東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

井ノ中ノ蛙、大海ヲ知ラントス

2024年09月10日 18時17分52秒 | 通常練習

お世話になっております。仰秀2年の木藤です。関根さんも仰秀に復帰し9月から正規メンバー8人フルメンツでの練習が行われています。先週の秋への入り口が見えたかのような肌寒さは夢であったかの如く、再び夏の海に身を置くことになってしまいました。暦の上ではとっくに秋なんですよね。今年は春もなかったように勝手に感じていますが、秋はさらに短いのかもしれません。秋は好きな季節です。ヨットを始めて海の風を感じていると前よりも敏感に季節を感じるようになりました。最近秋は一つの季節としてではなく夏と冬の境目のように去ってしまう気がしてしまっています。シアトルは9月はかなり冷え込むと聞いています。日本に帰ったら10月。その頃にはもう秋が始まっていてくれていることを願っています。

さて、今週の活動報告です。1年生の動作練習を行いながら2年以上の上級生はついに再来週に迫ったJ24世界選手権に向けて正規のレースポジションでの練習を行なっています。個人的には1ヶ月間ヘルム練をさせていただいてフォアデッキにはブランクがあったので勘を取り戻すような意識で9月の練習を行なっています。今週は2日にわたり月光チームとのラウンディング練習に参加させていただきました。もちろん月光チームの方々にはまだまだ全体的に劣りがあることは否めないのですがワールドメンバーとしては動作の練度は徐々に安定してきている印象はあり、セールトリムやコース選択の感覚を研ぎ澄ませながら全体的に日々レベルアップを図っていけたらと感じています。

個人的にではありますが、今週は源さんと共にジェリーフィッシュの松本さんにお誘いいただき湘南レースに出場しました。クルーザー班のメンバーでは珍しいことなのですが、自分は今までJ24以外の船でレースに出たことがなく。。。ことあるごとに他の艇種・いつもと違うチームに乗るのも勉強といいつつ、J24以外の社会人チームには参加させていただく機会を逃してきまして始めての大型艇でのレース経験でした。レースにいざ出場すると、わかってはいたことですが、大きさの全く違う船同士のレース。レーティングを加味したポイントレース。前を走る大型艇の迫力に圧倒されました。レース海面に向かう途中で練習中の仰秀が見えたのですが、外から見るJ24はやっぱり他のクルーザー艇の中を走ると極端に小さく見えました。ディンギーと比べれば仰秀は大きくて走りに迫力があると思っていましたが、まさに井の中の蛙という感じですね。JはJでワンデザインのレース環境があるというのは本当に面白いことだと思うし、現状あまりレースという意味においてはポイントレースは難しそうだなという印象でJに満足してしまっていますが、船としてはやっぱり大きい船に乗ってみたいな、あんなインパクトある走りを体感したいなと感じました。まだヨットを始めて2年目。J24しか乗っていないような学生なんですがこれからのセーリングライフ、J24の中でもっと世界の舞台を見にいくというのはもちろん貴重な経験になることだろうけれども引退してからでも色んな意味でヨットの広げ方があるなと感じました。もっと大きな船はあるし、飛ぶ船だってあって、この前やってたアメリカズカップなんかみたいな舞台だってあって、とにかくヨットの世界は幅広いんだなと。井戸から大海を眺めた蛙のような気分でした。

そんなことはさておき再来週にはシアトルに出発するというところまできました。大きなヨットを知ることも大事ですけど今は大きな舞台を知ることに今から非常にワクワクしています。ここからあと2週間、今年のシアトルが経験だけで終わることのないように。しっかり練習をしてワールドの舞台へ臨みたいと思います。

 

木藤大和