守田です。(20111001 9:30)
昨夜、ニュースで飯舘村からプルトニウムが検出されたという報道が流され
ました。重大ニュースです。以下、毎日新聞の記事の冒頭を紹介します。
***
文部科学省は30日、東京電力福島第1原発から約45キロ離れた福島県飯舘
村を含む同県内6カ所の土壌から、同原発事故で放出されたとみられる毒性の
強い放射性物質のプルトニウムが検出されたと発表した。事故後、同原発の
敷地外でプルトニウムが検出されたのは国の調査では初。原発80キロ圏内の
広範囲で放射性物質のストロンチウムも検出され、影響が広範囲に及ぶことが
改めて裏付けられた。
***
僕はこれまで、折に触れて、プルトニウム飛散の可能性について触れてきまし
た。同じ観点から分析を行っている方の考察なども紹介してきました。しかし
多くの方から、プルトニウムの扱いは慎重に・・・。プルトニウムは思いから
それほど飛ばない・・・。南相馬や飯舘にプルトニウムがあるというなら、
証明して欲しい・・・などの意見をいただいてきました。
非常に残念なことといわざるをえませんが、プルトニウムが原発から45キロ
まで飛んでいたことが文部科学省が公表したことで、やはりプルトニウムの
かなりの拡散の可能性が高いことが明らかになりました。僕はこれを予想して
いましたが、しかしそれでもこの現実になんとも言えない怒りを感じます。
政府がこのことを明らかにしなかったために確実に多くの方が被曝したからです。
プルトニウムはα線を出す放射性物質であり、内部被曝したときの危険性は
他の核種と比べて格段に高いです。原子力推進派のICRP(国際放射線防護委
員会)でさえ、エネルギー量を20倍に換算すべきだと指摘しています。ECRR
(ヨーロッパ放射線リスク委員会)の場合、プルトニウムに限らずですが、
同じ線量の場合、内部被曝を外部被曝の600倍(平均)の脅威とみなすべきだ
と指摘しており、これらを考えたときに、α線による被曝の影響は甚大です。
また記事から読みとれることとして重要なことは、この調査が、原発80キロ圏
内の100か所という極めてわずかな規模でしかなされていないこと。しかもそ
の程度の調査でもストロンチウムに関しては79キロ地点で観測されており、
より広範囲への拡散の可能性が極めて高いことです。早急にもっと徹底した
調査が行われる必要があります。
同時に、汚染濃度の高い地域からの住民の方々の避難をさらに急ぐ必要があり
ます。そのために避難への公的賠償せよという声を高めていくことが重要です。
すでにさまざまな深刻な健康被害がはじまっていることが報告されています。
被害を少しでも減らすために、汚染地域におられる方は、今からでもぜひ
移動して欲しいです。
今日はこれからある組合大会に招かれて、神戸に向かうので、続きは後ほど
書きたいと思います。ともあれこのニュースは極めて重要です。重大ニュース
の連発に慣れてしまわずに、いまここにある私たちの危機を見据えましょう。
何よりも、もっとも被曝している可能性のある方たちを助けるための活動を
強化しましょう。
なお末尾に、参考までに、これまでプルトニウム汚染等の可能性について
論じた記事を貼り付けておきます。
****************
東日本大震災:福島・飯舘でプルトニウム検出 原発から45キロ地点
毎日新聞 2011年10月1日 東京朝刊
文部科学省は30日、東京電力福島第1原発から約45キロ離れた福島県飯舘
村を含む同県内6カ所の土壌から、同原発事故で放出されたとみられる毒性の
強い放射性物質のプルトニウムが検出されたと発表した。事故後、同原発の
敷地外でプルトニウムが検出されたのは国の調査では初。原発80キロ圏内の
広範囲で放射性物質のストロンチウムも検出され、影響が広範囲に及ぶことが
改めて裏付けられた。
調査は6~7月、原発80キロ圏内の100カ所の土壌で実施。同村と双葉町、
浪江町の計6地点から今回の事故の影響とみられるプルトニウム238が検出
された。多くの地点でプルトニウム239、240も検出されたが、事故の
影響か特定できないという。
文科省によると、いずれの地点も過去の大気圏核実験によって日本に降ったと
みられるプルトニウムの最大値を下回ったが、238は事故前にほとんど検出
されていなかったため、今回検出された238は、同原発でできたものと分析
した。
検出された最大濃度は、プルトニウム238が土壌1平方メートルあたり4ベク
レル(浪江町)、239と240の合計で同15ベクレル(南相馬市)。飯舘
村で検出された238は同0・82ベクレルだった。文科省は「人体に影響を
及ぼす値でない」としている。プルトニウム238の半減期は88年。東電は、
プルトニウムは放射性ヨウ素と比べて重く、拡散しにくいと説明していた。
◇79キロの白河ではストロンチウム
一方、ストロンチウム89は約79キロ離れた同県白河市など半数近い地点で
検出。半減期が約50日と短いことからいずれも事故による影響と分析した。
最大濃度は同2万2000ベクレル(浪江町)。文科省は事故で放出された
放射性セシウムとの分布の違いに注目、ストロンチウムは骨に沈着しやすい
特徴があるため、追加調査する方針。
松本純一・東電原子力・立地本部長代理は30日の会見で「避難住民が戻れる
よう、どのような放射性物質があるのか調べるのは重要。政府と相談しながら
サンプリングの方法を検討したい」と話す。【八田浩輔、河内敏康】
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20111001ddm001040040000c.html
地図
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110930-00000120-mai-soci.view-000
*************
明日に向けて(204)南相馬からSOS プルトニウム・・・!?
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/ecfc5630f05acaf7804b66497782dcc2
明日に向けて(149)キュリウム・アメリシウム・ストロンチウムが検出された!
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/29360d5be7cccc6d875fbd108858455c
明日に向けて(141)福島県内11か所からストロンチウムを検出
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/0c666a3aaea2906ae4e6647490e5f7a9
明日に向けて(139)原発敷地外でプルトニウム検出
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/3e530cd619639ee55e1caeb1b5fc3deb
明日に向けて(126)福島浜通りはプルトニウムで汚染されているのではないか?
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/f2e0807e72406d79456150285535c63c
昨夜、ニュースで飯舘村からプルトニウムが検出されたという報道が流され
ました。重大ニュースです。以下、毎日新聞の記事の冒頭を紹介します。
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文部科学省は30日、東京電力福島第1原発から約45キロ離れた福島県飯舘
村を含む同県内6カ所の土壌から、同原発事故で放出されたとみられる毒性の
強い放射性物質のプルトニウムが検出されたと発表した。事故後、同原発の
敷地外でプルトニウムが検出されたのは国の調査では初。原発80キロ圏内の
広範囲で放射性物質のストロンチウムも検出され、影響が広範囲に及ぶことが
改めて裏付けられた。
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僕はこれまで、折に触れて、プルトニウム飛散の可能性について触れてきまし
た。同じ観点から分析を行っている方の考察なども紹介してきました。しかし
多くの方から、プルトニウムの扱いは慎重に・・・。プルトニウムは思いから
それほど飛ばない・・・。南相馬や飯舘にプルトニウムがあるというなら、
証明して欲しい・・・などの意見をいただいてきました。
非常に残念なことといわざるをえませんが、プルトニウムが原発から45キロ
まで飛んでいたことが文部科学省が公表したことで、やはりプルトニウムの
かなりの拡散の可能性が高いことが明らかになりました。僕はこれを予想して
いましたが、しかしそれでもこの現実になんとも言えない怒りを感じます。
政府がこのことを明らかにしなかったために確実に多くの方が被曝したからです。
プルトニウムはα線を出す放射性物質であり、内部被曝したときの危険性は
他の核種と比べて格段に高いです。原子力推進派のICRP(国際放射線防護委
員会)でさえ、エネルギー量を20倍に換算すべきだと指摘しています。ECRR
(ヨーロッパ放射線リスク委員会)の場合、プルトニウムに限らずですが、
同じ線量の場合、内部被曝を外部被曝の600倍(平均)の脅威とみなすべきだ
と指摘しており、これらを考えたときに、α線による被曝の影響は甚大です。
また記事から読みとれることとして重要なことは、この調査が、原発80キロ圏
内の100か所という極めてわずかな規模でしかなされていないこと。しかもそ
の程度の調査でもストロンチウムに関しては79キロ地点で観測されており、
より広範囲への拡散の可能性が極めて高いことです。早急にもっと徹底した
調査が行われる必要があります。
同時に、汚染濃度の高い地域からの住民の方々の避難をさらに急ぐ必要があり
ます。そのために避難への公的賠償せよという声を高めていくことが重要です。
すでにさまざまな深刻な健康被害がはじまっていることが報告されています。
被害を少しでも減らすために、汚染地域におられる方は、今からでもぜひ
移動して欲しいです。
今日はこれからある組合大会に招かれて、神戸に向かうので、続きは後ほど
書きたいと思います。ともあれこのニュースは極めて重要です。重大ニュース
の連発に慣れてしまわずに、いまここにある私たちの危機を見据えましょう。
何よりも、もっとも被曝している可能性のある方たちを助けるための活動を
強化しましょう。
なお末尾に、参考までに、これまでプルトニウム汚染等の可能性について
論じた記事を貼り付けておきます。
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東日本大震災:福島・飯舘でプルトニウム検出 原発から45キロ地点
毎日新聞 2011年10月1日 東京朝刊
文部科学省は30日、東京電力福島第1原発から約45キロ離れた福島県飯舘
村を含む同県内6カ所の土壌から、同原発事故で放出されたとみられる毒性の
強い放射性物質のプルトニウムが検出されたと発表した。事故後、同原発の
敷地外でプルトニウムが検出されたのは国の調査では初。原発80キロ圏内の
広範囲で放射性物質のストロンチウムも検出され、影響が広範囲に及ぶことが
改めて裏付けられた。
調査は6~7月、原発80キロ圏内の100カ所の土壌で実施。同村と双葉町、
浪江町の計6地点から今回の事故の影響とみられるプルトニウム238が検出
された。多くの地点でプルトニウム239、240も検出されたが、事故の
影響か特定できないという。
文科省によると、いずれの地点も過去の大気圏核実験によって日本に降ったと
みられるプルトニウムの最大値を下回ったが、238は事故前にほとんど検出
されていなかったため、今回検出された238は、同原発でできたものと分析
した。
検出された最大濃度は、プルトニウム238が土壌1平方メートルあたり4ベク
レル(浪江町)、239と240の合計で同15ベクレル(南相馬市)。飯舘
村で検出された238は同0・82ベクレルだった。文科省は「人体に影響を
及ぼす値でない」としている。プルトニウム238の半減期は88年。東電は、
プルトニウムは放射性ヨウ素と比べて重く、拡散しにくいと説明していた。
◇79キロの白河ではストロンチウム
一方、ストロンチウム89は約79キロ離れた同県白河市など半数近い地点で
検出。半減期が約50日と短いことからいずれも事故による影響と分析した。
最大濃度は同2万2000ベクレル(浪江町)。文科省は事故で放出された
放射性セシウムとの分布の違いに注目、ストロンチウムは骨に沈着しやすい
特徴があるため、追加調査する方針。
松本純一・東電原子力・立地本部長代理は30日の会見で「避難住民が戻れる
よう、どのような放射性物質があるのか調べるのは重要。政府と相談しながら
サンプリングの方法を検討したい」と話す。【八田浩輔、河内敏康】
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20111001ddm001040040000c.html
地図
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110930-00000120-mai-soci.view-000
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明日に向けて(204)南相馬からSOS プルトニウム・・・!?
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/ecfc5630f05acaf7804b66497782dcc2
明日に向けて(149)キュリウム・アメリシウム・ストロンチウムが検出された!
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/29360d5be7cccc6d875fbd108858455c
明日に向けて(141)福島県内11か所からストロンチウムを検出
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/0c666a3aaea2906ae4e6647490e5f7a9
明日に向けて(139)原発敷地外でプルトニウム検出
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/3e530cd619639ee55e1caeb1b5fc3deb
明日に向けて(126)福島浜通りはプルトニウムで汚染されているのではないか?
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/f2e0807e72406d79456150285535c63c