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明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(280)豊田さんと一緒に福島に、飯舘村に、に思いをはせよう

2011年10月03日 23時30分00秒 | 明日に向けて(251)~(300)
守田です(20111003 23:30)

すでにお知らせしたように、明日午後6時半から、京都市ひとまち交流会館にて
豊田直巳さんの講演会を行います。僕も6時半から7時まで、内部被曝について
お話をします。その後、豊田さんが1時間ほど講演し、質疑を受けます。お近くの
みなさん、ぜひお越し下さい。

豊田さんは、福島のあちこちを取材していますが、飯舘村では、酪農家の
長谷川健一さんと出会い、取材を深めてきました。その飯舘村には、これまで
豊田さんと並んで、劣化ウラン弾による被曝被害を取材してこられた、同じく
フォトジャーナリストの森住卓さんも取材に入り、連日、ブログで飯舘の
現状を訴えれ来られました。

京都ではこの森住さんの訴えから、長谷川さんのことを知り、ぜひお呼びして
お話が聞きたいとのことで、長谷川さん講演会も実現してきたのですが、その
森住さんが、10月1日に次のような内容の日記をアップされました。

以下、引用させていただきます。

***

2011年10月1日
飯舘村から 草刈り
http://mphoto.sblo.jp/

飯舘村の長谷川さんと電話で話した。
明日から村の草刈りが始まるという。
私は「除染のために草刈るの?刈った草はどうするの?」と問い詰めてしまった。
作業する人が埃を吸って内部被曝する恐れを心配して。
長谷川さんは「村じゅう草ぼうぼうでみっともねえ」といった。そして、
「刈ったあとは空気中の線量が1μSv上がる」と。

田畑を汚され、放置せざるを得ない村。
夏を越して草ぼうぼうになってしまった村を、黙って見ていられない長谷川さん
たちの気持ちが痛いほどわかる。
草を刈ってきれいにしたいと。
でも、草刈りで埃を舞上げ作業の人が被曝してしまう。そして、放射性物質を
再拡散させてしまう。

昨日報道された、プルトニウムの検出のことに触れた長谷川さんが「プルト
ニウムがでた45キロ地点はおれん所のだ」と言った。
つらい。悲しくなってしまった。

***

僕はこのブログを、ある講演会の出番を待っているときに、友人からの
メールで知りました。すぐに長谷川さんの顔と声、あの人懐っこい福島弁が
が思い出され、とても悲しくなってしまいました。
なんということだという憤りが込み上げてきた。
飯舘村に放射能を撒いた東電と政府にあらためて、強い怒りを感じます。

明日はその長谷川さんのところにも赴き、飯舘を取材し続けた豊田さんに
話を聞きながら、みなさんと一緒に、福島に、飯舘に思いを馳せてたいと
思います。

どうかみなさま。ぜひお越しください。

*************************

フォトジャーナリスト豊田直巳の見た福島・原発震災のまち
10月4日(火)18:30
ひとまち交流館3F第4会議室 参加料500円

フォト・ジャーナリスト豊田直巳、311以降、福島原発のすぐそばまで
接近し取材を行い、被災地とそこにいる人々の状況をカメラに収め続け
てきた。放射線測定器は警報を発し続け、その針は振り切れたまま動か
なかった。まさに「命がけ」の取材。

豊田さんはこれまでにもイラクでの被曝米兵やチェルノブイリなど各地
を取材し、放射線と人の関係を丹念に記録してきました。チェルノブイ
リ原発事故から25年のドキュメンタリー制作の取材を終え、ウクライナ
・ベラルーシから帰国した翌週の12日には「日本での原発取材」を
はじめるべく福島に立っていた。

以前から、イラクでの「劣化ウラン弾」の子どもたちへの影響を心配し、
訴え続けて来た彼はまさに放射線被曝の問題を第一線でおいかけてきた
第一人者です。そんな豊田さんを京都へお招きし、ふんだんな写真と
共に原発震災のまち福島とその人々の様子をうかがいます。原発作業員
への取材をはじめ、飯館村の酪農家の長谷川健一さんとの触れ合いの話
などを予定。

豊田直巳講演19:00~/質疑応答20:00~

豊田直巳のプロフィール
1956 年、静岡県生まれ。フォトジャーナリスト 。2003年、平和・協同
ジャーナリスト基金賞奨励賞。日本ビジュアルジャーナリスト協会(JVJA)
会員。イラクやパレスチナなどの紛争地を巡り、人々にとっての「戦争と
平和」を写真や映像で報道。劣化ウラン弾問題やチェルノブイリ取材の経験
から、原発震災以降はフクシマを中心に取材し、新聞、雑誌やテレビで報道。
最新刊に『フォトルポルタージュ 福島 原発震災のまち』(岩波書店)、
『豊田直巳編 TSUNAMI 3・11』(第三書館)、『JVJA写真集 3・11 メルト
ダウン』(凱風社)、その他に『戦争を止めたい』(岩波書店)、『子ども
たちが生きる世界はいま』(七つ森書館)、『大津波アチェの子供たち』
(第三書館)、『イラク戦争下の子供たち』(第三書館)、『イラク 爆撃と
占領の日々』(岩波書店)など写真集、著書多数。DVD作品に『知られざる
DU(劣化ウラン)の恐怖』(日本語・英語二ヶ国語版)などがあります。

当日は最新刊、『フォト・ルポルタージュ福島 原発震災のまち』
(岩波ブックレット)のサイン即売会を行います。


豊田さんの講演に先立って、守田敏也さんの内部被曝についてのお話も
行います。18時30分より30分。

守田敏也のプロフィール
1959年生まれ。京都市在住。同志社大学社会的共通資本研センター客員
フェローなどを経て、現在フリーライターとして取材活動を続けながら、
社会的共通資本に関する研究を進めている。原子力政策についても独自の
研究を続けている。震災後のデータ収集と鋭い分析力により、震災後、
精力的に講演活動を行い、多忙な毎日を送っている。


主催 : 豊田直巳さんの話を聞く会
問合せ先 : 090-6005-6878(片岡)

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明日に向けて(279)危険情報を伝える難しさ・受け取る辛さを越えるために

2011年10月03日 15時00分00秒 | 明日に向けて(251)~(300)
守田です。(20111003 15:00)

「明日に向けて(276)」(10月1日)で、僕はプルトニウム飛散情報を流し
ました。それに対して、「ころ」さんという方が、「そんなに怖ければ、
来なきゃいいのに」というタイトルで、「タイトル通り、普通にそこでしか
生きられない方に失礼です、恩の押し付けは逆かと思います。」という
投稿をされました。

すると、これまでも何度かコメントをいただいている、よもぎさんとくさ
太郎さんが、それぞれに危険情報を伝えることの大切さを丁寧に説いた
コメントを書いて下さいました。そしてそれに応じる形で、ころさんが
誤解を招いてしまったと、ご自分の苦しい胸のうちを書いてくださり、それに
再びよもぎさんが丁寧に応接してくださいました。

今回のタイトルにも書いたように、危険情報を伝える難しさ・受け取る
辛さを越えるために、ここでのやりとりを、・・・コメント欄からも見れ
るのですが・・・一つの記事として、ご紹介したいと思います。

僕自身は、危険情報の伝達・受け取りにおいて、極めて重要なポイントとなる
正常性バイアスのことを整理しておこうと、(277)でこれを書きましたが、
ちょうど昨日のNHKドキュメントでも、正常性バイアスに捉われたがゆえ
に津波から逃げられなかった方たちの話が紹介されたらしく、偶然ですが
話が重なったようです。

ただ僕は「ころ」さんの投稿を見て、もう一歩、内容を深めないといけない
なとも思いました。311は本当に大変な惨劇で、多くの人が未だに行方不明
です。住居を失って、避難所や仮設住宅で過ごされている方も多い。だから
こそ、放射能の話など、さらに聞きたくないという思いもあるでしょう。

しかしそれでも放射線の危険性は伝えなくてはいけない。そのためには、
支援や応援、あるいは痛みのシェアと一緒に、情報伝達がされなければ
ならないのだと思います。そんな道をもっともっと拓いていく必要があり
ます。

そんな観点からも、これまでの2度にわたる東北訪問に続いて、放射能除染
活動に参加させていただき、こうした点の考察をさらに深めていきたいと
思います。

ころさん、よもぎさん、くさ太郎さん、ありがとうございました。

***********************

明日に向けて(276)へのコメントから

そんなに怖ければ、来なきゃいいのに。 (ころ)
2011-10-01 16:21:45

タイトル通り、普通にそこでしか生きられない方に失礼です、
恩の押し付けは逆かと思います。


未来の命の安心のために (よもぎ)
2011-10-02 04:19:13

守田さん
まだまだお忙しい日々ですね。
これから再び寒さに向かっていく季節、
安心して暮らせない長い冬を迎えざるを得ない人があまりに多いまま……
現場を知っているからこそのご心配も限りないことと思います。

ころさんは、普通に暮らしていらっしゃいますか?
やはり失礼になりますが、「そこでしか生きられない」というお言葉には、
どうしても普通ではないご不安があるのだろうと拝察致しました。

守田さん達が、ご自分の暮らしを削ってなさっていることは、
恩の押し付けなどでは決してありません。
この島国全体が、目に見えない危険の下に置かれていることを、
なんとか見える形にしないと、犠牲者が増えるばかりと心配されての
ことと思います。

守田さん達は、高速で走ってくる車に気づいていない人を、急いで車道
から突き飛ばすような行為のために奔走されていらっしゃる。
車が見えない人には、理由もなくいきなり突き飛ばされただけと感じ、
怒りと痛みを腹立たしく思う……
そんなことが、この7ヶ月近く、多くの場所で同時に起こっていると
思います。

目に見えないけれど命にかかわる危険を知っている人々が、正反対の行動
を取っています。
一方では、知っているからこそ、いたたまれない思いで全国を奔走し警鐘
を鳴らす。
他方では、見えないことを利用して虚偽の安心感を広め、先々の苦しみは
事故とも原発とも関係ないと思わせようとする。

何度も繰り返されてきたことだからこそ、
今ふたたび、史上で一番危険な状態のもとでさえ、
同じことが繰り返されようとしていることが、私もつらくてなりません。

多くの血縁が若くして苦しみながら命を喪い、自らも日々、苦痛の中で
生きてきたために見えるものもあります。
でも、もしも、そんな哀しい別れや痛みが避けられたのだったらどんなに
よかったか……

できれば、未来の子孫のためには避けてほしい、
こんな苦痛や哀しみの連鎖は、
これまでの66年間に生まれ合わせた人間の代できちんと終わりにするために、
目を背けずに知ってほしい、それだけです。

知ることと、避けられるかどうかは別かもしれませんが、
仮に避けられなかった場合でも、
私はもっと周囲に因果関係を知っておいて欲しかった、
幼い頃の自分の状態を理解して、助けて欲しかった……

もう、あんな心細い思いをする子がいないよう、
「それはあなたのせいじゃない」と一言でも言ってくれる大人がたくさん
いてくれる、
そんな世界を夢見ています。


危険を知らせる勇気 (くさ太郎)
2011-10-02 13:29:49

国の「安心安全キャンペーン」が繰り返されている中で
危険な場所に行き、それを発信し続けることの、勇気
おわかりにならない人が多いです
それとも、受け付けられないほどの状態なのだと・・・

「義を見てせざるは勇なきなり」
本当の優しさは強さをともないます

いつも、貴重な情報をありがとうございます


すみません (ころ)
2011-10-03 00:24:27

ご気分を害してしまいました、誤解を招きました。
自分の知人は身内が見付かりません。
頑張ろうより、頑張っても頑張っても先がなく。
大変失礼致しました。
毎日ネット検索しては、泣き疲れ…
ご活躍お祈り申し上げます。


気分を害してなどいませんよ~ (よもぎ)
2011-10-03 03:13:47

守田さん、この場をお借りします。

ころさん、本当におつらい日々ですね。
誰も気分など害していないはずです。
それに、ころさんにも、知人の方にも、犠牲になった人々にも、
なんの責任もないのに、いきなり破壊されてしまった世界……

頑張れる限界なんてとっくに超えているのに、
ステッカーや看板の「がんばろう」のメッセージが嫌でもたくさん目
に入りますものね。

これらを見るたび、私の心もざわめきます。
どうして立ち上がれないほど痛めつけられた人が頑張らなくちゃなら
ないのか?
原因の責任を取るべき人は、なにも頑張らずに薄笑いを浮かべ、
必要最低限の援助もしないで逃げてしまっているのか?

ほんとうに哀しい現実ばかり見せつけられますね。
お知り合いのお身内が、ご無事に見つかること、
心からお祈りしています。


みなさま、ありがとうございます! (守田敏也)
2011-10-03 09:09:27

みなさま。

コメントありがとうございます。感動しました!

よもぎさん、いつも丁寧で説得力のあるコメントをとてもありがたく
読んでいます。応接できてないものもあって申し訳ないです。今回の
1回目のメッセージも2回目のものも、とても心がこもっていて凄いな
と思いました。

くさ太郎さん
「義をみてせざるは勇なきなり」・・・素晴らしい言葉ですね。励み
になります。そうですね。義あってこそ、この世に光があると僕も
思います。義をみて、常に動ける自分でありたいです。

そしてころさん。
二度にわたって書き込みをしてくださり、ありがとうございました。

「自分の知人は身内が見付かりません。
頑張ろうより、頑張っても頑張っても先がなく。
大変失礼致しました。
毎日ネット検索しては、泣き疲れ…」

痛みが行間から伝わってきました。
そういう思いでおられる方を前に、プルトニウム飛散情報やその危険性
を訴えるのは、とても心苦しいです。でも東電が毒を撒いてしまったので、
しかもこれまで隠してきたので、その危険性ともども、伝えざる得ない
と思っています。

でもそんなころさんから、「ご活躍をお祈り申し上げます」と言って
いただけて、心の底が温かくなるのを感じました。

これからもさまざまに心に傷を負っている方、大切な方を亡くされた方、
また「避難を」と言われても、動くに動けない方・・・そうした方の
胸の内を思いながら、文章をつづっていこうと思います。投稿、本当に
ありがとうございました。

ころさんや、お知り合いの方の心の傷が癒え、涙の向こうに希望の光が
さしはじめることをただひたすらお祈りしています。

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明日に向けて(278)まずは知らなきゃね!・・・あすのわぐまが動画に!!

2011年10月03日 08時30分00秒 | 明日に向けて(251)~(300)
守田です。(20111003 08:30)

9月28日に信楽を訪れましたが、この訪問を前に、「ことばの力、絵の力、
絵本の力」と題した記事を投稿しました。僕を招いて下さったのが、滋賀で
活躍されているあすのわのみなさんであり、その中の、絵本作家の市居みか
さんがイラストを描き、玉崎洋子さんが文を書いて下さった素敵なチラシが
訪問の縁になったからです。
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/954c69322a4325aecc96c8f86eea952b

その、あすのわぐまのチラシが、なんと動画になりました!!くまちゃん
そのものが動くわけではないのですが、絵に色がつき、音声が入り、とても
いいタイミングで、セリフや場面が変わっていきます。素晴らしい!
studio4416さんが編集して下さいました。こんなことができるのだなあと
感心しました。「ことばの力、絵の力、絵本の力」に「映像の力」と続け
なければなりませんね。ともあれみなさま、ぜひご覧ください。約7分です。
http://www.youtube.com/watch?v=HFq8gYjo3-8

sutdio4416さんは、6月11日に京都で行われた脱原発のピースウォークの
映像も編集して下さっています。前にも紹介したものですが、再度、ここに
紹介しておきます。僕がこの日初めて出会って、その歌唱力に驚嘆した
マーリンの歌声が響いています。この即興でうたわれた歌は、何度、聞いて
も凄い。こうやっていろいろな芸術的力が重なって、運動が豊かに、強く、
逞しくなっていくのは素晴らしい。もっとたくさんの力を重ねたいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=4t5EVDq6zI4&feature=related
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