも困難な状態になり、全日本を決めた時は涙が出るほど嬉しかった。
そう思えた時に、本当に戦ってるのはレギュラーの先輩達だけかもしれないけれど、自分は集合写真にも写れないほど部から離れて運営の仕事をしていたのに、部員として心では一緒に戦えていた気がしました。
そんな思いに後輩を思わせるような先輩に僕もなりたい。

学連では、学連委員長の菅原さんの伝があって、自分なりにも努力し、入って1ヶ月で本船のトランコを持たせていただけるほど出世させて頂きました。そして、六大学戦を僕が指揮して運営が出来るほどになりました。

ヨットにあまり乗れないし、練習日が続く辛い時期に、僕は同期の仲間に気を配れず、この辛い夏を過ごして辞めてしまった同期を思うと悔しさが募ります。そして、夜遅く戻る僕はみんなに支えてもらってばかりで感謝しかありませんでした。本当にありがとう。

僕にとっては本当に内容の濃い夏でした。

⑵全日本。
学連での仕事がなく、一人の部員としてちゃんとサポートメンバーとなって関われた初めての大会でした。初めてのサポートで力不足の部分も多くあったと思います。それでも全力で戦い、自分を福井に連れて行ってくださった先輩達が近くにいました。

部が目指していた目標から言えばそんなに悪くない順位だったかも知れません。ただ僕は、終わってみると信じられないほど悔しかった。これまで先輩達のレースを近くで見てきた自分には、先輩達が自分の実力を最大限に発揮出来ているようには見れなかったし、何よりも先輩達の顔から悔しさが垣間見えていました。
でも、その中でも嬉しかったことは

戦う先輩達が大会期間中、笑顔でいた事

でした。
レースから、そしてその大会の雰囲気まで楽しんでいる先輩達を最後まで全力で応援したいと思えました。

先日の角出さんのブログにも書いてありましたが、この大会を通して思ったことがあります。それは、

優勝を目指す早稲田が羨ましかった。

普段一緒に練習していた早稲田がいつも以上に全日本では輝いて見えました。生意気かもしれないけれど、同じ想いを新チームの部員が一人でも多く感じていたならば、嬉しいな。長いスパンであったとしても同じ方向を向けるから。そして、早稲田の人達が東大の結果を気にしてくれていたことも嬉しかった。

この大会をもって4年生は引退してしまいました。もう近くにいた4年生は部活にはいません。でも、4年生に教えてもらいたいことがたくさんあります。是非また部活に来てたくさん教えてください!先輩達の結果を越えるためには先輩達の技術を学び、自分でも試行錯誤する必要があります。あの楽しい部活の雰囲気のキープして、また来て下さるのを待ってます。

再び全日本へ。

⑶スナイプへ。
新チームになって、僕は470からスナイプに移動しました。その理由を書きたいと思います。

僕は470という船も、470チームも本当に大好きでした。今スナイプチームにいる自分は数ヶ月前の自分には想像もつかない事だったと思います。

これまで470のクルーをしていました。部員の誰よりも努力したんじゃないかと思えるほど、平日の筋トレからイメトレから、練習に至るまで努力してきたつもりです。
ただ、どんなに努力しても自分にはどうにも出来ないことが一つありました。

強風の時に僕には起こしきれないのです。

入部してからずーっと、強風時に自分が本気で起こそうとすれば船がフラットになって、自分には起こすことが出来ているものだと思っていました。しばらくして、船のことをだんだん理解し、強風時にスキッパーの先輩達がセンターボードをあげているのを見て、それが偽りだと分かりました。
起こしきれていると思っていたけれど、起こしきれていない。もっと船を早くさせる簡単なはずの要因がセンターボードに、そして船の色んな部位に見えてきて、自分にはそれが辛かった。

授業があっても筋トレをして、体重は5キロ増やしました。それでも大して変わることはありませんでした。体重もそれでも少ないし、身長もクルー向きではないからです。

それから多くの人にポジションを聞かれ、「470クルーなんだぁ、お前の身長だったらスキッパーになればいいのに」「お前の努力なら上位の大会に進めるかもしれない。けれど、動作や思考が同じレベルになってきたら体格の差の影響が大きく出てきて、上位の大会で上位の結果を出すのは厳しいかもよ」と幾度となく言われました。

それから長い間悩み続けました。
これだけ言われたことを理由に470クルーを辞めるのでは、ただ自分が逃げてるだけじゃないかとも考えました。
だけど逆に言えば、意地を張って残り続ける理由もない。自分に合う場所で、また初めから努力をすればいいじゃないか。スナイプを好きになればいい。

スナイプに移動することを悩みに悩んだ上で決断しました。
この移動によって、470クルーが足りなくなってしまい、多くのメンバーに迷惑をかけてしまいました。それでも移動を決意し、メンバーのご理解と協力のもと、スナイプに移動しました。

だからこそ、僕が上級生になった時にはスナイプスキッパーになって、前を走る責任があると思います。その為にもスナイプクルーの動作やスナイプの走らせ方を理解しなければいけないと思います。特にスキッパーになった後では上級生と乗ることが少なくなり、自分で異変に気づかなきゃならないようになってしまいますし。。
本当に部員の人達には感謝しかありません。

これからまた気持ちを新たにして頑張ります!(ところが四日前から熱を出してしまいました…。体調管理が出来ないなんてプレイヤーとしてあってはいけませんね…。)

スナイプのこと、ヨットのことたくさん教えてください。そしてこれからも応援よろしくお願いします!

長くなりました。読んでくださった方ありがとうございました。
風邪にはどうか気をつけてください。
それでは失礼します。
戸沢

2週間経って

2017年11月20日 13時54分55秒 | 全日本インカレ2017

 
・・・

葉山の合宿所で朝起きて。体操して、朝ごはんを食べて、歯磨きをして、コンタクトを入れる。ミーティングを終わり、海着に着替えて外に出ようとする…ところで、自転車の鍵を忘れたことに気づいて取りに戻る。
気を取り直し自転車にまたがったところ、海に持って行く防水バッグを忘れたことに気づく。合宿所に戻る。
自転車で坂道を下る途中、新港で浴びるためのシャワー道具を忘れたことに気づく。戻る。
気を取り直し、出たところで着替えを忘れたことに気づいて……以下繰り返し

・・・


……昨日、こんな夢を見ました。実際は忘れ物をしても、諦めるか精々戻っても一回だったのですが……


・・・

OBとして久しぶりに練習を見に行ったら、いつもの風景、いつもの様子なのに、みんな少しだけ雰囲気が違う。違和感を持っているのは僕だけで、他の人は感じていない。
あれ、西坂、そんなに鼻の下が長かったっけ。あれ、多賀谷、そんなに直毛だったっけ。あれ、高山、みんなの前でタb……

・・・


これも夢でした。3日くらい前かな。引退して2週間ほど経つものの、急に最近ヨットの夢を見るようになりました。不思議。


夢は人の深層心理を反映するようで、こういった夢を専門家に分析されたら、恥ずかしい診断結果が出そうです。

・・・

全日本インカレが終わって。到底晴れやかな気分にはなれなくて。悔しくて。4年間やってみたけど、自分が思い描いていたほど上手くなれなくて。
着艇後も自分には向いてなかったんだなあと思うばかりで、涙すらも出なくて。


31308とか30785とか30563とか、ずっと一緒に過ごした船に愛着があって、最後に見送る時はセンチな気分にでもなるのかなと思ってたら、全くそんなことはなくて。
4年間の愛着もそんなもんなのかと少し寂しい気持ちになって。


半ば鬱屈とした気持ちを抱えながら福井から帰ってきました。


引退した次の週は、土曜は海着を放出しに八景島へ、日曜は練習手伝いに小網代へ行きました。どちらも楽しそうで、少し羨ましく思いました。


インカレ決勝、全日本インカレを経て、ハイレベルな敵の中で、ずっとボートスピードに集中しなきゃ戦えなくて、失点式のゲームの中で、闘争心を持ちながら瞬時に冷静な判断を求められる世界はとてもしんどい、辛いと思うようになっていました。


先日、フェイスブックのタイムラインに全日本スナイプの画像集が流れてきました。
正直ディンギーのビックフリートはもう見たくないなくらいに思ってたのですが、去年の今頃に江村とわざわざ和歌山まで行って全スナ出てきたなと少し懐かしくなって、
あと、浅川のカッコいい写真とかあるかなと思って、気づけばずっと眺めていました。


写真を見てると波は高くて風は強い、寒そう、やっぱりハイクアウトは辛そう、マーク側はどうせ怒号が飛び交ってるんだろうな、なんでこの人たちはわざわざこんなにしんどいことをしてるんだろう、と思いました。


ただ、じっくり眺めてみると、やっぱり葉山の海は綺麗だなって思って、
この波の海水は南で、まだ11月の初めなので見た目よりは温かいんだろうな、このハイクアウト写真映え意識しすぎやろ……、ど強風のタックは難しいよなあ……、フットベルト緩くて、きっと意識とか飛んでるんだろうな……ジブもメインも緩めてて、めちゃくちゃ吹いてんだろうなァ……


と、見てるだけで色々な情報、乗ってる人の気持ちが想像できるような気がして少しだけ楽しくなって。

闘争心ギラギラのレースに集中する一方で、良い風の中で船を走らせるのはきっと楽しいんだろうな
上マークを目指して最後のレイライン、これまで以上に死ぬ気でハイクアウトしてようやく辿り着く。きっと辛いけど、なんだか楽しいんだろうな、きっと

Serious sailing, serious fun.

……やっぱりスナイプってかっこいいなって。



またヨットに乗ったら楽しいんだろうけど、またレースとか出たら辛くなり、乗らなくなったらまた乗りたくなって……って繰り返すような気がします。
でも、生涯かけて少しずつでも上手くなれたら、より深く楽しむことができたらいいな、とも思います。


どうやら引退しちゃったので、学生の大会に出ることはできないけど、これからも様々な形で海に関わっていけたらな、と思います。


また、よろしくお願いします。



東京大学運動会ヨット部 旧4年 山本圭祐




……新主将挨拶の後になってしまって、本当にごめんなさいm(_ _)m




この写真は、西坂水石と、それっぽい感じを醸し出していけば、バルクヘッドの平井様はきっと撮影してくださるだろう!との目論みで海を眺めていたら、ありがたくも撮影していただけました。

写真そのものももちろんですが、このしょうもないエピソードまで含めて、僕の宝物です。
ありがとうございました。